コンテンツにスキップ

Cuはライナーの薄膜化と新しいlow-kで24 nmピッチまで持つ|18 nmピッチのM0はimecの計画でRuへ移る

Cu配線は、2 nm世代の最も細い層まで残る。IBMはピッチ24 nm(線幅12 nm)のCu配線を2 nmノード向けに検証済みとし1、その支えに薄いバリアとライナー、それを信頼性の目標に届かせる新しい低誘電率膜(ALK)を挙げた。Applied Materials(AMAT)は2024年にRuとCoの二元系ライナーを33%薄い2 nmにして配線抵抗を最大25%下げた2と発表している。しかし、線幅12 nmでは層を片側3 nmまで削ってもCuは断面の44%にとどまり、さらに削るとEMとTDDBの余裕が減る。imecは、ピッチ18 nmのM0からバリアの要らないRuを入れる計画を示している。

ライナーとは、拡散を止めるバリアの内側に付け、Cuを濡らして埋め込みを助ける下地の膜を指す。薄膜化が効くのは、バリアとライナーの厚さが線幅に比例して縮まないからだ。imecは、Cu配線に要るバリア、ライナー、キャップが使える線幅の大きな割合を食い始めている3と書く。片側1 nmの差は、線幅40 nmでは断面の数%にすぎない。線幅12 nmでは、Cuの断面が2倍以上になる。

最細層の積層は、Ta系バリア、CoかRuのライナー、Cuのリフローかめっき

Section titled “最細層の積層は、Ta系バリア、CoかRuのライナー、Cuのリフローかめっき”

Cu配線は、溝の内側をバリアとライナーで覆ってからCuで埋める。外側のTa/TaNはCuが絶縁膜へ拡散するのを止めるバリアで、内側のCoかRuのライナーがCuを濡らす下地になる。従来の流れでは、PVDでCuシードを付けて電解めっき(ECD)で埋め、CMPで余分を削る。工程の順と断面は親記事のBEOL配線材料に図がある。最も細い層では、埋め方がめっきから真空中のリフローに移っている。IBMは、24 nmピッチのCuで電解めっきが真空リフローに置き換わった1と書いている。

量産品で確かめられているのは、Coライナーだ。2022年10月のTechInsightsの解析では、TSMCは16FFでM1〜M3、N5でM0〜M4にCoのライナーとキャップを使い、Intel 4はM0〜M4をTaバリアにCoライナーとCoキャップを組み合わせたリフローCuにした4。Intelは10 nm世代で最下層にCoそのものを配線に使ったが、Intel 4でCu+Coライナーへ戻した。Ruライナーでは、IBMが2018年にPVD TaとALD TaNのバリアにCVD Ruライナーを組み合わせ、7 nm以降でボイドのない埋め込みを示した5。RuとCoを1層にまとめたRuCoライナーは、AMATが先端ロジックの全大手が採用したと発表している。

先端の各層は1〜2 nm台まで薄くなっている

Section titled “先端の各層は1〜2 nm台まで薄くなっている”
層公開されている厚さ出典
TaNバリア2 nm未満に薄くしてもCuの拡散を止められるimec(IITC 2018)
Coライナー7 nmノードの寸法で3 nmから1 nmへ。ALD TaNと組めばEMとTDDBを落とさないIBM(IEEE EDL 2019)
RuCoライナー3 nmから2 nmへ(33%減)、3 nmノードで出荷AMAT(2024年7月)
CVD Ruライナー2 nm以下TELとNovellus(2008年12月)
Cuシード(湿式)3 nm以下TELとNovellus(2008年12月)

TaNを2 nmとし、ライナーを表の1〜3 nmとすると、バリアとライナーの合計は片側3〜5 nmになる。SemiEngineeringに載ったプロセスモデリングの記事も、従来の延長ではバリアとライナーに最低2〜3 nmが要るとしている6。IBMの2019年の研究では、Coライナーを3 nmから1 nmに薄くするとRC遅延が対照条件より14%下がった7。

薄くできる下限を決めるのは信頼性だ。同じ研究で、PVD TaNと組んだCoライナーは2 nmを下回るとEM寿命が大きく落ちた。ALDの薄いTaNを足して初めて1 nmまで下げられた。IBMは2024年にも、ライナーを薄くするとCu配線にボイドができやすくなる1と書いている。IRDS 2024は、PVDで付けるTa(N)は薄くするのに限りがあり、CVDやALDで付けるMn(N)などの窒化物が注目されているとしている8。

線幅が縮むほど、同じ1 nmが断面の大きな割合になる

Section titled “線幅が縮むほど、同じ1 nmが断面の大きな割合になる”

バリアとライナーの厚さを固定して線幅だけを縮めると、Cuの取り分は加速して減る。図1は、配線の高さを幅の2倍とし、側壁2面と底にバリアとライナーが付くとして、Cuが占める断面を計算したものだ。ライナーにも電流は少し流れるが、ここではCuだけを数えている。

配線幅40 nmから10 nmまでの、Cuが占める断面の割合を3本の折れ線で示した図。バリアとライナーの合計が片側5 nmの線は70%から0%へ、4 nmの線は76%から16%へ、3 nmの線は82%から34%へ下がる。
線幅12 nmでは、バリアとライナーを片側3 nmまで薄くしても、Cuは断面の半分に届かない。

TaNを2 nmのままライナーを3 nmから2 nmにすると、片側の合計は5 nmから4 nmになる。このときCuの断面は線幅40 nmで1.08倍、20 nmで1.23倍、12 nmで2.1倍になる。断面だけで見た抵抗の低下は、それぞれ約8%、約19%、約53%で、細い配線ほど効く。この計算で25%下がるのは線幅17 nm前後の配線で、AMATの「最大25%」と同じ程度の値になる。AMATはRuCoで材料も替えているので、この一致は筆者の計算との比較にとどまる。SemiEngineeringのモデリングでも、2 nmのTaNで囲んだCu配線のCuの面積は線幅15 nmで56%、10 nmで25%6まで減る。IRDS 2024は、バリアが線幅どおりに薄くならないことと界面の散乱が重なり、配線抵抗が指数関数的に増える領域に入った8と書く。

線幅12 nmの付近では、薄膜化だけでは足りなくなる。バリアとライナーを片側3 nmまで薄くしても、Cuは断面の44%しか占めない。残る1 nmを削るたびに、EMとTDDBの余裕も削ることになる。

AMATはEnduraがほぼすべてのCuチップを作ってきたとし、めっきにはLamのSABREがある

Section titled “AMATはEnduraがほぼすべてのCuチップを作ってきたとし、めっきにはLamのSABREがある”

バリアからシードまでの真空工程について、AMATは自社のEnduraが中心だと述べている。同社の2026年1月のブログによると、1997年にEndura Copper Barrier Seed(CuBS)を出し、2021年にPVD、CVD、選択ALDを1台にまとめたIMSを加え、2024年に二元系ライナーを組み込んだ9。二元系ライナーは最も細い配線に使い、上層の配線は従来のCuBSで作っている。同じブログでAMATは、ほぼすべてのCuチップがEnduraで作られてきたと述べている。

2021年のIMSは、ALD、PVD、CVD、Cuリフロー、表面処理、界面制御、計測の7つの技術を1台の真空装置にまとめ、ビアの底のバリアを選択ALDで省いてビア界面の抵抗を最大50%下げた10。AMATは、手を打たなければビアの抵抗が7 nmから3 nmで10倍になるとしていた。2024年のRuCoライナーは、Volta Ruthenium CVDを組み込んだIMSとして先端ロジックの全大手が採用し、3 nmノードから出荷が始まった2とAMATは発表している。

Cuを埋める電解めっきでは、LamがSABREを出している。Lamはバリアとシードの積層の薄膜化と線幅の縮小で工程制御が厳しくなるとし、めっき開始時のシード保護と、さまざまなライナーへの直接めっきを製品の特長に挙げる11。TELは2008年に、自社のTrias TandemでCVD Ruライナーを2 nm以下で付け、NovellusのSABRE Extremeで3 nm以下の湿式シードを重ねる工程12を発表した。PVDのシードを省く狙いだった。SABRE Extremeは、今もLamのSABRE系列に並んでいる。成膜方式の違いはCVDとPVDの違いで扱う。

Cuは24 nmピッチまで持ち、18 nmピッチのM0はimecの計画でRuへ移る

Section titled “Cuは24 nmピッチまで持ち、18 nmピッチのM0はimecの計画でRuへ移る”

Cuは、ピッチ24 nmの2 nm世代まで持つ。IBMはこのピッチのCuを、薄いバリア・ライナーとALKの組み合わせで検証した。AMATのRuCoライナーも2 nm世代以降を狙う。AMATは2026年1月時点で、Enduraの金属配線工程が2 nmより先の配線性能を出し、オングストローム世代への道を開くとしている9。

imecは、最も細い層のピッチが20 nmを切るとCuのデュアルダマシンは限界になるとみる3。そのうえで、最も細い層のピッチが18 nmになるimec A10かA7の世代で、RuのセミダマシンをM0から入れる3道筋を示している。Ruは拡散バリアが要らず、薄い密着層の上に付けるだけで使えるので、バリアに取られていた断面の大部分を配線に回せる。IRDS 2024も、Cuは少なくとも2029年まで配線金属の主流で、ローカル配線(M0)にはCoやRuが入る8と見ている。Ruの配線の作り方はセミダマシンとサブトラクティブ配線、Moをコンタクトに使う流れはMoコンタクトと選択成膜にまとめている。

imecの第1世代で置き換わるのはM0で、世代を重ねて上の層へ広げる計画だ。上の層は線幅に余裕があり、片側1 nmの差は断面の数%で済む。AMATも、上層の配線は従来のCuBSで作っている。ライナーの薄膜化が最も効くのは、その間にある線幅12〜20 nm、ピッチ24〜40 nmの層だ。

13件を表示
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10
  11. 11
  12. 12
  13. 13