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薬液純度のグレードは出荷時の値|洗浄装置の出口で粒子が何桁も増加、PMS

薬液のグレードとは、メーカーが出荷する製品の純度を指す。金属不純物10 ppt以下や純度12Nといった数字は、工場の供給設備と洗浄装置を通ってウェーハに触れる液の値ではない。しかもフィルター・容器・粒子計のメーカーが公開した資料では、同じロットの薬液でも容器によって中身に差が出た。液中粒子計を作るParticle Measuring Systems(PMS)が測った1台の枚葉洗浄装置では、5 nmのフィルターを通した入口の液に比べ、出口の液の粒子が何桁も多かった。

ウェーハ上の粒子との関係を示す例もある。PMSがレジストの希釈剤を使う塗布装置で測った例では、ノズルで数えた液の粒子とウェーハ検査の粒子がそろって多く、古い部品を交換すると液の粒子は1桁減った。グレードの値は、こうした経路の入口の値にあたる。

グレードの数字は、メーカーが出す製品の純度だ

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薬液メーカーは、製品の純度を数字で示している。三菱ケミカルは1、ウェーハの金属を落とすEL塩酸について、10 ppt以下の金属不純物レベルを掲げる。ステラケミファは2、高純度フッ化物薬液で12N(99.9999999999%)を超える精製を早くから実現したと説明する。

メーカーは、製品の外側の供給も同じ事業に入れている。関東化学は3、先端の工程では極めて小さな粒子とごく少量の金属不純物が大きな問題を起こすとし、1964年から高純度薬品と並んで薬品の自動供給装置を開発してきた。Entegrisも、純度の課題を薬液の製造から使用点まで4の問題として扱い、容器、フィルター、ポンプなどを売っている。

薬液がメーカーからウェーハに届くまでの経路を5つの箱で示した図。製品仕様、容器、供給設備のタンクとフィルター、枚葉洗浄装置、ノズルとウェーハの順につながる。容器では同じロットでも中身に差が出た例を菱形で、供給設備の最終フィルターで20 nmの粒子が減った例を下向き矢印で、洗浄装置の出口で粒子が入口より何桁も多かった例を上向き矢印で示す。下段には別の例として、レジスト塗布装置でマニホールドを交換すると液の粒子が1桁減った例を下向き矢印で示す。
グレードの値は経路の入口の値で、その後の容器、供給設備、装置で液の中身は変わった。容器の例はEntegris、ほかはPMSの測定による。

同じロットの薬液でも、容器が違うと中身に差が出た

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経路の最初の分かれ目は容器だ。フィルターと容器を売るEntegrisのブログによれば、同社は電子グレードの30%過酸化水素を同じ製造ロットから取り、複数の分析装置で調べた。結果は、同じロットなのに最終的な中身に大きな差があり、保管と輸送の間に高密度ポリエチレン(HDPE)の容器から溶け出した成分が原因だった可能性が高い5というものだった。

同じ記事は、フィルターの評価に使う標準粒子が、半導体グレードの薬液に元から含まれる汚染を代表していないとも指摘する。過酸化水素には、硬い粒子、ゲルやポリマーのような柔らかい粒子、溶けたイオン、有機物が混ざる。

容器の材料そのものも汚染源として扱われている。Entegrisは、長く標準だったガラス瓶について、微細化とともに素子の欠陥の新しい原因がガラス瓶にたどられている6と説明し、内袋付きの樹脂容器を代わりに売っている。

PMSの測定では、5 nmでろ過した液の粒子が、1台の洗浄装置の出口で何桁も増えた

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工場の中では、薬液は供給設備のタンクとフィルターを通って装置へ送られる。PMSは、硫酸の供給設備で最終の2 nmフィルターの前後に計数器をつないだ。4つのロットを受け入れて数日測ると、ほとんどのロットでフィルターの前後は近い値だった。ところが最初のロットだけは、供給設備に届いた酸に20 nmの粒子がほかのロットより大幅に多く、最終フィルターがそれを通常の水準まで減らした7。

PMSは、枚葉式の洗浄装置1台でも入口と出口の液を比べた。入口の液は直前で5 nmにろ過してあり、粒子はごく少なかった。しかし約10時間流した後でも、出口の液の粒子は入口より何桁も多かった8。PMSは、ポンプ、フィルター、バルブなどの部品が粒子を出しうることと、装置内の多くの面が粒子をためることを理由に挙げ、製造後の装置は使う前に長く流す必要があると述べる。枚葉洗浄装置には、1台に最大24のチャンバーを積む機種もある。

レジスト塗布装置の1例では、液の粒子とウェーハ上の粒子がそろって動いた

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液の粒子とウェーハ上の粒子を並べた例は、洗浄薬液ではなくレジストの希釈剤のものだ。PMSは、フォトレジスト塗布装置の2台のトラックで、希釈剤をノズルの位置で数える計数器とウェーハ表面検査装置(SP5)を並べて測った。トラックBでは液の粒子もウェーハ上の粒子も多く、古くなったマニホールドを交換すると液の粒子は1桁減ってトラックAより少なくなり、液の計数とウェーハ検査の結果は一致した8。

フィルターを替えた例もある。Pallは2009年の資料で、同じ希フッ酸の槽でフィルターをポリエチレン膜から自社のポリアリルスルホン膜に替えたときの、ウェーハ上の0.1 µmを超える平均粒子数を示した。図から読むと約11個が約7個になり、Pallは本文でほぼ4割の差と書いている9。フィルターを売る会社のデータで、比較したポリエチレン膜フィルターの定格は図に書かれていない。薬液は同じまま、使用点の手前の部品でウェーハ上の粒子が変わった例だ。

公開された測定例では、使用点の液は入口の液と違っていた

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ここまでの例では、グレードの値が同じ薬液でも、容器、供給設備のフィルター、洗浄装置、塗布装置の部品を通るたびに、使用点の液の中身が変わった。PMSの洗浄装置の例では、出口の粒子が入口より何桁も多く、入口の液の清浄度より装置の部品が出す粒子のほうが大きかった。これらはフィルター、容器、粒子計を売る会社の資料で、どれも1台または1例の測定だ。CMPのスラリーでも、粗大粒子は供給系でも生じ、使用点フィルターで減る。薬液の種類と役割はエッチングガスと洗浄液、洗浄後の表面の管理は洗浄と表面前処理にある。

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