200mm縦型炉の更新、2機種とも旧機互換KOKUSAIとTEL、部品打ち切りに備え
200mmラインの縦型炉を新しい装置に入れ替えるとき、KOKUSAI ELECTRICとTELの製品ページに新品として載る200mm機は、KOKUSAI ELECTRICのVERTRON Revolution1と東京エレクトロン(TEL)のALPHA-8SE iだ2。縦型炉とは、数十枚以上のウェーハを縦型の炉にまとめて入れ、熱とガスで酸化、拡散、アニール、CVDを一度に行う装置を指す。両機とも150mmと200mmのウェーハを扱い、旧機で作ってきたプロセスを引き継ぎながら、部品の供給打ち切りに備える。その備え方は、VERTRON Revolutionが制御系の更新、ALPHA-8SE iが部品の置き換えと300mmの縦型炉との部品の共通化だ。
違いは1回に処理する枚数の選び方だ。VERTRON Revolutionはオプションで175枚の大型バッチと、天井の低い工場向けの100枚の小型バッチを選べる。ALPHA-8SE iは最大150枚を処理する。KOKUSAI ELECTRICの300mmのバッチ成膜装置は同社のバッチ成膜装置の解説で扱っている。
旧機のウェーハプロセスとの互換を保ち、ハードウェアと制御系を新しくする
Section titled “旧機のウェーハプロセスとの互換を保ち、ハードウェアと制御系を新しくする”VERTRON Revolutionは、同社の200mm向けバッチ熱処理装置VERTRONシリーズの最新機だ。製品ページは、過去の機種とのウェーハプロセスの互換性、最新の300mm装置の設計を使ったハードウェアの更新、最新の構成に上げた制御系を挙げる。制御系の更新で、将来の部品の供給打ち切りのリスクが大きく下がると説明している。用途は成膜と、酸化、拡散、低温から超高温までのアニールに及び、多品種少量から量産まで機種を選べる。
KOKUSAI ELECTRICの有価証券報告書(2026年3月期)によれば3、同社は2017年に、200mmのバッチ成膜装置へ300mmの先端装置の技術を移した新製品を市場に出した。同社の統合報告書20254の年表には、縦型CVD装置のVERTRON-I、150mm対応のII、200mm対応のIIIが載る。
TELのALPHA-8SE iは、前のALPHA-8SEを作り直して2018年に出した200mm向けの縦型バッチ熱処理装置だ。TELは、ALPHA-8SEの発売から20年以上たち、一部の部品が近く打ち切られる見込みになったので、それらの部品を置き換え、300mmの縦型炉との部品の互換を確保したと説明する。ALPHA-8SEで実績のあるプロセス性能とアップグレードキットは、そのまま使える。
違いは、1回の枚数と工場の天井への合わせ方
Section titled “違いは、1回の枚数と工場の天井への合わせ方”1回の枚数を増やせば、同じ処理時間で多くのウェーハを流せる。VERTRON Revolutionの175枚は、ALPHA-8SE iの最大150枚より25枚多い。100枚の小型バッチは、炉の高さを抑えたい天井の低い工場向けのオプションだ。
| 項目 | VERTRON Revolution(KOKUSAI ELECTRIC) | ALPHA-8SE i(東京エレクトロン) |
|---|---|---|
| ウェーハ径 | 200mm、150mm以下 | 150mm、200mm |
| 1回の枚数 | オプションで175枚、天井の低い工場向けに100枚 | 最大150枚 |
| 旧機との関係 | 過去の機種とのウェーハプロセスの互換 | ALPHA-8SEのプロセス性能とアップグレードキットを継承 |
| 部品切れへの備え | 制御系を最新の構成に更新 | 打ち切り見込みの部品を置き換え、300mm縦型炉と部品を共通化 |
| 主な用途 | 成膜、酸化、拡散、低温から超高温のアニール | 酸化・アニール、SiやSiN、SiO2のCVD、high-k膜のALD |
| その他の特徴 | 300mm装置の設計を使ったハードウェアの更新、酸素と水分を減らす雰囲気制御(オプション) | 稼働データの表示と遠隔監視 |
酸素や水分に弱いプロセスには、VERTRON Revolutionが酸素とH2Oの濃度を下げる雰囲気制御をオプションで用意する。ALPHA-8SE iは、取り込む装置パラメーターを増やし、TELのデータ収集システムIngenioと顧客の側から遠隔で監視できるようにした。安全規格では、SEMI S2とCEマーキングに適合する。
KOKUSAI ELECTRICの200mm以下の装置は、パワー半導体向けの販売が増えている
Section titled “KOKUSAI ELECTRICの200mm以下の装置は、パワー半導体向けの販売が増えている”統合報告書2025の売上構成の円グラフでは、2025年3月期の売上収益2,389億円のうち、サービス事業に入る200mm以下のSiのパワーデバイス向けなどと、200mm以下のSiC・GaNのパワーデバイス向けの2区分が、合わせて7%を占めた。有価証券報告書は、SiCを含むパワーデバイス向けの販売が増え、高温アニールの技術で差別化を図っている3と書く。
同社は統合報告書2025で、中国以外のパワーデバイスの設備投資が停滞する中でも、自社製品の売上は運用と保守のしやすさ、予備部品の共通化、省エネルギーのヒーターによる環境性能4にも支えられて堅調だと説明する。新製品として、極めて高い温度に届く新しい加熱方式と150mm・200mm共通の装置基盤を持つ高温の活性化アニール装置を挙げ、顧客と評価してきたこの用途で初めてのPOR(顧客の量産工程への正式採用)を得た。量産での使用は2025年以降を見込んでいた。パワー半導体の市場と主なメーカーはパワー半導体の記事、活性化アニールの役割はアニールとサーマルバジェットで扱っている。
200mm以下の装置の扱いは、2027年3月期から変わった。同社はそれまでサービス事業に入れていた200mm以下の装置と中古装置の販売を、装置事業の区分へ移した3。縦型炉の市場全体での両社のシェアは、縦型バッチ成膜装置のシェアを扱う記事にまとめている。
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- 1KOKUSAI ELECTRIC:VERTRON Revolutionの特徴(Products & Services)kokusai-electric.com ↩
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- 3KOKUSAI ELECTRIC:200mm装置の投入とパワーデバイス向け販売(有価証券報告書、2026年6月)disclosure2dl.edinet-fsa.go.jp abc
- 4KOKUSAI ELECTRIC:パワーデバイス向け事業と高温活性化アニール装置(統合報告書2025)ssl4.eir-parts.net ab