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DFL7363は加工と検査の並行で生産性約50%増|2つのチャックテーブルと高出力エンジン

DISCOは、2026年度下期に販売を始める予定のステルスダイシング用レーザソーDFL7363について、2つのチャックテーブルと高出力エンジンにより、生産性が従来機比で約50%上がる1と説明する。チャックテーブルとは、加工中のウェーハを吸着して保持する台を指す。7363では、加工と測定・検査を別々のチャックテーブルで同時に進められる。装置内で加工品質を検査する機能も載せられるが、発表ではオプションの扱いだ。3機種全体の方式とブレードとの分担は、DISCOの新レーザソー3機種の入門記事にまとめている。

一方、この記事の読みでは、ステルスダイシングの加工結果は表面から見えにくい。ステルスダイシングはウェーハ内部に改質層を作って亀裂を走らせ、テープを引き伸ばして割る。浜松ホトニクスは、亀裂がどの面まで届いたかで加工の状態を4つに分けている2。同社の特許には、レーザ加工装置の中でシリコンを透過する光で撮像し、亀裂が表面側に届いたかを判定して、照射条件の調整に使う構成が書かれている。この特許は浜松ホトニクスによる検査構成の一例で、DISCOが7363について挙げる機能は「装置内での加工品質の検査」までだ。

DISCOが約50%の根拠に挙げるのは、テーブルの数とエンジンの出力

Section titled “DISCOが約50%の根拠に挙げるのは、テーブルの数とエンジンの出力”

DFL7363の発表に並ぶ機能は、300mm対応のステルスダイシング、2つのチャックテーブルと高出力エンジンによる約50%の生産性向上、加工と測定・検査の並行、装置内での加工品質の検査(オプション)の4つだ。DISCOのレーザ加工の解説によると3、同社のステルスダイシング対応機は、浜松ホトニクスがDISCO向けに開発したレーザと光学系のモジュール(SDエンジン)を組み込んでいる。

加工と測定・検査の進め方を2段で示した順序の模式図。上段は加工と測定・検査が1つの流れで交互に並ぶ。下段はDFL7363の説明に沿って、加工の列と測定・検査の列が別々のチャックテーブルで同時に進む。ブロックの長さは時間を表さない。
順序の模式図。DISCOの説明では、DFL7363は加工と測定・検査を別々のチャックテーブルで同時に進められる。

現行のステルスダイシング機DFL7362は4、主に厚さ50µm以下の極薄Siの個片化に使われる。DISCOは、X軸の最高速度と加速度を上げ、搬送とアライメントの時間を縮めて、UPH(1時間あたりの処理枚数)を約30%上げたと説明する。品質と生産性のオプションとして、ウェーハ厚の測定やノンストップカーフチェックも用意している。7363の発表は、測定・検査を加工と別のチャックテーブルで同時に行えることを機能として挙げた。

浜松ホトニクスは、ステルスダイシングを亀裂の届き方で4つの状態に分けている

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浜松ホトニクスの説明では、ステルスダイシングは2つの工程からなる。レーザを当てて内部にSD層(改質層)を作り、そこから亀裂を走らせる工程と、テープを引き伸ばしてウェーハを分ける工程だ。亀裂の届き方で、内部にとどまるST、上面に届くHC、下面に届くBHC、両面に届くFCの4つの状態を区別する。研削の前にレーザを当てるSDBGは、厚さ50µm未満の極薄チップに使う。

浜松ホトニクスが定義するステルスダイシングの4つの状態を、ウェーハ断面で並べた図。STは亀裂が内部にとどまり、HCは上面に届き、BHCは下面に届き、FCは上下両面に届く。
ステルスダイシングでは、改質層から出た亀裂がどの面まで届いたかで加工の状態が分かれる。

DISCOのステルスダイシングの解説によると5、内部を加工するので加工くずが少なく、洗浄の要らないドライ加工になる。MEMSのように洗浄水やダイシングの負荷に弱い構造でも、表裏面をほとんど傷めずに加工できる。表面に溝が残らないので、この記事では加工の結果を内部の亀裂の状態として読む。浜松ホトニクスの特許US12023761B2は6、レーザ加工装置にステージ、レーザ照射部、撮像部、制御部を持たせ、撮像部の信号から、改質領域から伸びた亀裂が半導体基板の表面側に届いたかを判定し、その結果から照射条件の調整に関する情報を導く構成を記載している。

DISCOの発表を年順に並べると、装置内で測る範囲が広がっている

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DISCOは2023年、ブレードダイサーDFD6363に加工形状を観察・計測・記録する3Dプロファイラ7を載せると発表した。この発表によると、ダイシングソーには1970年代後半から平面画像による観察・計測機能を載せてきた。2016年にミニマルウェーハ向けの3D顕微鏡を出し、その測定系を小型化してカーフ測定用に載せたレーザソーを2018年に発売した。3Dプロファイラはカーフ幅や溝の深さを立体的に測り、データを品質記録として装置に保存してトレーサビリティを高める。DISCOは背景として、車載半導体の存在感が増し、ユーザーから加工品質のより厳格な管理を求められるようになったことを挙げている。

この記事の整理では、ダイサーの平面画像による計測、レーザソーのカーフ測定、ダイサーの3D計測に続いて、ステルスダイシング機の7363に、測定・検査を加工と並行させる構成と装置内の品質検査が加わった。

薄いメモリでは、研削前の部分ステルスダイシングという新しい工程でテスト歩留まりが上がった例がある

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MITに2014年に提出されたSanDisk Shanghaiでの修士論文は8、極薄の積層メモリダイに向けたステルスダイシングを、プロセスの物理、評価、最適化、統合に加え、統計的工程管理まで含めて調べた。部分的なステルスダイシングを研削の前に行う工程で、厚さ25µmと46µmの2D NANDダイを8段積んだスタックを欠陥なしで作り、メモリとシステムのテスト歩留まりが平均で3.5%上がったと報告している。この3.5%は、論文が部分ステルスダイシングを研削前に行う新しい工程(p-SDBG)の効果として報告した値で、2014年のSanDisk Shanghaiでの2D NANDの1例だ。

ウェーハを50µm以下まで薄くする研削と、薄いウェーハを支える仮接着は仮接着と薄化、15µm級のウェーハをキャリアで扱う工程は極薄ウェーハのハンドリングで扱っている。研削より前にダイシングを置く工程順は、ウェーハレベルの後工程で先ダイシングとして整理した。切断後の損傷が歩留まりにどう表れるかは、歩留まりと欠陥管理にまとめている。

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