開口数(NA)とは
開口数とは、光学系が光をどれだけ広い角度から集められるかを表す値です。 レイリーの式では分母に入り、大きいほど細い線が引けます。レンズを大きくすれば済むと考えたくなりますが、口径を広げるほど硝材の費用と設計の難しさが積み上がります。そのため、レンズとウェハの間を満たす物のほうを替える道が選ばれ、口径の限界にはミラーを混ぜる構成で応えてきました。
集められる角度が広いほど、細かい回折光まで拾える
Section titled “集められる角度が広いほど、細かい回折光まで拾える”開口数は、光学系が光を集められる範囲を示すもので、大きいほど広範囲に光を集められるため分解能も向上します1。レンズが受け取れる角度が広いほど、細かい構造が作る回折光まで拾えます。拾える回折光の次数が、そのまま像の細かさになります。
この関係を式にしたのがレイリーの式で1、解像性、波長、レンズ開口数NAについて、はプロセス定数です。細くする道は、波長を短くするか、開口数NAを大きくするか、を下げるかの3つです。波長はi線露光が365nm、KrFエキシマ露光が248nm、ArFエキシマ露光が193nm、極端紫外線(EUV)が13.5nmで、波長のつまみを動かすには光源そのものを替えることになります。
開口数を上げると、焦点深度は2乗で浅くなる
Section titled “開口数を上げると、焦点深度は2乗で浅くなる”ピントの合う奥行きである焦点深度はで表し、もプロセス定数です。解像性は開口数の1乗で、焦点深度は2乗で動くので、開口数を上げると解像性は上がる一方で焦点深度は速く浅くなります。imecは、0.55NAのEUVの焦点深度は0.33NAのEUVより2〜3倍小さくなる見込みとし2、これを0.55NAで薄いレジスト膜を使う理由の1つに挙げています。
焦点深度が細るほど、ウェーハの平坦さと歪みの管理が厳しくなります。素材には常にわずかな歪みが生じるため、露光前に歪みを計測しフィードフォワードで補正するアライメントステーションが要ります3。照明の側からは、斜入射照明によって解像度や焦点深度が向上します1。失った奥行きを、照明の工夫で取り返す構えです。
間を水で満たすと、ArFの193nmが134nm相当に縮む
Section titled “間を水で満たすと、ArFの193nmが134nm相当に縮む”液浸露光では、従来の空気(屈折率1.00)の代わりに、屈折率が高い純水(1.44)をレンズとシリコンウェハの間に満たします3。同じレンズでも、間を満たす物で集められる角度が広がります。ArFエキシマ露光では、ウエハと投影レンズの間に通常は水を入れ、屈折率(波長193nm)によって等価波長を134nmにして解像性を上げます1。開口数のつまみを回したことが、波長のつまみを回したのと同じ効き目になります。
光源を替えずに済むかわりに、水の管理と、泡や残留への対処が新たに要ります。
照明側にも開口数があり、その比σが斜めに入れられる角度を決める
Section titled “照明側にも開口数があり、その比σが斜めに入れられる角度を決める”露光装置には、マスクを照らす照明光学系と、マスクの像をウェーハへ写す投影光学系の2つの開口数があります。シグマ値は照明光学系の開口数()と投影光学系の開口数()の比()で、が大きい露光装置ほど大きな入射角で斜入射露光を行えます1。投影側の開口数が受け止められる角度の範囲の中で、照明側をどこまで斜めに振れるかを、この比が表します。
開口数が1.35に達して、レンズだけの光学系では足りなくなった
Section titled “開口数が1.35に達して、レンズだけの光学系では足りなくなった”液浸露光によってレンズ開口数NAは1.35となり、屈折光学系では大口径化によるコスト増と設計困難さが避けられません1。これを克服するため、反射ミラーが一部組み込まれた反射屈折系がArF液浸露光装置で採用されました。
高NAのEUV露光は、13.5nmの光でレンズ開口数を従来の0.33から0.55へ拡大した露光方法です。波長が13.5nmと短いため、同じ解像性でもNAの絶対値は小さく済みます。imecは0.55NAの露光機とトラックの組み合わせを、最終的に配線のライン/スペースで18nmピッチ、コンタクトホールで28nmピッチを狙う解像性と2、寸法の安定性、実効的な焦点深度で評価するとしています。
NAを稼ぐたびに、平坦さ、レンズ構成、水の管理を払う
Section titled “NAを稼ぐたびに、平坦さ、レンズ構成、水の管理を払う”開口数を上げれば同じ波長でも細い線が引けます。その代わり焦点深度が浅くなり、ウェーハの平坦さと歪みの管理が厳しくなります。屈折レンズだけで口径を稼げば硝材の費用と設計の難しさが積み上がるため、反射ミラーを混ぜる構成になります。間を純水で満たせば口径を増やさずに開口数を稼げるものの、水の管理と泡や残留への対処が新たに要ります。
よくある質問(FAQ)
Section titled “よくある質問(FAQ)”開口数とは何ですか?
光学系が光を集められる範囲を示す値です。レンズが受け取れる角度が広いほど値が大きくなります。
大きいと何が良いのですか?
開口数が大きいほど広範囲に光を集められるため、分解能も向上します。レンズが受け取れる角度が広いほど、細かい構造が作る回折光まで拾えるからです。
式のどこに入りますか?
レイリーの式はR = k1(λ/NA)で、NAは分母です。焦点深度の式DOF=k2(λ/NA²)では2乗で分母に入ります。
なぜ液浸で上がるのですか?
空気(屈折率1.00)の代わりに純水(1.44)をレンズとウェハの間に満たすからです。ArFでは水の屈折率1.436によって等価波長が193nmから134nmになり、波長を縮めたのと同じ効き目になります。
上限はありますか?
あります。液浸露光によってレンズ開口数NAは1.35となり、屈折光学系だけでは大口径化によるコスト増と設計の難しさが避けられないため、反射ミラーを組み込んだ反射屈折系が使われます。
上げると何を失いますか?
焦点深度です。NAを上げるほどピントの合う奥行きが浅くなり、imecは0.55NAのEUVの焦点深度が0.33NAより2〜3倍小さくなる見込みとしています。
EUV ではどうですか?
高NAのEUV露光では、NAが従来の0.33から0.55になります。波長が13.5nmと短いぶん、NAの絶対値は小さく済みます。
比較・違いを学ぶ
Section titled “比較・違いを学ぶ”3件を表示
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- 2imec:Entering the High NA EUV lithography eraimec-int.com ab
- 3ニコン:露光から計測・検査まで:半導体製造における露光装置と計測・検査装置の基礎知識jp.nikon.com ab