コンテンツにスキップ

オーバーレイ計測、現像後ならやり直し可能|エッチング後の値は露光補正に返す

露光した層で重ね合わせのずれが出たとき、先に決めるのは装置の会社ではなく、現像後とエッチング後のどちらで測り直すかだ。重ね合わせ誤差とは、上の層のパターンが下の層からどれだけずれたかを指す。現像後に測れば、その値でリワークの要否と露光機の補正を決められ、規格外のウェーハはレジストを除いて露光からやり直せる。エッチング後に素子の上で測った値は、目印の値との差として光学の値に足され、露光の補正に返る。

しかし時点を決めても、会社は1つに絞れない。ASMLは製品ページで、YieldStar 380Gを現像後、375Fを露光後・エッチング前、1390をエッチング後の重ね合わせ計測装置としている。KLAはArcher 800を露光機の高次補正に向けた重ね合わせ計測装置と説明し、KLAの特許は重ね合わせを現像後に測る方法を書く。この2つから、この記事ではArcherも現像後の計測でYieldStarと競うと推定する。

重ね合わせを測る2つの時点の図。現像後はASML YieldStar 380G・375Fと、この記事の推定でKLA Archer 800・750が光学で目印を測り、規格外ならリワークで露光へ戻し、値は露光機の補正へ返す。エッチング後はASML YieldStar 1390と高加速SEMが素子の上で測り、目印と素子の差を露光の補正へ返す。
現像後の値は、そのウェーハのやり直しと露光機の補正に使える。エッチング後の値は、目印と素子の差として露光の補正に返る。Archerの位置は、この記事の推定だ。

現像後に測れば、規格外のウェーハを露光からやり直せる

Section titled “現像後に測れば、規格外のウェーハを露光からやり直せる”

現像後の計測(ADI、after-develop inspection)は、レジストのパターンと下の層の目印の位置を比べる。この時点では、ずれたパターンはまだレジストの中にしかない。レジストを除けばウェーハは露光の手前に戻り、リワークでもう一度露光できる。

KLAの特許は、重ね合わせ誤差を現像の後にリソグラフィのセルの中で測り、その値でリワークが要るかと露光機の補正項を決める1と書く。同じ特許は、リワークが時間を食い、ダイの歩留まりを下げると指摘する。現像後の計測値は、やり直しの判断と、露光機へ返す補正値の両方に使われる。

現像後の光学計測では、ASMLはYieldStarを挙げ、KLAのArcherも同じ用途とみられる

Section titled “現像後の光学計測では、ASMLはYieldStarを挙げ、KLAのArcherも同じ用途とみられる”

ASMLのYieldStar 375Fは2、露光後・エッチング前の重ね合わせとフォーカスを回折光で測る。塗布現像装置に組み込む型と単体の型があり、1ロットで数千点を測れるとASMLは説明する。後継のYieldStar 380Gは3、現像後の重ね合わせとフォーカスを測り、ロットの処理時間を375Fより50%以上縮めたという。ASMLは、露光機が全ウェーハで測る位置データとYieldStarの値を組み合わせる計算計測で、重ね合わせの性能を10〜20%改善できるとする。

KLAのArcher 800も4、製品上の重ね合わせ誤差を画像で測る光学装置だ。KLAは用途に製品上の重ね合わせの管理、インラインの監視、露光機の認定を挙げ、露光機の高次補正に向けて測定点を増やせるとする。新しい目印の設計rAIMで、目印と素子の重ね合わせの相関を高めたという。7 nm以下のロジックと先端メモリー向けにはArcher 750、ダイの中の小さなピッチの目印には散乱計測方式のATL100がある。

ArcherをYieldStarと同じ現像後の装置とみるのは、KLAの特許が書く現像後の測定と、製品ページが書く露光機の補正という用途を合わせたこの記事の推定だ。現像後に測ったCDとエッチング後のCDの差から原因の工程を分ける手順は、ADIとエッチバイアスの切り分けで扱った。

エッチング後は、目印ではなく素子の上でずれを測る

Section titled “エッチング後は、目印ではなく素子の上でずれを測る”

エッチング後の計測(AEI、after-etch inspection)では、素子のパターンそのものの上で重ね合わせを測る。ASMLのYieldStar 1390は5、エッチング後に素子の上の重ね合わせを光学で測り、走査電子顕微鏡より速いとASMLは説明する。同じ装置で、素子の上の傾きとCDも測れる。電子ビームでは、2023年のSPIE論文を読んだ解説のとおり、エッチング後に高加速SEMで素子の上の重ね合わせを測る使い方が量産で広く採られている。AMATは2025年10月の発表で、電子ビーム計測装置のPROVision 106が素子の上の重ね合わせを直接測れるとし、用途にEUVの層の重ね合わせを挙げた。電子ビームの装置が欠陥検査とどう違うかは、検査・計測装置の比較で整理した。

エッチング後に測る値は、現像後の目印の値と素子の上の値の差を知るために使う。量産では、この差を光学の値に足して露光機へ返す補正が使われている。その組み方と、電子ビームが光学の値の基準になる理由も、同じ解説にまとめた。

測る時点で、値をやり直しに使うか補正に使うかが決まる

Section titled “測る時点で、値をやり直しに使うか補正に使うかが決まる”

現像後の値は、KLAの特許が書くとおり、リワークの要否と露光機の補正項の両方に使われる。エッチング後には、ずれたパターンがすでに下の膜に写っているので、レジストを除いてやり直す使い方はできないとこの記事では見る。その時点の素子の上の値は、目印と素子の差を補う補正に回る。現像後にはASMLのYieldStar 380G・375Fが、エッチング後の素子の上にはASMLのYieldStar 1390と高加速の電子ビーム計測が使われる。

6件を表示
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6