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チャンバーマッチングとは

チャンバーマッチングとは、複数の装置のどれを使っても同じ特性が得られるように、装置ごとの条件を合わせこむ作業です。 注入工程ではドーズ合わせこみと呼びます。同じレシピを入れれば同じ結果になる、と考えたくなりますが、号機ごとにビームの形も測りかたも微妙に異なるため、係数で揃え直すことになります。係数は差を覆うだけで、差の原因は装置の中に残ります。

同じ条件でも装置ごとに差が出るので、ドーズ係数で入力のほうを変える

Section titled “同じ条件でも装置ごとに差が出るので、ドーズ係数で入力のほうを変える”

量産工場に複数の注入機があるとき、どの装置を用いて注入しても同じ特性が得られるようにする作業1がドーズ合わせこみです。製造メーカーが異なる機差間や、同じ機種であっても号機間で特性差が見られる場合に、ドーズ係数を変えて合わせこみます。その結果、イオン注入の条件が同じであれば同一の特性を得られます。揃えるのは出てくる特性で、そのために装置ごとのドーズ係数の側を変えます。

合わせこみの前と後
合わせこみの前ドーズ係数を変えた後係数1係数2係数3ずれ1号機2号機3号機1号機2号機3号機ドーズの設定ばらつく特性揃った特性
同じ設定でも号機ごとに特性がずれるので、号機ごとに別のドーズ係数を持たせて、出てくる特性を1本に揃えます。

指標は3つで、速さと確かさが違う

Section titled “指標は3つで、速さと確かさが違う”

合わせこみの指標には、サーマルウェーブ、シート抵抗、デバイス特性データなどを用います1。サーマルウェーブはアニールを省けるので簡略で、低注入量に向きます。シート抵抗は活性化まで含めた電気的な値です。デバイス特性データは最後に響く値ですが、得るまでに時間がかかります。指標を速いものにすれば合わせこみが早く回るものの、最終的なデバイス特性との差を抱えます。

機種が違えば、イオン種とエネルギー領域ごとに係数を分ける

Section titled “機種が違えば、イオン種とエネルギー領域ごとに係数を分ける”
係数の数
同じ機種の号機間機種が異なる装置間ドーズ係数イオン種エネルギー領域マス目ごとに係数
号機間の差はドーズ係数で合わせこみます。機種が違うと、イオン種とエネルギー領域の組み合わせごとに係数を変えることもあり、管理する数がマス目の数だけ増えます。

機種が異なるとビーム径やビーム密度、スキャン方式などが異なり、完全に合わせこむことは難しくなります1。そのためイオン種ごと、エネルギー領域ごとにドーズ係数を変えることもあります。分ければ合わせこみの精度は上がりますが、管理する係数の数が増えます。

装置間の差は、面内と枚間の2つの均一性の延長にある

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注入均一性は、イオン注入装置の能力を測り動作を確かめるパラメータのひとつです2。ウェーハ面内に注入されたイオンの分布の均一さをウェーハ内注入均一性、つまりウェーハ面内均一性と呼びます。同一の注入条件で流した複数のウェーハ間での再現性を掴む場合は、ウェーハ間注入均一性と呼びます。装置間の差は、この延長にあります。均一性はシート抵抗やダメージ測定などの手法2で測定され、サーマルウェーブもイオン注入装置のQC管理や面内均一性の測定に用いられます。

合わせた後も、全チャンバの移動平均を並べてずれを見張る

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合わせこみは繰り返しの作業で、同じ指標で定期的に測り、ずれた装置の係数を直し続けます。ずれた装置の見つけ方として、全チャンバの処理後計測の移動平均を比べ、外れたチャンバを外れ値として特定する方法があります3。

外れたチャンバの見つけ方
処理後計測の移動平均時間外れ値他のチャンバ
全チャンバの移動平均を同じ軸に重ねると、1台だけ帯を離れるチャンバが外れ値として見つかります。

係数で覆えない差は、原因を調べてハードウェアと校正を揃える

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係数で合わせこめば、どの装置へ流しても同じ特性が得られます。その代わり装置固有の癖を係数で覆うことになり、原因の側は手つかずのままです。

注入以外の工程まで含めて手順を組んだ例があります。Analog Devicesの工場を題材にしたMITの学位論文は、プラズマアッシングを行うチャンバ群にマッチングの手法を作って適用しました4。実験計画法で装置を1台ずつと全体の両方でモデル化し、個別のモデルで食い違いを見つけ、全体のモデルをレシピ最適化の足がかりにしています。差の原因は、計測器を組み込んだウェーハとin-situのセンサ監視で診断し、ハードウェアとソフトウェア、校正の方法を標準化するよう提言しています。in-situの熱電対から流したデータも、チャンバ間の性能差を見張るもう1つの手段になると分かりました。

同じ論文は、プロセスをEWMA制御器でシミュレーションし4、プロセスがドリフトしても装置の出力を剥離厚に近く保ち、食い違いを小さくできたとしています。著者はこの戦略で、流せる装置の選択肢が広がり、歩留まりのばらつきと装置の認定作業が減ることで、大きなコスト削減と品質向上を見込んでいます。

チャンバーマッチングとは何ですか?

量産工場で複数の装置のどれを用いても同じ特性が得られるようにする作業です。イオン注入の工程ではドーズ合わせこみとも呼びます。

なぜ差が出るのですか?

製造メーカーが異なる機差間や、同じ機種でも号機間で特性差が見られる場合があるためです。機種が違えば、ビーム径やビーム密度、スキャン方式も違います。

どうやって合わせますか?

イオン注入ではドーズ係数を変えて合わせこみます。プラズマアッシングの例では、実験計画法で装置ごとのモデルと全体のモデルを作り、レシピの最適化につなげています。

何を指標にしますか?

サーマルウェーブ、シート抵抗、デバイス特性データです。

完全に揃いますか?

機種が異なるとビーム径やビーム密度、スキャン方式が異なり、完全に合わせこむことは難しくなります。

その場合はどうしますか?

イオン種ごと、エネルギー領域ごとにドーズ係数を変えることもあります。プラズマアッシングの事例研究は、計測器付きのウェーハやin-situセンサで差の原因を調べ、ハードウェアとソフトウェア、校正の方法の標準化を提言しています。

面内のばらつきも掴みますか?

掴みます。注入均一性では、ウェーハ面内均一性とウェーハ間注入均一性を別々の指標として区別します。

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