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アナモルフィック光学系とは

アナモルフィック光学系とは、x方向とy方向で縮小の倍率が異なるレンズ構成です。 高NA EUVでは、スリット方向を4分の1、走査方向を8分の1に縮める4xと8yの倍率が使われます。レンズの縮小倍率は縦横で同じにするのが普通です。それを崩すのは、開口数を上げると光がより斜めからマスクに入射するため、走査方向の倍率を上げて入射角を小さくし、6インチのマスクの規格を守ったまま像の崩れを抑えるためです。代価はウェーハ上の露光野で、走査方向が半分になります。半分に収まらない大きなチップでは、2回の露光をつなぐ設計と工程の負担が生じます。

開口数を上げると光が斜めに入り、波長より厚い吸収体が像を歪める

Section titled “開口数を上げると光が斜めに入り、波長より厚い吸収体が像を歪める”

開口数を上げると、光はより斜めの角度からマスクに入射します。斜めの光はマスクの3次元的な凹凸の影響を受けやすく1、多層膜と吸収体による位相の変化が空中像を歪めます。これがマスク3D効果です。

マスク3D効果の断面
Ta系吸収体斜めの入射光多層膜60〜70nm13.5nm波長
Ta系吸収体の厚さ60〜70 nmは波長13.5 nmより大きく、斜めに入る光ほどこの厚みのある凹凸の影響を受けやすくなります。

現在のTa系吸収体の厚さは60〜70 nmで、波長13.5 nmより大きく、光路の差がそのまま像に影響します。材料側の対策として、屈折率の低いRuTaやPtMo、あるいはPtTeやNiといった材料が検討されており、吸収体の厚さの最適化も必要です。光学側の対策がアナモルフィック光学系で、走査方向の倍率を上げてマスクへの入射角を小さくします。

走査方向だけ8分の1に縮め、6インチマスクのまま露光野を半分にする

Section titled “走査方向だけ8分の1に縮め、6インチマスクのまま露光野を半分にする”
同じマスクから写る露光野
6インチマスク縮小投影26mm33mm標準の露光野26mm16.5mm高NAの露光野x 4分の1・y 8分の1走査方向 y
同じマスクでも、走査方向yだけを8分の1に縮めると、ウェーハ上の露光野は33mmから16.5mmになり、スリット方向の26mmは変わりません。

レンズの倍率は4xと8yで、yが走査方向です1。6インチのマスクを維持したまま、マスク上の設計を一方向に引き伸ばすので、マスクの規格を変えずに済みます。一方向の倍率を上げたぶん、ウェーハ上の露光野は半分になり、マスク上の同じ面積がウェーハ上では半分の高さに収まります。UCLAとASMLの研究者による論文は、マスクの大きさを固定すると、露光野は走査方向で標準の33 mmの半分の16.5 mmになり、スリット方向は26 mmのまま2になると整理しています。

半分の露光野を超えるチップは、2回の露光をつなぐ

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露光野が半分になった結果、それより大きいチップは2回のハーフフィールド露光をつなぎ合わせる必要があります。imecは、フィールドスティッチングが必要になるのはアナモルフィックレンズのためで、フィールドの大きさが従来のスキャナの半分になるからだとして3、スティッチングを高NAの鍵となる技術に位置づけています。

つなぎ目は、設計と歩留まりの両方に影響しうる場所です。同論文は、設計上のつなぎ目が形状間の重ね合わせと結像の問題を持ち込み、歩留まりと製造性に影響しうるとしています。対処の1つは、2枚の0.55NAマスクのつなぎ目に図形を置かない除外領域を設けることです。著者らの解析では、シングルコアの設計で最大動作周波数が2〜3%下がり、消費電力が1〜3%増えています。工程側の主な課題としては、両フィールドの像どうしの空中像の干渉と、マスク周囲のブラックボーダーからの不要な反射を挙げています。

imecは、ASMLやマスクショップのパートナーとNXE:3400Cで進めた、解像限界の寸法でつなぐスティッチングの知見を示しています。このスティッチングで、露光野の縮小に対処するための設計変更の必要が減るとしています。

焦点深度は開口数の2乗で縮み、0.33NAの2〜3分の1になる

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開口数と焦点深度
1000.33 NA360.55 NA焦点深度
開口数を0.33から0.55に上げると光の円すいが広がります。焦点深度が開口数の2乗に反比例する関係に当てはめると、0.33NAを100として0.55NAは36です。

焦点深度は開口数の2乗に反比例して小さくなります1。この関係に当てはめると、0.33NAの焦点深度を100としたとき0.55NAは36で、およそ3分の1です。imecの見込みは、0.33NAと比べて2〜3分の1です。これに対応するため、厚いレジストから薄いレジストへの移行が進みます。焦点深度が小さいほどウェーハの平坦さと膜厚のそろいへの要求が上がり、露光の前後の工程まで条件が伝わります。

補正とマスクの体系は組み直しになり、imecは露光量を20%以上減らした

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倍率が縦横で異なると、マスク上の形とウェーハ上の形の対応も縦横で別になるため、光近接効果補正は組み直しになります。imecは、アナモルフィックなマスク向けの光近接効果補正をスティッチングの要件まで含めて開発し、光源マスク最適化も進めました。この補正で、ラインとスペースでは20%以上の露光量削減、コンタクトホールでは6%の露光量削減と30%の局所寸法均一性の改善が得られました。

マスクの規格を維持できる利点は大きいものの、設計を一方向に引き伸ばすため、マスクのデータ処理と検査の体系も見直しが必要です。光学の余裕と引き換えに、補正、マスク、つなぎ目の工程が複雑になるのがこの光学系の収支です。

アナモルフィック光学系とは何ですか?

x方向とy方向で縮小倍率が異なるレンズ構成です。高NA EUVの倍率は4xと8yで、yが走査方向、xがスリット方向です。

なぜ倍率を分けますか?

開口数を上げると光が斜めからマスクに入り、厚い吸収体の影響で像が崩れます。走査方向の倍率を上げると入射の角度が緩み、この崩れを抑えられます。

マスクの寸法は変わりますか?

マスクの規格はそのままです。6インチのマスクを維持したまま、マスク上の設計を一方向に引き伸ばします。

露光野はどうなりますか?

走査方向が半分になります。標準の33mmが16.5mmになり、スリット方向は26mmのままです。

焦点深度への影響はありますか?

焦点深度は開口数の2乗に反比例して小さくなり、imecは0.33NAと比べて2〜3分の1になると見込んでいます。薄いレジストへの移行が進みます。

マスク 3D 効果とは何ですか?

マスクの厚みが像を歪ませる効果です。現在のTa系吸収体の厚さは60〜70 nmで、波長13.5 nmより大きいため、斜めの光で多層膜と吸収体による位相の変化が空中像を歪めます。

補正はどうしますか?

アナモルフィックなマスク向けの光近接効果補正と光源マスク最適化を使います。imecがこの2つを開発し、ラインとスペースで20%以上の露光量削減を得ています。

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