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NF3の遠隔プラズマだけがPFCを95%以上削減|Motorolaの2002年の報告

チャンバークリーニングとは、成膜装置の内壁に積もった膜をフッ素で取り除く作業を指す。Motorolaの2002年の報告では、この作業でPFCの排出を95%以上減らせた方法は、NF3を遠隔プラズマで分解する方式だけだった。NF3そのものは大気中に740年残り、GWPが16,100ある。GWPから計算すると、反応に使われる割合が95%か99%かで、残る排出は5倍違う。

置き換え候補のF2について、LindeはGWPをゼロとしている。しかし毒性はNF3より強い。Solid State Technologyが2012年に伝えたLindeの発表によれば、SK hynixの全工場が2004年からLindeの工場内F2を使ってきた。SK hynixは同じ時期に、枚葉式の装置でNF3からF2へ切り替えるかを検討していた。

チャンバークリーニングは、成膜装置の内壁に積もった膜をフッ素で取り除く

Section titled “チャンバークリーニングは、成膜装置の内壁に積もった膜をフッ素で取り除く”

CVDやALDで膜を付けると、ウェーハだけでなくチャンバーの内壁にも膜が積もる。MKSは、この副生成物が内壁に付き、工程と製品の汚染源になる1と説明し、NF3などのフッ素系ガスを解離させる遠隔プラズマ源を売っている。遠隔プラズマ源はチャンバーの外でガスを分解し、できたフッ素原子をチャンバーへ送る。US EPAによれば2、送られたフッ素原子はチャンバーの内面に積もった余分な膜と反応して取り除く。

ガスは内壁に積もった膜の種類で選ぶ。セントラル硝子は3、20% F2/N2をシリコン、ClF3をTiNとW、高純度無水HFをSiO2を対象とする減圧CVD炉のクリーニングガスとして売っている。関東電化工業4はNF3、ClF3、C3F8、F2混合ガスを半導体製造のクリーニングガスとして載せ、レゾナック5はF2/N2混合ガスとC2F6を成膜装置のチャンバークリーニング用としている。これらのガスは、ウェーハ上の膜を削るエッチングガスとは別の製品群として売られ、CVDやALDの成膜工程の保守に使われる。

Motorolaの評価では、PFCを95%以上減らせたのはNF3の遠隔プラズマだけだった

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世界半導体会議(WSC)は1999年4月、PFCの排出を2010年までに1995年比で10%減らす目標6を立てた。Motorolaは2002年のECSの学会で、近年の200 mm工場ではチャンバークリーニングが工場の排出の90%を占めることがある6と報告した。

同じ報告によれば、Motorolaがいくつもの削減技術を試したうち、95%以上の削減を示せたのはNF3を使う遠隔プラズマクリーニングだけだった6。遠隔プラズマではNF3の95%以上、一般には99%以上が反応に使われるので、MotorolaはチャンバークリーニングからのPFC排出が事実上なくなるとした。クリーニング時間の短縮、湿式洗浄までに流せるウェーハ枚数の増加、膜質の改善、チャンバー部品の費用削減も利点に挙げている。

US EPAも、業界の削減策の一つとして工程でより効率よく使われるNF3などへの切り替え2を挙げている。

NF3のGWPはPFCより高く、反応に使われずに残る分が排出を左右する

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US EPAによれば7、NF3は大気中の寿命が740年で、100年の地球温暖化係数(GWP)は16,100だ。PFCは寿命が2,600〜50,000年でGWPは最大11,100、SF6は寿命3,200年でGWP 23,500になる。NF3は1 kgあたりの温室効果ではPFCを上回る。Motorolaは、NF3の利用率が95%以上と高いことを、チャンバークリーニングからのPFC排出が事実上なくなる理由に挙げている。

クリーニングガス1 kgあたりの排出をCO2換算で比べた横棒グラフ。NF3の95%が反応に使われる場合は約805 kg、99%が使われる場合は約161 kg、F2は0 kg。
NF3の排出は、反応に使われずに残る割合で5倍変わる。US EPAのGWP 16,100とMotorolaの利用率95%・99%から計算した除害前の値で、F2はLindeが示すGWPゼロによる。ガス1 kgあたりの比較で、同じ量の膜を掃除するのに要るガスの量は比べていない。

EPAのGWPとMotorolaの利用率から計算すると、NF3を1 kg使って95%が反応に使われた場合、残る50 gはCO2換算で約805 kgになる。99%なら約161 kgだ。Motorolaの言う「事実上なくなる」はPFCとしての排出の話で、残ったNF3もCO2換算では無視できない量になる。除害装置は、ここからさらに排気中のNF3を減らす。NF3の排出量は、購入量よりも、チャンバー内で反応に使われる割合と除害後に残る量で決まる。

F2はGWPがゼロとされ、Lindeは工場内で作って使う方式を売っている

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LindeはF2のGWPをゼロとしている。同社は自社の発生装置GENERATION Fについて、NF3、ClF3、SF6、F2/N2混合ガスを置き換えられ、GWPがゼロで、クリーニング時間が短く、チャンバーの温度を一定に保てる8と説明する。必要な分をその場で作るので、工場内に置くガスの量はごく少なくて済み9、同社の発生装置は世界で30基以上が設置されている。

最も大きな採用例はSK hynixだ。Solid State Technologyが2012年6月に伝えたLindeの発表によれば、SK hynixの全工場が2004年からLindeの工場内F2を使ってきた10。新たな長期契約で、複数の量産拠点へ供給する。SK hynixの担当者はこの発表で、F2が環境効率と安全の目標達成に重要な役割を果たし、製造コストも下げると述べた。記事は、NF3が温室効果ガスに指定されていて法規制を受ける可能性があることにも触れている。Lindeは、F2でクリーニング時間を最大40%短くし、使うガスの質量を35%減らせると説明した。

2015年7月には、Silicon Semiconductor誌によれば、Lindeが利川のM14ラインに世界最大の工場内F2プラントを設け、2015年第2四半期末から供給すると発表した11。同じ記事は、F2によってプラズマを立てずに掃除できる場合もあるとしている。

F2はNF3の40分の1の濃度で危険になる

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F2の欠点は毒性だ。NIOSHが生命や健康に直ちに危険が及ぶ濃度(IDLH)として示す値は、F2が25 ppm12、NF3が1,000 ppmで13、F2はNF3の40分の1の濃度で危険になる。

SK hynixの2012年の発表は、全工場でF2を使いながら、枚葉式の装置でNF3からF2へ切り替えるかを検討している10とも述べている。

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