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講座集 / 薄膜成膜の物理と化学 / 第 17 回

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VOL.03 薄膜成膜の物理と化学 第 17 回 / 全 19 回

SiGe の臨界膜厚:平衡の計算値 13.5 nm と公開試料の比較

臨界膜厚は、膜にたまる歪みのエネルギーと転位 1 本のエネルギーの損得勘定で決まり、式からは弾性率が消えます。平衡の計算は公開試料とよく合う一方、700 °C の実測値は 5 倍厚く、その差は準安定性で説明できます。

25 分 標準 式 12 出典 7

この回の目次(11 節)
  1. §1 歪みは膜厚に比例し、転位は対数どまり
  2. §2 逆転点の式から、弾性率が消える
  3. §3 を 1/10 にすると、厚さは 13〜20 倍取れる
  4. §4 公開試料の 13 nm と 25 nm のあいだに、計算値 13.5 nm が入る
  5. §5 同じ式は、700 °C の実測を 5 分の 1 に見積もる
  6. §6 熱歪みの寄与は 6.6%——順位は準安定性が上
  7. §7 蓋をすると 2 倍を超えて、2.33 倍
  8. §8 緩和の予算は、温度で 6 桁動く
  9. §9 歪み釣り合いは、周期の数を条件から外す
  10. §10 正孔の移動度は、歪み 0.3% より下で逆を向く
  11. §11 現場で動く判断

この回で示すこと

  1. 歪みは膜厚に比例し、転位のエネルギーは対数でしか増えないため、逆転点の式から弾性率が消える。
  2. Ge 23% の平衡臨界膜厚は 13.5 nm で、公開試料の 13 nm(臨界以下)と 25 nm(臨界超)のあいだ。
  3. 同じ式は 700 °C の実測 80 nm を 5 分の 1 に見積もり、差を作っているのは準安定性。
Ge 23% の平衡臨界膜厚 13.5 nm
700 °C での実測 80 nm
逆転点の式の係数 0.0248 nm

格子定数の異なる基板の上に膜を積むと、どこかでミスフィット転位が入ります。その「どこか」を作っているのは、膜の強度とは別の量です。

臨界膜厚で入れ替わるのは、エネルギーの損得です。薄いうちは転位を作ると系のエネルギーが上がるので、膜は歪んだまま。厚くなると転位を作ると下がるので、転位が入る。会計の線です。

会計の線だと分かると、次の質問が変わります。損得が付いた後に取引が済むまでの時間が別に要るので、線を越えた膜がそのまま転位ゼロで立っていられる。

歪みは膜厚に比例し、転位は対数どまり

膜が基板の格子に合わせて歪んでいる状態から始めます。面内の 2 軸圧縮に対して、面直は自由面なので 。Hooke の法則から

立方晶が正方晶へ歪みます。面直の格子面間隔を X 線回折で測れば、面内がどれだけ縮んだかが逆算へ回せます。

蓄えられるエネルギーは、緩和状態から基板に合う位置まで押し縮める仕事です。単位面積あたり

膜厚 に比例します。厚くするほど線形に溜まる。

転位の側は形が違います。転位のエネルギーは大半がコアを囲む歪み場にあり、その歪み場は結晶の端まで放射状に伸びます。膜では端が表面なので、外側半径を 、内側をコア半径 と取って、単位長さあたり

対数の中に が入っているのが要点です。界面に線密度 の転位格子ができると、単位面積あたりは で の 1 次式になります。

膜厚 への依存 への依存
歪み 比例2 次(減る)
転位 1 次(増える)

増え方が別なので、どこかで必ず逆転します。この逆転を多層構造まで含めて解いた枠組みが、1990 年の Volterra 転位モデルによる臨界層厚の研究1です。単層の埋め込み層と超格子の両方を同じ形で解き、転位間隔が大きい極限で従来の単純な双極子の予測と一致し、間隔が狭くなると乖離すると報告しています。

逆転点の式から、弾性率が消える

転位が 1 本できるごとに歪みは ずつ減るので、緩和後の面内歪みは 。系のエネルギー を の関数にすると、歪み側が 2 次、転位側が 1 次です。

が (転位ゼロ)で起きる点が臨界で、代入して片づけると

せん断弾性率 が式から消えています。歪み側にも転位側にも同じ弾性定数が入るので、割り算で落ちる。材料の硬さは、この線の位置に効きません。

この形が超格子まで通ることも、1990 年の多層構造の臨界層厚の研究1が示しています。埋め込み層と超格子を同じ Volterra モデルで解き、特定のコアパラメータを取ると、拘束すべり平衡の原子論的計算とも一致すると報告しています。

Si の (1/2)a⟨011⟩ 60° 転位で係数を数にします。 nm、、。

を nm で測ると

が入っているのは、この転位の働きが半分だからです。界面に出るのは刃状とらせんが混じった 60° 転位で、らせん成分の不整合歪みへの寄与はゼロ、 のうち界面内にある成分だけが歪みを解放します。それでもこの転位が支配的なのは、 が最密原子間距離そのもので最短だからです。 なので、短い が二重に有利になります。

を 1/10 にすると、厚さは 13〜20 倍取れる

を について数値的に解きます。格子定数は Si 5.43102 Å、Ge 5.64613 Å、GaAs 5.65325 Å。

系不整合 臨界膜厚
GaAs on Si0.040921.77 nm
Ge₀.₂₅Si₀.₇₅ on Si0.0099012.14 nm
Ge₀.₂₀Si₀.₈₀ on Si0.0079216.05 nm
Ge₀.₁₀Si₀.₉₀ on Si0.0039637.39 nm
0.00100188.2 nm
0.000102,525 nm

GaAs on Si の 1.77 nm は、Si の格子定数 3 個ぶん強です。

主たる依存は の形ですが、対数の項が とともに増えるので、実際はそれより速く伸びます。

出発点 を 1/10 にしたときの の倍率
0.0420.1 倍
0.00414.5 倍
0.000413.0 倍

倍率そのものが とともに動きます。不整合が大きい領域では 20 倍、小さい領域では 13 倍。「 に比例」を固定の換算率として使うと、大きい の側で 2 倍を取りこぼします。

この依存を、合金組成と温度の実用式にまとめた研究があります。1995 年の温度依存の臨界層厚の研究2が、GeₓSi₁₋ₓ/Si(100) と InₓGa₁₋ₓAs/GaAs(100) についてモル分率と温度の経験式を与えています。

公開試料の 13 nm と 25 nm のあいだに、計算値 13.5 nm が入る

上の式を、独立の公開実測へ当てます。

2008 年の歪み Si 層厚と転位分布の研究3が、Si₀.₇₇Ge₀.₂₃ バッファ(300 nm または 600 nm)の上に 8、13、25、40 nm の歪み Si 層を成長させた 8 試料を、欠陥エッチングとラマン分光で調べています。

この研究は試料を 2 群に呼び分けています。臨界膜厚以下(subcritical)の試料では貫通転位が転位パイルアップの中に強く捕捉され、臨界膜厚を超えた(supercritical)試料では転位がより均等に分布する。呼び分けの境目は 13 nm と 25 nm のあいだです。

同じ組成を上の式で解きます。Ge 23% の緩和バッファに載る Si の不整合は 。

試料の歪み Si 層厚研究の呼び分け計算値 13.48 nm との関係
8 nm臨界膜厚以下下
13 nm臨界膜厚以下わずかに下
25 nm臨界膜厚を超える上
40 nm臨界膜厚を超える上

計算値が、呼び分けの境目にそのまま入りました。、、 の 3 つだけで書かれた式が、4 つの試料の分類を再現しています。

同じ研究の別の数も足しておきます。貫通転位密度は cm⁻² で、歪み Si 層厚にも SiGe 層厚にも一定でした。300 nm の SiGe バッファの緩和度は、歪み Si 層が 8 nm から 40 nm へ増えると 80% から 67% へ下がる。600 nm バッファでは歪み Si 層厚によらず約 82%。

上に載せた引張の層が、下の圧縮層の緩和を抑えています。歪みの符号が逆なので、総和が減る。この仕組みは後の節でもう一度出てきます。

同じ式は、700 °C の実測を 5 分の 1 に見積もる

式がずれる場面を、同じ精度で数にします。

1998 年の臨界膜厚を超えて選択成長した歪み SiGe/Si の電界発光の研究4が、Si₀.₈₀Ge₀.₂₀/Si(001) の塑性緩和に対する実験的な臨界膜厚を、成長温度 700 °C・大面積で 80 nm と報告しています。選択エピタキシャル成長で有限の面積へ限ると、この値が上がる。実際に 60、72、370 nm の SiGe 層を成長させ、ミスフィット転位の無い試料が電界発光を示しています。

上の式で同じ組成を解くと 、 nm。

厚さ平衡値との比
上の式の平衡値16.05 nm1 倍
700 °C・大面積の実測80 nm5.0 倍
選択成長パッドの転位フリー膜370 nm23.1 倍

平衡の式は、実測の 5 分の 1 を返します。面積を限ると 23 倍まで伸びる。

この差の出どころは、式の誤りとは別です。式が答えているのは「転位を作るほうが得になる厚さ」であって、「転位が実際に入る厚さ」は核形成と運動の速度が作ります。膜の端が近いほど、掃き出される前にピン留めされる確率と、発生源となる欠陥を含む確率の両方が下がる。

平衡値は下限として使います。意味は「十分な温度と時間をかければ、ここまで緩和する終着点」のほうです。

熱歪みの寄与は 6.6%——順位は準安定性が上

平衡値を実測へ近づける補正として、冷却時の熱歪みがあります。1995 年の温度依存の臨界層厚の研究2が、応力・歪み・温度の関係を体系的に解析し、熱の寄与が両方の系で臨界層厚を下げる方向であり、実測値とよく一致すると報告しています。

方向は上のとおりなので、大きさをこちらで数にします。線膨張係数は Si が /K、Ge が /K。700 °C から室温まで K 冷やすと、

Ge 分率 不整合 熱歪み に対する割合 の変化
0.100.003960.0002235.6%37.39 → 35.01 nm(−6.4%)
0.200.007920.0004465.6%16.05 → 14.99 nm(−6.6%)
0.250.009900.0005575.6%12.14 → 11.33 nm(−6.7%)

熱歪みは を 6.6% 下げます。同じ系で、準安定性は を 5.0 倍上げていました。

補正向き大きさ
熱歪み下げる−6.6%
準安定性(700 °C・大面積)上げる+400%
準安定性(選択成長パッド)上げる+2,210%

順位が 2 桁違います。熱歪みを入れて精度を上げる作業は、準安定性を数に入れた後で意味を持つ。先に埋めるのは温度と面積のほうです。

蓋をすると 2 倍を超えて、2.33 倍

準安定な膜を真に安定にする方法が 1 つあります。基板と同じ組成の層で覆うことです。

理屈は明快です。埋め込まれた層の歪みを緩和するには、上下 2 つの界面の両方にミスフィット転位を作る必要がある。転位のコストが 2 倍になるので、同じ で許される不整合も 2 倍になります。

ここで「臨界膜厚も 2 倍」と書くと、控えめに出ます。対数の項が とともに増えるので、実際の倍率は 2 を超えます。

系露出した膜の 覆った膜の 倍率
Ge₀.₂₅Si₀.₇₅12.14 nm28.57 nm2.35 倍
Ge₀.₂₀Si₀.₈₀16.05 nm37.39 nm2.33 倍
GaAs on Si1.77 nm4.74 nm2.67 倍

倍率は 2.33 から 2.67 のあいだで、不整合が大きいほど大きくなります。薄い膜ほど が小さいので、2 倍のコストを払ったときに を余分に伸ばせる。

単層の埋め込み層と超格子を同じ枠組みで解いた 1990 年の研究1が、この場合を正面から計算しています。転位間隔が広い極限では単純な双極子の予測と一致し、狭くなると乖離する、という但し書き付きで。

緩和の予算は、温度で 6 桁動く

「準安定」という言葉の中身を、速度の数にします。

転位のすべりは熱活性化過程なので 。Si(001) 上の 35 nm の Ge₀.₂₅Si₀.₇₅ 膜で測られた 2 点、820 K で 1 µm/s、1070 K で 100 µm/s から

前指数因子は µm/s。これで任意の温度における「1 µm を横切る時間」が出ます。

温度すべり速度1 µm を横切る時間
300 °C µm/s1.4 時間
400 °C µm/s74 秒
500 °C0.30 µm/s3.3 秒
547 °C1.0 µm/s1.0 秒
700 °C22 µm/s45 ミリ秒
900 °C377 µm/s2.7 ミリ秒

300 °C と 900 °C のあいだで、6 桁動きます。

この表の使いどころは、後工程の熱履歴です。400 °C までの工程なら、転位 1 本が 1 µm の素子を横切るのに 74 秒かかる。500 °C を超えると秒の桁になります。

「準安定」が指しているのは、核形成待ちの状態です。転位の可動性のほうは、別の量として生きています。1 本入った後は、素子の寸法が秒で走破されます。

注意が 1 つ付きます。 は過剰応力とともに下がります。この 1.393 eV は、35 nm・不整合 1% の膜に固有の見かけの値。もっと厚い膜、もっと不整合の大きい膜では、同じ温度で実効障壁がこれより低くなります。

上の 2008 年の研究3が観察した「臨界膜厚を超えた歪み Si 層の緩和が、引張応力下での貫通転位のすべりで実現し、圧縮応力下で形成されたパイルアップを崩す」という現象も、この速度の上で起きています。

歪み釣り合いは、周期の数を条件から外す

歪みの符号を交互にすると、層ごとの力が逆を向きます。膜が不整合歪みを支えるために受ける力の符号は の符号と同じなので、基板への結合が支える正味の力は全層の和です。 と が両層で等しければ、釣り合いは

この条件が満たされていれば、何対積んでも正味の力はゼロです。積める対数が条件から抜けるので、条件は各層が自分の 未満であることだけになります。

Ge₀.₂₀Si₀.₈₀()を圧縮側に取った場合の組み合わせです。

引張側の 要る 1 周期の厚さ
5 nm−0.00507.92 nm12.92 nm
5 nm−0.01003.96 nm8.96 nm
10 nm−0.005015.84 nm25.84 nm
20 nm−0.010015.84 nm35.84 nm

引張側の不整合を倍にすると、要る厚さが半分になります。1 周期が薄くなるので、同じ総厚へ入る周期数が増える。

この設計は別の材料系で実装されています。2013 年の GaAsP/InGaAs/GaAs 歪み釣り合い多重量子井戸太陽電池のモデル化5が、引張と圧縮の歪みがバンド構造へ与える効果を伝導帯と価電子帯の まで計算し、量子効率と暗電流を実測と突き合わせています。

正孔の移動度は、歪み 0.3% より下で逆を向く

歪みは害であると同時に道具です。ただし符号と大きさの両方が要ります。

2005 年の二軸歪み Si の異常な正孔移動度の研究6が、素の Si 電界効果トランジスタ、基板歪み Si 素子、そしてそれらへ機械的な二軸引張を加えた素子で測っています。

(001) Si 基板上の ⟨110⟩ 方向の正孔移動度は、0.3% より小さい二軸引張歪みで低下し、0.3% を超えると向上する。

理由も数で書かれています。有効正孔伝導質量は重い正孔と軽い正孔の占有平均で、小さい歪みでは状態密度の大きい重い正孔側が占有の多数を占めるので質量が増える。引張歪みが増えると軽い正孔帯が持ち上がって重い正孔帯を追い越し、占有が軽い側へ移って質量が急に下がります。

この 0.3% を、緩和 SiGe バッファの Ge 分率へ換算します。緩和 Si₁₋ₓGeₓ の上の Si の歪みは なので、

Ge 7.6% が下限です。それより薄い組成のバッファは、正孔移動度を下げる側へ働く。

上限は臨界膜厚が作ります。上の式で歪み Si 層の を組成ごとに解きます。

バッファの Ge 分率Si の歪み歪み Si の 正孔移動度
0.030.119%154 nm低下
0.050.198%85.1 nm低下
0.0760.30%約 53 nm境目
0.100.396%37.4 nm向上
0.150.594%22.9 nm向上
0.230.911%13.5 nm向上
0.301.188%9.6 nm向上

使える窓は Ge 8% から 23% あたりです。下限は移動度の符号、上限は歪み Si 層が 13 nm を切ること。

移動度の水準も公開の数があります。2002 年の歪み Si における正孔と電子の輸送の研究7が、歪みを与える SiGe 層の Ge 分率 30% で、二軸引張歪みの正孔ドリフト移動度 1,750 cm²/(V·s)、斜方晶歪みでは 1,230 cm²/(V·s) と計算しています。電子についてはこの 2 つの歪み形式でほぼ同じ値です。

正孔は歪みの形に敏感で、電子は鈍い。この非対称が、どちらの素子へ何を掛けるかを分ける材料になります。

現場で動く判断

  1. 臨界膜厚は会計の線です。歪みは に比例、転位は 。増え方が別なので必ず逆転します。膜の強度とは、別の量です。
  1. 逆転点の式から弾性率が消えます。、Si 系の係数は 0.02479 nm。単層と超格子を同じ枠組みで解いた研究1が、この形を多層まで延ばしています。
  1. を 1/10 にしたときの の倍率は 13〜20 倍で、出発点によって動きます。対数の項があるので より速い。固定の換算率として使うと、大きい の側で 2 倍を取りこぼします。
  1. Ge 23% で解いた 13.48 nm が、公開試料の分類の境目3に入りました。8・13 nm が臨界膜厚以下、25・40 nm が臨界膜厚を超える、という呼び分けのちょうどあいだ。平衡の式は、この範囲では当たります。
  1. 同じ式は、700 °C・大面積の実測 80 nm4 を 16.05 nm と見積もります。5.0 倍の開き。選択成長パッドの転位フリー 370 nm なら 23.1 倍。平衡値は下限として使います。
  1. 熱歪みの補正は −6.6% で、準安定性の +400% と 2 桁違います。温度依存の臨界層厚の研究2が方向を与えています。先に埋めるのは温度と面積のほうです。
  1. 基板組成で覆うと は 2.33〜2.67 倍になります。「2 倍」は対数の項のぶんだけ控えめ。不整合が大きいほど倍率も大きくなります。
  1. すべり速度は 300 °C と 900 °C のあいだで 6 桁動きます( eV)。400 °C で 1 µm に 74 秒、500 °C で 3.3 秒。後工程の上限温度が、そのまま緩和の予算です。
  1. は過剰応力とともに下がります。1.393 eV は 35 nm・不整合 1% の膜に固有の見かけの値。厚い膜・大きい不整合へは、その系で測り直した値を使います。
  1. 歪み釣り合い は、周期の数を条件から抜きます。実装例5があるので、残る条件は各層が 未満であることだけ。
  1. 正孔移動度は 0.3% の二軸引張歪みで符号が変わります6。緩和 SiGe バッファなら Ge 7.6% が下限。それより薄い組成は移動度を下げる側へ働きます。
  1. 使える窓は Ge 8% から 23% です。下限が移動度の符号、上限が歪み Si の 13.5 nm。電子は歪みの形に鈍く、正孔は敏感7なので、素子ごとに別の目標を持ちます。

出典

  1. 1 Critical layer thickness for misfit dislocation stability in multilayer structures (1990) doi:10.1063/1.345371
  2. 2 Temperature-dependent critical layer thickness for strained-layer heterostructures (1995) doi:10.1063/1.115106
  3. 3 Effect of strained-Si layer thickness on dislocation distribution and SiGe relaxation in strained-Si/SiGe heterostructures (2008) doi:10.1063/1.2986940
  4. 4 Electroluminescence of strained SiGe/Si selectively grown above the critical thickness for plastic relaxation (1998) doi:10.1063/1.367104
  5. 5 Modelling of GaAsP/InGaAs/GaAs strain-balanced multiple-quantum well solar cells (2013) doi:10.1063/1.4775404
  6. 6 Abnormal hole mobility of biaxial strained Si (2005) doi:10.1063/1.2041839
  7. 7 Hole and electron transport in strained Si, Orthorhombic versus biaxial tensile strain (2002) doi:10.1063/1.1491283