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Run to Run制御とは

Run to Run 制御とは、ロット単位で加工条件を振り直し、出来栄えをねらいへ合わせ直す制御です。 装置は同じ条件で流し続けると、少しずつずれていきます。部品が消耗し、室内に膜が付くため、条件が同じでも結果はゆっくり移ります。ねらいの条件を決めて固定するだけでは、出来栄えはねらいから離れていきます。この制御の出来を決めるのは、どれだけ新しい測定値を、どれだけ強く次の条件へ反映させるかです。

何十ロットで見える一方向の流れを、毎ロット打ち消す

Section titled “何十ロットで見える一方向の流れを、毎ロット打ち消す”
制御なしと Run to Run
上限ねらい下限ねらいからのずれ制御なしRun to Run ありロット1ロット6ロット11ロットの順番
制御なしだと出来栄えのずれはロットを追うごとに積み上がっていきます。Run to Run 制御をかけると、毎ロットねらいの近くへ引き戻されます。

1 ロットだけを見比べると、ずれはわずかです。何十ロットか並べてはじめて、一方向へ偏っていく流れとして見えてきます。この制御が相手にするのはその流れで、毎ロット少しずつ条件を振れば、流れの分を打ち消しながらねらいの近くに留まります。制御の単位はロットなので、1 枚の中や 1 ロットの中で進む変動は別の仕組みが受け持ちます。

SEAJの用語集は、APC をプロセス変動をフィードバックやフィードフォワード制御によって制御すること1と定義し、プロセス・エラーの中のいわゆるランダム・エラー解消のための解決手段と位置付けています。同じ用語集は、装置の共通化と APC の適用を容易にするためのレシピの構造を挙げ、SEMI 標準の E139 などで規定されるとしています。

結果から戻すフィードバック、前工程の値で先回りするフィードフォワード

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ロットをまたぐ二つの矢印
ロット n加工測るロット n+1加工測る結果を次のロットの条件へ戻すフィードバック前工程の値フィードフォワード
フィードバックはロット n で測った結果をロット n+1 の条件へ戻し、フィードフォワードは前工程の値を使ってロット n+1 の条件を先に振ります。

半導体産業では、APCを一般的に Run to Run 制御の意味で使います2。

プロセス結果または現在のプロセス状況をもとに戻ってプロセスを変更する手法が、フィードバック制御です。測った結果が、次のロットの条件になります。CMPでは、研磨後に測った膜厚を次のウェーハの研磨時間へ返す使い方があります。

プロセス前情報を利用して予測してプロセスを変更する手法が、フィードフォワード制御です。前工程で厚めに出た分を、次の工程が先回りして引き取ります。

結果が返るのが遅いほど、打つ手は古くなる

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プロセスチャンバ内で測ることを in-situ、チャンバ外で測ることを ex-situ2 と呼びます。ex-situ は装置の外で測るのが一般的ですが、装置の中で雰囲気を制御したまま測る場合も含みます。実時間制御に適用する場合、測るタイミングはプロセス中が望ましく、結果が返ってくるのが遅いほど、打つ手が古くなります。

どの重みで過去を引きずるかが、制御の性格を決める

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急変への追い付き方
推定値ロットの順急変重み付き移動平均単純な移動平均実測
実測値が途中のロットで急変したとき、新しいデータを重く見る重み付き移動平均は、単純な移動平均より急変への応答性が良いとされています。

新しいデータにより大きな重みを加える重み付き移動平均は、単純な移動平均よりデータの急変に対する応答性が良い2とされています。どこまで過去を引きずるかが、制御の性格を左右します。

過去のデータを厚く重み付ければ雑音に強くなりますが、本物の急変への反応が鈍ります。新しいデータを重く見れば応答は速くなるものの、1 点の極端な値で条件を大きく振ってしまいます。

推定した値でも、毎ロットの制御は回る

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FDC・VM・APC の三つは、リアルタイムに監視・制御する仕組みです3。岡崎隼也は、装置データと紐付いたデータセットを使って解析やモデリングを行うことで、VM や APC によるリアルタイムでの製品の出来栄え監視とプロセスパラメータの制御を実現させているとしています。

実測が抜き取りだけでも、推定した値を挟めば毎ロット制御が回ります。推定の誤差は、そのまま制御の誤差として乗ってきます。

毎ロット直すほど、測定の誤差も条件へ持ち込む

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毎ロット振り直せば、ゆっくりした流れを打ち消せます。その代わり測定の誤差まで条件へ持ち込んでしまい、本来そのままでよい分まで直しにいきます。

結果を戻す仕組みである以上、Run to Run 制御も、ほかのフィードバック制御と同じく閉ループの不安定を抱えます4。

Run to Run 制御とは何ですか?

ロット単位で加工条件を振り直し、出来栄えをねらいへ合わせ直す制御です。部品の消耗や室内の付着膜でゆっくり移る結果を、毎ロット打ち消します。

APC とは何が異なりますか?

半導体産業では、APC を一般的に Run to Run 制御の意味で使います。

どんな手があるのですか?

結果から戻ってプロセスを変更するフィードバック制御と、プロセス前情報から予測して変更するフィードフォワード制御があります。

1 枚の中のばらつきも直せますか?

この制御はロット単位です。1 枚の中や 1 ロットの中で進む変動は、別の仕組みが受け持ちます。

何を相手にするのですか?

ゆっくりした流れです。SEAJの用語集では、APC はプロセス変動の制御手段で、いわゆるランダム・エラー解消のための解決手段とされています。

VM と組み合わせますか?

組み合わせます。リアルタイムの監視・制御の仕組みとして、FDC・VM・APC が並び、実測が抜き取りだけでも推定値を挟めば毎ロット制御が回ります。

測る場所は決まっていますか?

実時間制御に適用する場合、測るタイミングはプロセス中が望ましいとされています。チャンバ内で測るのが in-situ、チャンバ外で測るのが ex-situ です。

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