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CMPの終点検出と閉ループ制御は過研磨と膜厚ばらつきを減らす|Applied Materialsは一式で載せ、Novaの統合計測はGAAのCMP向けに選ばれた

CMPの制御は、働く時点で3つに分けて整理できる。研磨中に膜の切り替わりをとらえて止める終点検出、研磨中にヘッドの区画ごとの圧力を変えて面内の形を直す閉ループ、研磨後に膜厚を測って次のウェーハの条件を直すフィードバックだ。止めどきの精度は過研磨、つまり終点の後に足す研磨の量を決める。Applied MaterialsとMITが1999年に報告した銅CMPの試験では、厚さ約500 nmの銅配線で過研磨を10%足すと銅が100 nm減った1。

Applied Materialsは、終点検出、インライン計測、先進プロセス制御をReflexion LKに一式で載せる2。研磨後の膜厚計測では、Novaが2026年2月、先端ロジックの大手顧客が同社の統合計測をGAA工程のCMP向けに選んだ3と発表した。一方、荏原製作所は2025年11月のIR資料で自社をCMP装置の世界2位とし、強みに30年の経験、特許、金属層のCMP技術4を挙げる。

上段にウェーハnの研磨、洗浄・乾燥、統合計測、ウェーハn+1の研磨を並べ、研磨の中に終点検出とゾーン圧の閉ループ、統合計測から次のウェーハへ戻る矢印を描いた図。下段の表は3段それぞれの見るもの、直すもの、効く不良を並べる。
終点検出は止めどきでディッシングを、ゾーン圧の閉ループは面内の形を、統合計測は次の1枚との差を直す。

止めどきの精度は、過研磨の量を通じてディッシングを決める

Section titled “止めどきの精度は、過研磨の量を通じてディッシングを決める”

銅のCMPでは、配線の間に残る銅を確実に除くため、終点の後も少し磨き続ける過研磨が要る。Applied MaterialsとMITの1999年の報告によれば、研磨がバリア膜に達した時点からディッシングとエロージョンが始まり、ディッシングは過研磨とともに単調に増えた1。幅100 µmの溝では、最適な過研磨でもディッシングが約50 nm残った。抵抗測定用のvan der Pauw構造では、過研磨を10%足すと、電気的に求めた銅の厚さが100 nm減った。同報告は、配線抵抗を揃えるには過研磨の時間を数%以内に収める必要があるとし、制御の悪い工程では下層配線の狙いの厚さ約500 nmの半分を失いうるとした。

配線が密に並ぶ領域ではエロージョンが主因になる。同じ1999年の試験で、幅4.5 µm・間隔0.5 µm(密度90%)の配線群に40%の過研磨をかけると、厚さ500 nmの銅配線の約70%が失われた1。

必要な過研磨の量は、同報告によれば2つで決まる。成膜した銅の厚さと除去速度の面内均一性、そして装置が終点を正確に監視し制御する能力だ1。終点の精度が上がれば安全側に足す過研磨を減らせ、その分だけディッシングとエロージョンが減る。均一性はヘッドの区画圧とスラリー・パッド・コンディショナーの状態で決まる。

終点の測り方は、磨く膜で選び、組み合わせて弱点を埋める

Section titled “終点の測り方は、磨く膜で選び、組み合わせて弱点を埋める”

止めどきを決める終点検出は、研磨中のウェーハを測り、狙いの膜が現れた時点で研磨を止める制御だ。測り方は3つあり、それぞれ見えやすい膜が違う。

方式見ているもの得意な場面弱点
摩擦(モーター電流)パッドとの摩擦の変化Wと絶縁膜の境5Cuのバリア(Ta・TaN)と絶縁膜の境5
広帯域分光(光学)パッドの窓から見た反射スペクトル下の膜が現れたときの信号の変化6、酸化膜・STIの終点71999年のSTIでは設計ルールで波形が変わった8
渦電流導電膜の中の渦電流厚い金属膜の残り厚さ6導電膜しか測れない9

摩擦方式は量産で実績があるが、SpeedFam-IPECの特許は、Ta・TaNのバリアは下の絶縁膜と摩擦係数が近く、モーター電流の変化が小さい5と指摘する。WとTiN・Tiの積層は絶縁膜と摩擦係数が大きく違うので、同じ方式でも検出しやすい。

渦電流センサーは導電膜の中に生じる渦電流からその膜厚を測るので9、金属を削る段階に向く。2001年には、光学と渦電流の組み合わせをApplied MaterialsもKLA-Tencorも出した。Applied Materialsの2001年出願の特許は、渦電流で厚い金属膜の厚さを追い、光学で反射率の変化から膜の切り替わりをとらえる6構成を示す。KLA-Tencorは2001年3月、光学と渦電流を組み合わせ、入ってくるウェーハのばらつきを1枚ごとに補正する銅CMP向けの膜厚・終点システムPrecice10を発表し、狙いを過研磨・研磨不足によるディッシング、エロージョン、金属残りの低減とした。

Applied Materialsの現行のReflexion LKは、絶縁膜と金属のどちらのCMPでも、広帯域分光のFullVision XEか、ホール効果の渦電流センサーを使うRTPC XEで終点と研磨の形を制御する2。FullVisionは2007年11月の発表時に、研磨ゾーンごとに監視し、パターン付きウェーハで終点精度を3σで15 nm未満にするとうたい7、精度と再現性は競合の2倍と自社比較で主張した。

分光で終点を決めるには限界もある。Texas InstrumentsとMITの1999年の論文は、STIのCMPで設計ルールが少し変わるだけで光学の終点波形が変わり、山も谷も出ない波形では終点の判定式を作れず、設計ルールを変えざるを得ない場合がある8と報告した。研磨中の信号は膜厚を間接に見ているので、製品ごとに較正が要る。

ゾーン圧の閉ループは、パッドが減っても面内の形を保つ

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研磨ヘッドはウェーハの裏を同心円の区画に分けて押し、区画ごとの圧力で中心と端の除去量を変える。閉ループ制御は、研磨中に区画ごとの膜厚を測り、その圧力をその場で直す。

効果はパッドの寿命にわたって表れる。IBMとApplied Materialsは2012年、20 nm世代の置き換えゲート工程の酸化膜CMPで、Applied MaterialsのISPCを使った閉ループのウェーハが、圧力固定の従来条件より平坦な面を保ち、区画間のレンジはパッド寿命を通じて300%を超えて改善し、特に端の区画で効いた11と報告した。パッドが摩耗すると除去速度の分布が動くので、圧力を固定したままでは形がずれていく。

Applied Materialsは区画圧の決め方も変えている。2017年優先の特許は、ヘッドの区画ごとの圧力を制御変数とし、制御ソフトのi-APCが区画圧の初期値を作り、ニューラルネットワークで除去プロファイルを予測する12構成を示す。同特許は、前に処理したウェーハの情報で次のウェーハの条件を直す制御も含み、面内とウェーハ間の膜厚ばらつきを減らせるとする。

研磨後の計測を次の1枚へ返すと、研磨時間を1枚ごとに直せる

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研磨中のセンサーと研磨後の計測は、役割が違う。TIとMITの1999年の論文は両者を比べ、研磨中のセンサーはリアルタイムに制御でき入ってくる膜厚のばらつきを補正できるが間接測定で、研磨後のオンライン計測は決めた点の膜厚を正確に測れ設計ルールの影響を受けない8と整理した。同論文では、装置内の分光膜厚計と単体の膜厚計の差の標準偏差は1.2 nmで、600枚のランツーラン制御の実験で90ロット超の誤差(MSE)は12 nmだった。

1つの工場の例では、ばらつきが大きく減った。Rudolph TechnologiesとVishayの2015年の報告によれば、Vishayの量産ラインで、抜き取りで測った研磨前の膜厚と前の研磨後の膜厚から1枚ごとに研磨時間を決める制御を入れると、CMPのCpkが72%上がり、規格外はゼロになり、研磨後のウェーハ間の膜厚ばらつきは70%減った13。どの成膜炉を通ったかで研磨後の膜厚が変わることも分かり、炉ごとの補正を足すとCpkはさらに39%上がった。

研磨装置に組み込む膜厚計では、NovaのCMP向け統合計測i580が面内とダイ内の膜厚を測り、高速の研磨装置に組み込んで測定点を増やせるとする14。Novaは2026年2月、先端ロジックの大手顧客が、GAA工程のCMP向けに同社の統合計測を選んだ3と発表した。計測装置の各社の分担は検査・計測装置ベンダーの比較にまとめている。

Applied Materialsは制御を標準で一式載せ、荏原は終点と膜厚計をオプションにする

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Applied MaterialsはReflexion LKを業界をリードする300 mmのCMPプラットフォーム2と呼び、終点検出、インライン計測、先進プロセス制御を一式で載せる。パッドに窓を開ける特許技術で全ウェーハを研磨中に監視し、FullVision XEとRTPC XEの狙いを、消耗材とウェーハのばらつきによるドリフトで生じる不良ウェーハを減らし、Cpkを上げることとしている2。後継のReflexion LK Primeは研磨パッド4枚、ヘッド6個、洗浄8室、乾燥2室を持ち、モジュール数を7から14に増やした15。同社はこの構成で、多くの用途のスループットが最大2倍になるとしている。

荏原製作所は2025年11月のIR Dayで、CMP装置の累計出荷が4,000台を超え、世界シェアは2位4と示し、CMP市場は2030年まで年率9%以上で伸びると自社推計を出した。同じIR Dayの説明では、精密・電子カンパニーの売上の56%をCMP装置が占める16。現行機F-REX300XAは1テーブル1ヘッドの構成で、研磨終点の検出モニターとインライン膜厚測定器をオプションで載せる17。荏原は成長の機会に、裏面電源、ハイブリッド接合、Co・Ru・Moなど新しい配線金属で増えるCMP工程16を挙げる。

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