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オーバーレイ計測とは

オーバーレイ計測とは、積み上げる層と層の間で、パターンの位置がどれだけずれているかを測ることです。 ずれが大きいと、層どうしの導通が切れます。

各層が正しくても、位置が合わなければ回路として働かない

Section titled “各層が正しくても、位置が合わなければ回路として働かない”

半導体は層を積み上げて作ります。各層のパターンが単独で正しく作れていても、上下の位置が合わなければ回路としての働きを失います。上の層のビアが下の層の配線からはみ出せばその場所のビア抵抗が上がり、抜けきれば断線します。線幅とは別に、層と層の位置関係そのものを測る理由がここにあります。キヤノンは解像力・オーバーレイ精度・スループットを露光装置の3大性能とし1、オーバーレイ精度が半導体チップの良品率に直結するとしています。

専用のマークを、回折した光で、エッチングの前に測る

Section titled “専用のマークを、回折した光で、エッチングの前に測る”

測る対象には、製品パターンそのものよりも専用のマークが使われます。ASMLは、YieldStar 375F2が回折を利用した測定によって製品上のオーバーレイとフォーカスの性能を高速かつ正確に監視でき、プロセス条件を問わず測れるとしています。

製品パターンそのものよりも、専用のマークを測ります
製品パターンそのものよりも測るのはこちら専用のマークこれを測ります光を当てます回折した光製品パターンそのものよりも、専用のマークが使われますASMLの公式製品ページは、YieldStar 375Fが回折を利用した測定によって高速かつ正確に監視でき、プロセス条件を問わず測れると述べています
オーバーレイは、製品パターンそのものよりも専用のマークで測ります。マークへ光を当て、回折した光からずれを読み取ります。

YieldStar 375Fは露光後・エッチング前の計測を対象とし、プロセスの監視と制御、および露光装置の安定性とマッチングに使われます。エッチングの前であれば、ずれが大きい場合にレジストを剥がして露光をやり直せます。エッチング後は下の層まで加工が進むため、リワークの手が尽きます。

オーバーレイ ─ 層と層の位置が合うか
合っている下層の配線上層中心に乗る全面で接触し、導通しますずれているずれ量接触面積が縮み、抜けきれば断線します露光後・エッチング前に測るレジストを剥がして露光をやり直せるエッチング後は下層まで進む
重ね合わせが合っていれば上層のビアが下層の配線の中心に乗り、全面で接触します。ずれると接触面積が縮み、抜けきれば断線します。露光後エッチング前に測れば、レジストを剥がして露光をやり直せます。

重ね合わせの許容は、同じ装置か装置をまたぐかで別になる

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キヤノンのFPA-6300ES6aは3、KrF 248nm・開口数0.86〜0.50(自動可変)・解像力90nm以下・画面サイズ26mm×33mmの条件で、重ね合わせ精度5nm以下を掲げています。FPA-1200NZ2C4は300mmウェハ・画面サイズ26×33mmで4nm以下としています。i線365nmのFPA-5550iZ25は解像力350nm以下で、重ね合わせ精度をSMOが18nm以下、MMOが25nm以下(オプション適用時)と分けています。同じ装置だけで層を重ねる場合と、装置をまたいで重ねる場合で、確保できる値が別になります。

要求の側では、Pitch Splittingは異なる露光でエッジを作るため、重ね合わせ誤差がそのまま寸法誤差になります6。JEITAの平成21年度報告は、最新の露光装置の仕様値が3nm以下を示す一方で、プロセス起因のアライメントマーク変形や歪み、ウェハの歪みの影響も大きいとしています。マルチパターニングでは、シングル露光に対して重ね合わせ精度を1/2以下、寸法均一性を1/21/\sqrt{2}以下へ縮める要求が挙げられています。この要求を受けて総額を分けるのが重ね合わせバジェットで、寸法と合わせて管理するのがエッジ配置誤差とCD均一性バジェットです。

ナノインプリントでは、転写するパターンサイズ10数nmに対して、位置合わせ精度として数nmの水準が要ります7。キヤノンは、Through The Mask(TTM)スコープでマスクとウェハーの位置関係をリアルタイムに測り、位置ずれを1nm以下の精度で計測して補正できるようになったとしています。

1台で通すか、装置をまたぐかで許容が動きます
キヤノンの公式仕様に出る重ね合わせ精度FPA-1200NZ2C4nm以下FPA-6300ES6a5nm以下FPA-5550iZ2 SMO18nm以下FPA-5550iZ2 MMO25nm以下025nm同じ1台で通すSMOから装置をまたぐMMOへ広げると、許容は18nmから25nmへ動きます計測側の要求精度は工程許容の20%です(JEITAのメトロロジの章)
同じ1台で通すSMOと、装置をまたぐMMOでは、キヤノンFPA-5550iZ2の許容が18nm以下と25nm以下で別になります。計測側へ回る要求は工程許容の20%で、許容が縮むほど計測の精度と時間の負担が増えます。

測定点数、マーク、装置の割り当て、測る層の4つが現場のつまみ

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第一のつまみは測定点数です。チップ内の格子と、ウェーハ内のチップ配列の格子を、線形の近似から高次の近似へ移すと、ウェーハ内とショット内へ複数のアライメントマークと位置ずれ計測マークを配置する必要が生じます8。点数を増やせば高次の歪みまで補正でき、面内の均一性が上がります。代償は時間です。MAM time(Move-Acquire-Measure time、計測点から計測点までの1サイクル)が要求項目になり、その要求値は2010年の1.0秒/点から2020年以降の0.5秒/点へ縮みます。点数を減らせばウェーハ1枚の計測時間は縮みますが、補正の次数を落とすぶん残差が広がります。

第二のつまみはマークの寸法と種類です。同じ要求表は、光学オーバーレイまたは回折オーバーレイ用のターゲットパッドを2010年の40µm角から2024年の10µm角へ、ダイ内マイクロターゲットを2010年の10µmから2016年以降の2µmへ縮めています。マークを小さくすればチップ内へ多く配置でき、高次補正の分解が上がる一方、回折光の量が減って繰り返し性9が落ちます。繰り返し性は、同じ測定者が同じ装置で同じ条件と同じサンプルを測ったときに出る変動です。

第三のつまみは装置の割り当てで、SMOとMMOの差がそのまま表れます。1つの層を1台へ割り当てればSMOの値のまま流せますが、その装置が停止した瞬間にロットが滞ります。複数台へ流せば装置マッチングの残差が乗ってMMOの値へ広がる代わりに、稼働の自由度が上がります。高速スキャンステージの位置計測を、気流の揺らぎに弱いレーザー干渉計からエンコーダーへ替えたことで、重ね合わせ精度は上がりました。

第四のつまみは測る層です。露光後エッチング前で測れば、レジストを剥がすやり直しの道が生きます。半面、レジスト像とエッチング後の像の差が誤差として乗ります。エッチング後で測ればデバイスの最終形に近い値が取れる代わりに、リワークの手が尽きます。

測ったずれは、露光装置への補正量になる

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ずれの量と面内の分布から補正量を計算し、次のウェーハの露光位置を調整します。APCは、プロセス変動をフィードバック制御とフィードフォワード制御で抑える手段です10。ASMLはメトロロジーおよび検査システムの製品群11を持っています。

補正を渡す先には、露光装置の手前もあります。ニコンの露光では、1枚のウェハへ回路を焼き付けるあいだにフォトマスクを数十回入れ替え12、複数のセンサーを用いてnmレベルで位置合わせします。Litho BoosterやinlineAlignment Station(iAS)は、露光前にウェハの歪みを計測して補正します。露光してから測るループに、露光する前に測るループが重なります。

装置側のソフトウェアも受け皿になります。キヤノンのLithography Plusは13、位置合わせと線幅制御の設定を自動で最適化したレシピを提供するプロセスソリューション機能を持ち、APCのようなプロセス機器とつなぐインターフェースを備えます。データ保持期間は標準3か月、1台のデータベースサーバーが受け持つ装置は最大10装置です。集めた値を残す期間そのものが、SPCで追える範囲を決めます。

この用語に対応する装置と製造メーカー

Section titled “この用語に対応する装置と製造メーカー”

装置カタログDBから、この用語に一致する製品familyを持つメーカー 2社/2family を引いています。 各行は各社の公式製品ページを出典とします。 DBからの生成日: 2026-08-22

出典は各社の公式製品ページです。 装置カタログDB では、同じ製品familyを工程・メーカー横断で検索できます。

オーバーレイとは何ですか?

積み上げる層と層の間で、パターンの位置がどれだけずれているかを表す量です。下の層のパターンに対して、今回作ったパターンがどれだけ横方向にずれたかを測ります。キヤノンはオーバーレイ精度を露光装置の3大性能の1つに挙げ、半導体チップの良品率に直結するとしています。

なぜ重ね合わせが問題になるのですか?

層どうしの導通が切れるためです。上の層のビアが下の層の配線からはみ出せば、その場所の接触面積が縮み、抜けきれば断線します。パターン自体が正しく作れていても、位置が合わなければ回路としての働きを失います。

どうやって測りますか?

専用のマークを使い、回折した光から測ります。ASMLは、YieldStar 375Fが回折を利用した測定によって、製品上のオーバーレイとフォーカスの性能を高速かつ正確に監視できるとしています。

なぜ露光後エッチング前に測るのですか?

直せる段階だからです。YieldStar 375Fは露光後・エッチング前の計測を対象とし、プロセスの監視と制御、および露光装置の安定性とマッチングに使われます。この段階ならレジストを剥がして露光をやり直せます。

装置1台だけで使う場合と、複数台へ流す場合で許容は変わりますか?

変わります。キヤノンのFPA-5550iZ2では、重ね合わせ精度がSMOで18nm以下、MMOで25nm以下(オプション適用時)です。同じ装置だけで層を重ねる場合と装置をまたぐ場合で、確保できる値が別になります。

測定点数はどれだけ取りますか?

補正の次数で決まります。チップ内の格子と、ウェーハ内のチップ配列の格子を、線形の近似から高次の近似へ移すと、ウェーハ内とショット内へ複数のマークを配置する必要が生じます。計測時間と計測コストを抑える要求として、MAM time(Move-Acquire-Measure time)が挙げられています。

測った結果はどう使いますか?

露光装置へ渡します。ずれの量と面内の分布から補正量を計算し、次のウェーハの露光位置を調整します。装置間の差を揃えるマッチングにも使われます。

オーバーレイ計測装置のメーカーはどこですか?

ASMLのYieldStarファミリーと、KLAのArcherファミリーがあります。装置カタログDBでは、計測の製品familyを横断して引けます。

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