コンテンツにスキップ

ハーフフィールドスティッチングとは

ハーフフィールドスティッチングとは、半分になった露光野を2回の露光で並べ、1つの回路としてつなぐ工程です。 高NA EUVでは露光野が26×16.5mmに縮むため、それより大きなチップは2枚のマスクで2回に分けて露光し、つなぎ目で合わせます。分かれ目は、つなぎ目を図形がまたげるかどうかです。解像限界の寸法でつなげれば設計変更の必要が減り、つなげなければ、つなぎ目に図形を置かない除外領域を設計へ持ち込むことになります。

走査方向の倍率を上げた代わりに、露光野が26×16.5mmになった

Section titled “走査方向の倍率を上げた代わりに、露光野が26×16.5mmになった”
従来の1ショットと高NAの2ショット
26mm33mm従来の1ショット26mm16.5mm16.5mmつなぎ目高NAの2ショット従来の露光野1回目の露光2回目の露光
高NAの露光野は走査方向が半分の16.5mmで、従来の26×33mmの1ショットぶんを覆うには、2回の露光をつなぎ目で並べることになります。

露光は、1ショットで1つの回路を露光するのが基本です。高NAのアナモルフィックなレンズはx方向を4分の1、走査方向のy方向を8分の1に縮めます。imecの研究者らによる論文は、6インチ角のマスクの大きさを変えないまま走査方向を8分の1に縮めるため、0.33NAのEUVスキャナの26×33mm²の露光野が、0.55NAでは半分の26×16.5mm²になる1と整理しています。ウェーハ上の露光野が半分の高さになるので2、従来の1ショットで露光できた面積を2回に分けて露光します。

半分の露光野より大きいチップでは、ダイの中で2回の露光をつなぐ必要があり、パターンの一部を1枚目のマスクで、残りの部分を2枚目のマスクで露光します2。imecは、フィールドスティッチングを高NAの鍵となる技術3に位置づけています。

つなぎ目では、像どうしの干渉と隣の露光の迷光が寸法を崩す

Section titled “つなぎ目では、像どうしの干渉と隣の露光の迷光が寸法を崩す”

つなぎ目では2回の露光の端どうしが出会います。露光野の端どうしが最も揃いにくい場所で、ここの合わせが揃わなければ、その場所の配線が断たれます。同論文は、つなぎ目で問題になる効果として、両方の露光の空中像どうしの干渉、つなぎ目のパターン間の光近接効果、マスクの吸収体からの反射、マスク周囲のブラックボーダーの近接効果、隣のフィールドからの迷光を挙げています。

そのため補正が要ります。imecは、先端ノードでダイ内のスティッチングを実用にするには、モデルベースの光近接効果補正が欠かせない手順だとしています。実際のウェーハのデータを集めるため、さまざまなつなぎ用のテストパターンを設計してimecのテストマスクに載せ、ウェーハのデータはimecの0.33NAのEUVスキャナで取得するとしています。スティッチングの要件まで含めたアナモルフィック用の光近接効果補正も、imecが開発しています。

つなぎ目を図形がまたげれば、設計の変更が減る

Section titled “つなぎ目を図形がまたげれば、設計の変更が減る”
つなぎ目の2つの扱い方
解像限界でつなぐ遷移帯除外領域を置く除外領域1回目の露光2回目の露光つなぎ目
解像限界でつなげれば、配線はつなぎ目をまたいでそのまま走れます。つなげない層では、つなぎ目の両側に図形を置かない除外領域を設け、配線はその手前で止まります。

つなぎ目で許される誤差は、その場所のパターンの寸法で決まります。解像限界の寸法で合わせられれば、図形はつなぎ目をまたげます。imecは、ASMLやマスクショップのパートナーと自社のNXE:3400Cで進めた成果をもとに、解像限界でのスティッチングを可能にする知見3を示し、このスティッチングで露光野の縮小に対処するための設計変更の必要が減るとしています。同じ発表でimecは、EXE:5000での初露光として、ピッチ20ナノメートルの金属線も示しています。

もう1つの道は、つなぎ目を設計で避けることです。UCLAとASMLの研究者による論文は、重ね合わせの誤差に強い、つなぎ目を意識した設計手法を提案し、設計に除外領域を組み込みつつ歩留まりの損失を抑えるとしています4。

遷移帯を狭めるほど、1枚から取れる回路が増える

Section titled “遷移帯を狭めるほど、1枚から取れる回路が増える”

つなぎ目の周りには、2回の露光が重なる帯があります。この帯では寸法が揃いにくいため、設計上は回路を外した領域になります。スティッチングを改善する方法として、遷移帯と呼ばれるこの帯を狭めることが検討されています2。帯が狭いほど、1枚のウェーハから取れる回路の数が増えます。光学で失った面積を、工程で取り返す形です。

マスクは2枚、露光は2回になり、多重露光を減らした利点から差し引かれる

Section titled “マスクは2枚、露光は2回になり、多重露光を減らした利点から差し引かれる”

1つの回路を2枚のフォトマスクで焼くため、マスクの枚数と費用が増え、検査と管理の対象も2倍になります。露光の回数も増えるので、1時間あたりに処理できるウェーハの枚数が減ります。

高NAで多重露光を1回にまとめた利点から、マスク、処理枚数、つなぎ目の帯で失う面積という損失を差し引いたものが、実際の利点になります。imecが光近接効果補正と光源マスク最適化を併せて開発しているのは3、この差し引きを有利にするための取り組みです。

ハーフフィールドスティッチングとは何ですか?

半分になった露光野を2回の露光で並べ、1つの回路としてつなぐ工程です。半分の露光野より大きいチップでは、ダイの中で2回の露光をつなぐ必要があります。

なぜ露光野が半分になりますか?

アナモルフィックなレンズが走査方向の倍率を8倍に上げるためです。6インチのマスクを維持したまま、露光野は26×33mmから26×16.5mmになります。

どんな回路で要りますか?

1回の露光野より大きい回路です。そうしたチップではスティッチングが必要になります。

どうやって分けますか?

パターンの一部を1枚目のマスクで、残りの部分を2枚目のマスクで露光します。

どこまで実証されていますか?

imecは、ASMLやマスクショップと自社のNXE:3400Cで進めた成果をもとに、解像限界でのスティッチングを可能にする知見を示しています。つなぎ用のテストパターンを載せたマスクを用意し、0.33NAのEUVスキャナでウェーハのデータを取得する計画を示しています。

何を詰めますか?

遷移帯を狭める方法が検討されています。帯が狭いほど、つなぎ目で失う面積が減ります。

補正はどうしますか?

スティッチングの要件を含めた、アナモルフィック用の光近接効果補正が開発されています。imecは、実用上のダイ内スティッチングにはモデルベースの光近接効果補正が欠かせないとしています。

4件を表示
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4