コンテンツにスキップ

高NA EUVとは

高NA EUVとは、投影光学系の開口数を従来の0.33から0.55へ上げたEUV露光です。 波長は変えずに、2回の露光とエッチングを重ねていた細い寸法を1回の露光で引けます。代わりに焦点深度は2〜3分の1に縮み、レジストは薄く、露光野は半分になります。工程を1回にまとめた手間は消えず、焦点深度・材料・つなぎ合わせへ移ります。

光を集める角度を広げ、波長を変えずに解像度を上げる

Section titled “光を集める角度を広げ、波長を変えずに解像度を上げる”
開口数と焦点深度
0.33 NA0.55 NA投影光学系大きい投影光学系焦点深度2〜3分の1レジストウェーハ薄いレジストウェーハ
開口数を0.33から0.55へ上げると光を集める角度が広がり、より細い寸法を1回で引けます。その代わり焦点深度は2〜3分の1になり、レジストを薄くします。

EUVの波長は13.5 nmのままです。開口数はレンズが光を集める角度の広さを表す値で、広げるほど、より細かい情報を運ぶ回折光まで取り込めます。そのため光源を変えずに解像度が上がります。0.55という開口数は、新しい大型の投影光学系で実現しています1。

ASMLは、TWINSCAN EXE:5000の解像度を8 nmとし、0.33 NAのNXEより1.7倍小さい寸法を1回の露光で印刷でき、トランジスタ密度は2.9倍になるとしています。同社はさらに、像のコントラストがNXEより40%高いのでパターン欠陥が減り、1回の露光に要る光の量(ドーズ)を下げて1層あたりの露光時間を縮め、工場のウェーハ処理量を増やせるとしています1。

初露光はピッチ20 nm、量産の最初の目標はロジック24 nmとDRAM 28 nm

Section titled “初露光はピッチ20 nm、量産の最初の目標はロジック24 nmとDRAM 28 nm”
高NA EUVのピッチ
初露光で印刷ロジック14ADRAM D0a20 nm(MOR)32 nm(CAR)24 nm 1回露光18 nm 最終目標28 nm 中心間1620242832ピッチ(nm)
初露光ではメタル酸化物レジストでピッチ20 nm、化学増幅型レジストで32 nmが印刷されました。量産で求められるのは、ロジック14Aの24 nm(最終的に18 nm)とDRAM D0aの28 nmです。

0.55NAの最初のプロトタイプ露光装置TWINSCAN EXE:5000は、塗布現像トラック、計測装置、ウェーハとマスクの搬送系とともに、先端のメモリとロジックのメーカーに提供されました2。最初のウェーハ結果では、幅10 nmと16 nmのラインとスペース、つまりピッチ20 nmと32 nmが印刷されました2。20 nmはメタル酸化物レジスト、32 nmは化学増幅型レジストを露光した結果です。imecは、量産への導入を2025〜2026年ごろと見込んでいます。

imecは、高NA EUVが最初に入る量産をロジックの14A世代と見ています。そこでは金属配線(M0とM2)を1回の露光でピッチ24 nm、最終的にはピッチ18 nmで引くことを目標にしています2。DRAMでは、ストレージノードのランディングパッドとビット線周辺を1回の露光で引く計画で、最初の機会となるD0a世代では28 nmの中心間ピッチが必要です。コンタクトホールも28 nmピッチになります。EXE:5000では、メタル酸化物レジストを使ってピッチ20 nmの金属配線が印刷されました3。

多重露光を1回に減らすと、CO2も工程の日数も減る

Section titled “多重露光を1回に減らすと、CO2も工程の日数も減る”

同じ寸法を低NAで引くには、露光とエッチングを2回重ねるリソ・エッチ・リソ・エッチ(マルチパターニング)が要り、高NAなら1回で済みます。ASMLは、多重露光を1回の露光に置き換えることで量産の工程の複雑さを減らせるとしています。imecは、低NA EUVのリソ・エッチ・リソ・エッチを1回の露光に置き換えると、CO2排出が30%減るとしています2。工程が減る分、消費エネルギーも減ります。imecの比較は公称220枚毎時の生産速度を前提にしており、1回の露光で済むことは工程の日数の短縮にもつながります。

焦点深度は2〜3分の1になり、レジストは薄くなる

Section titled “焦点深度は2〜3分の1になり、レジストは薄くなる”

焦点深度は、開口数が大きい分、0.33NA EUVと比べて2〜3分の1になる見込みです2。0.55NA EUVで薄いレジスト膜を使う理由の一つがこれです。そのためウェーハの平坦度とレジストの膜厚への要求が厳しくなります。薄い膜でパターンを下地に転写するため、レジストの材料そのものを替える流れになっています。

欠陥の目標は、コンタクトホールで100万個に1個、ラインとスペースで1 cm³あたり1個未満2という水準です。極小のコンタクトホールの欠陥を調べる主な手段には、電子ビーム検査が選ばれています。

露光野は半分になり、大きいダイは2回の露光でつなぐ

Section titled “露光野は半分になり、大きいダイは2回の露光でつなぐ”
レチクルと露光野
0.33 NA0.55 NA大きいダイレチクル同じサイズのレチクル露光野半分の露光野1回目2回目つなぎ目
アナモルフィック光学系は従来サイズのレチクルをそのまま使える代わりに、露光野が0.33 NAの半分になります。大きいダイは2回の露光をつなぎ合わせて作ります。

0.55という開口数を従来サイズのレチクルで成り立たせるのが、アナモルフィック光学系です。ASMLは、この方式で半導体の供給網への影響を最小限に抑えられるとしています。代わりに必要な露光野は0.33 NAのNXEの半分になり、大きな回路では2回の露光を合わせる工程が増えます。ASMLは、露光野が半分になっても生産性を保てるよう、ウェーハステージとレチクルステージを新しく高速にしています1。

高NA EUV とは何ですか?

投影光学系の開口数を従来の0.33から0.55へ上げたEUV露光です。波長13.5 nmのまま、多重露光が要った細い寸法を1回の露光で引けます。ASMLは、0.33 NAのNXEより1.7倍小さい寸法を1回で印刷できるとしています。

どこまで細く引けますか?

最初のウェーハ結果では、幅10 nmと16 nmのラインとスペース、つまりピッチ20 nmと32 nmが印刷されました。20 nmはメタル酸化物レジスト、32 nmは化学増幅型レジストでの結果です。

ロジックの目標は何ですか?

14A世代の金属配線(M0とM2)を、1回の露光でピッチ24 nm、最終的には18 nmで引くことです。高NA EUVはこの14A世代のロジック量産で最初に導入されるとimecは見ています。

DRAM ではどうですか?

imecはD0a世代を最初の適用の機会と見ており、28 nmの中心間ピッチが必要です。ストレージノードのランディングパッドとビット線周辺を1回の露光で引く計画で、コンタクトホールも28 nmピッチになります。

何が難しくなりますか?

焦点深度です。0.33NA EUVと比べて2〜3分の1になる見込みで、レジストを薄くする理由の一つになっています。露光野も半分になり、大きいダイは2回の露光をつなぎ合わせます。

生産速度はどのくらいですか?

imecの比較は、公称220枚毎時の生産速度を前提にしています。ASMLは、露光野が半分になる分を新しい高速のウェーハステージとレチクルステージで補うとしています。

環境の面では何が変わりますか?

低NA EUVのリソ・エッチ・リソ・エッチを1回の露光に置き換えると、CO2排出が30%減るとimecは示しています。工程が減る分、消費エネルギーも減ります。

3件を表示
  1. 1
  2. 2
  3. 3