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ダイボンディング(ダイアタッチ)とは

ダイボンディングとは、切り分けたチップを基板やリードフレームの決められた位置へ接合する工程です。 ダイアタッチとも呼ばれ、以降の配線と封止の前提になります。位置がずれたまま接合すると、続く配線工程が破綻します。

電極どうしを直接合わせる構成では位置の精度が、発熱の大きいパワー半導体では熱を抜く接合材が決め手になります。精度は装置の時間で、放熱は材料費と工程で払います。

接合材は、熱を抜く量と導通の要否で選ぶ

Section titled “接合材は、熱を抜く量と導通の要否で選ぶ”

ダイシングで切り分けたチップは、決められた位置へ、決められた向きで、以降の工程で動かない状態に据える必要があります。接合材には樹脂の接着剤、フィルム状の接着材、はんだ、銀の焼結材などがあり、放熱の要求、電気的な導通の要否、耐熱性、費用で選びます。

パワー半導体のように発熱が大きい製品では、熱を裏面から基板側へ抜く経路が要ります。樹脂系の接着剤は熱が伝わりにくいため、熱を伝えやすいはんだや焼結材が選ばれます。Besiはソフトはんだダイボンディング1をパワー半導体向けの製品にしています。

装置の1サイクルは4つの動作でできています。ウェーハ側でチップを突き上げて吸着し、基板側へ接着材を塗り、チップを運んで下ろし、位置を測ります。キヤノンマシナリーのBESTEM-D3102は塗布をツインディスペンス方式にし、接着剤の塗布とチップ実装の距離を最小にして接着剤の経時変化を抑えるとしています。塗ってから載せるまでが長いほど、樹脂の粘度が動いて濡れ広がりが変わるためです。

接着材料の選び分け ─ 放熱と精度の要求で決まる
樹脂系の接着剤チップ樹脂基板熱が伝わりにくい発熱が小さい製品に向く費用を抑えやすいはんだ・銀焼結材チップはんだ/焼結材基板熱を裏面から基板側へ抜ける電気的にも導通するパワー半導体で選ばれる放熱・電気的導通・耐熱性・費用から材料を選ぶ
樹脂系の接着剤は費用を抑えやすい一方、熱が伝わりにくくなります。はんだや銀焼結材は熱を裏面から基板側へ抜く経路になり、電気的にも導通します。発熱の大きいパワー半導体では後者が選ばれます。

電極を直接合わせる構成では、ずれがそのまま導通の失敗になる

Section titled “電極を直接合わせる構成では、ずれがそのまま導通の失敗になる”

要る実装精度は構成で変わります。ワイヤで配線する構成なら比較的緩く済みます。フリップチップやハイブリッドボンディングのようにチップ側の電極を直接相手の電極へ合わせる構成では、ずれがそのまま導通の失敗になります。ASMPTはAMICRA3を超高精度ダイボンディングの製品にしています。

量産の汎用機では、BESTEM-D310のボンディング精度がXY±25μm(3σ)、θが±1°(3σ、□1.0mm以上)と±3°(3σ、□1.0mm未満)で、対象チップは□0.3mmから□8.0mm、厚さ0.1mmから0.5mmです。12インチウエハー対応のBESTEM-D5104は同じXY±25μm(3σ)で、厚さ0.075mmからの薄いチップまで扱い、リードフレームは長さ100mmから300mm、幅25mmから102mm、厚さ0.075mmから2.0mmまで受け入れます。薄ウェーハハンドリング側の要求が、そのままダイボンダの受け入れ範囲に出ています。

同じずれでも、配線の仕方で結果が変わります
狙う位置狙う位置ワイヤで配線する構成基板チップずれても配線が届きます要る精度は比較的緩く済みます電極を直接合わせる構成基板チップ電極が相手からずれますずれがそのまま失敗になりますどちらも同じだけずれた場合を並べています要る精度は構成で変わりますワイヤ配線なら緩く済みます電極を直接合わせるなら厳しくなりますASMPTは公式製品ページで、AMICRAを超高精度ダイボンディングの製品として掲載しています
ワイヤで配線する構成では、チップが狙う場所からずれても、配線が距離をまたいで基板の電極へ届きます。チップ側の電極を直接相手の電極へ合わせる構成では、同じずれで電極が相手からずれ、そのまま失敗になります。

積層する製品では、チップの上へチップを重ねます。下のチップを傷めない荷重で、傾かずに載せる必要があり、段数が増えるほど1段ごとのわずかな傾きが上へ累積します。累積した傾きはワイヤボンディングのループ高さや封止樹脂の厚みの余裕を食い、最後は反りとして基板側へ出ます。Besiはダイアタッチ装置5の製品群をそろえています。

精度を±25μmから±15μmへ上げると、1時間に約2,500サイクルを失う

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裏面認識カメラを載せたD311plusでは、この取引が数字で並びます。プロセス時間を除いた値で、ボンディングスピードは裏面認識OFFで0.248sec/cycle、ONで0.300sec/cycle、ボンディング精度はOFFでXY±25μm(3σ)、ONでXY±15μm(3σ)です。精度が1.67分の1に縮む代わりに、1サイクルが0.052秒、約1.21倍に伸びます。

1時間に直すと、0.248sec/cycleで約14,516サイクル、0.300sec/cycleで12,000サイクルです。差の約2,500サイクル/時が、裏面認識を入れた代償です。対象チップも狭まり、裏面認識対応時は□0.3mmから2.5mm(オプションで□0.1mmから0.7mm)と、標準の□0.3mmから□8.0mmより小さくなります。

据え付けの条件は、D310とD311plusが電源AC200V 15A、ドライエア0.4MPaで60L/min、真空源-66.7kPaで100L/min、幅1,860×奥行1,282×高さ1,622mm、重量約1,500kgです。D510は幅1,900×奥行1,400×高さ1,600mmで、マウント部ヒーターは最大200℃を1チャンネル持ちます。この200℃の上限が、エポキシ系で使える硬化条件の枠を決めます。

焼結銅は熱伝導率が高鉛はんだの10倍、寿命が約40倍

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レゾナックは焼結銅接合ペースト6の熱伝導率を300W/(m・K)、比較対象の高鉛はんだを30W/(m・K)としており、差は10倍です。同社によると、高鉛はんだの接合ではダイボンド部位が放熱のボトルネックになり、焼結銅ではSiCからの発熱が拡散して局所的な温度上昇が抑えられます。

住友ベークライトは、はんだの熱伝導率25〜60W/m・KではSiCパワー半導体に求められる放熱性に足りないとし、セミシンタリング銀ペースト7を150W/m・Kとしています。この製品は無加圧の工程で使え、硬化温度が従来のフルシンタリング材より低いため、線膨張係数の差による硬化時のストレスが減るとしています。置き換える対象は鉛含有量37%の鉛はんだで、サンプル供試は2023年9月から、量産化目標は2024年12月です。

同じ150W/m・Kでも、加圧が要るかどうかで工程の姿が変わります。京セラの銀シンタリングペースト8はナノ銀粉とミクロン銀粉を金属焼結で結合させ、無加圧で接合し、塗布方法は従来の銀ペーストと同じです。同社は-55℃と150℃の冷熱サイクル試験で、熱抵抗の変化をはんだと比べています。加圧が要る材料では、荷重をかける機構と時間が装置側に乗ります。

Tj,max=175℃のパワーサイクル試験では、レゾナックの焼結銅は特性寿命が高鉛はんだの約40倍、焼結銀の約5倍になったとしています。銅は銀より弾性率と降伏応力が高く熱膨張係数が小さいため、熱歪みが弾性変形の範囲に収まり、疲労破壊に至りにくいと同社は説明しています。同社はダイボンド用を5mm角から13mm角、大面積接合用を30mm角から50mm角と想定し、大面積では焼結銅のほうが低い圧力で熱圧着でき、総荷重を減らせるとしています。

4つのつまみは、どれも精度・熱・応力・費用の取引になる

Section titled “4つのつまみは、どれも精度・熱・応力・費用の取引になる”
  • 裏面認識を入れると、精度はXY±25μmから±15μm(3σ)へ縮み、1サイクルは0.248秒から0.300秒へ伸び、対象チップは□8.0mmから2.5mmへ狭まります。切れば速度と対象範囲が戻る代わりに、フリップチップ側の合わせ余裕が減ります。
  • ボンディング荷重を上げると接着材が薄く均一に広がり、ボイドが減って熱抵抗が下がります。代わりに下のチップへ応力が入り、積層品では下段のクラックが増えます。下げると下段は守れる一方、接着層が厚くなって熱抵抗が上がります。
  • 硬化温度を上げると樹脂の硬化が進んで接着強度が出ますが、硬化時の線膨張係数の差でストレスが増え、反りが大きくなります。下げるとストレスは減る一方、硬化時間が伸びて装置の占有が増えます。D510のマウント部ヒーターの上限は200℃です。
  • 材料を焼結銀や焼結銅へ替えると、熱伝導率は30W/(m・K)から150〜300W/(m・K)の側へ動き、寿命も高鉛はんだの約40倍まで伸びます。代わりに材料費が上がり、フルシンタリング材では加圧の機構と時間が要ります。樹脂系を選ぶと費用は下がる一方、パワーモジュールの放熱経路が接合層で詰まります。
熱伝導率は10倍動き、代わりに加圧と費用が乗ります
熱伝導率 W/(m・K) 各社公式資料の記載値高鉛はんだ30放熱のボトルネックと記載はんだ25〜60SiCには不足と記載銀セミシンタ150無加圧の工程で使えると記載焼結銅300焼結銅は焼結銀より低い圧力で熱圧着できると記載差し出すもの材料費が上がりますフルシンタでは加圧が要ります荷重の機構と時間が乗ります得られるものTj,max=175℃のパワーサイクルで特性寿命が高鉛はんだの約40倍焼結銀に対しても約5倍レゾナック公式ソリューションページの記載
ダイアタッチ材料の熱伝導率は、高鉛はんだの30W/(m・K)から焼結銅の300W/(m・K)まで10倍の幅で並びます。上へ動かすほど放熱と寿命は得られますが、材料費と、フルシンタリング材では加圧の機構と時間を差し出すことになります。

この用語に対応する装置と製造メーカー

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装置カタログDBから、この用語に一致する製品familyを持つメーカー 3社/4family を引いています。 各行は各社の公式製品ページを出典とします。 DBからの生成日: 2026-08-22

出典は各社の公式製品ページです。 装置カタログDB では、同じ製品familyを工程・メーカー横断で検索できます。

ダイボンディングとは何ですか?

切り分けたチップを、基板やリードフレームの決められた位置へ接合する工程です。ダイアタッチとも呼ばれ、以降の配線と封止の前提になります。

何で接合するのですか?

樹脂の接着剤、フィルム状の接着材、はんだ、銀の焼結材などを用途ごとに選びます。Besiはソフトはんだダイボンディングをパワー半導体向けの製品にしています。

材料は何で選びますか?

放熱、電気的な導通の要否、耐熱性、費用です。発熱の大きいパワー半導体では熱を裏面から抜く経路が要るため、熱を伝えやすいはんだや焼結材が選ばれ、発熱が小さい製品では樹脂系で足ります。

実装精度はどのくらい要りますか?

製品によって大きく変わります。キヤノンマシナリーのエポキシ用ダイボンダーBESTEM-D310はXY±25μm(3σ)、裏面認識カメラを載せたD311plusは裏面認識ON時にXY±15μm(3σ)です。ASMPTはAMICRAを超高精度ダイボンディングの製品にしています。

精度を上げると何を差し出しますか?

時間です。D311plusのボンディングスピードは裏面認識OFFで0.248sec/cycle、ONで0.300sec/cycleで、精度が±25μmから±15μmへ縮む代わりに1サイクルが0.052秒伸びます。

積層する製品ではどうなりますか?

チップの上へチップを重ねるため、下のチップを傷めない荷重で、傾かずに載せる必要があります。段数が増えるほど、わずかな傾きが上へ累積します。

焼結材とはんだでは放熱がどれだけ違いますか?

レゾナックは焼結銅接合ペーストの熱伝導率を300W/(m・K)、高鉛はんだを30W/(m・K)としています。住友ベークライトは、はんだを25〜60W/m・K、同社のセミシンタリング銀ペーストを150W/m・Kとしています。

ダイボンダのメーカーはどこですか?

Besi、ASMPT、キヤノンマシナリー、Kulicke & Soffaなどです。当サイトの装置カタログDBで、ダイボンディングに一致する製品familyを持つメーカーを公式製品ページ単位で引けます。

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