演算あたりのエネルギーとは
演算あたりのエネルギーとは、計算や伝送を1回行うのに使うエネルギーです。 配線では1ビット運ぶのに使う量として、pJ/ビットという単位で表します。消費電力そのものは帯域を上げれば増えるので、規模の異なる方式どうしを比べるには1回あたりの値へそろえます。ただし数字だけでは比べられません。面積あたりの帯域と結合の損失を組にして、どこからどこまでを数えた値かを添えたときに、初めて方式の比較に使えます。
1ビットあたりの値に帯域を掛けると、消費電力になる
Section titled “1ビットあたりの値に帯域を掛けると、消費電力になる”imecは、2並列のGeSi電界吸収変調器による106 Gb/sの送信器で、消費が1.5 pJ/ビットだったとしています1。シリコンフォトニクスのPAM-4送信器です。この値に毎秒のビット数を掛けると消費電力になり、1.5 pJで106 Gb/sなら、およそ0.16 Wです。
逆に読むと、同じ0.16 Wでも、運ぶビット数が違えば1ビットあたりの値は変わります。消費電力の大小だけを並べると、帯域の大きい方式ほど不利に見えます。1ビットあたりへ割り戻すのは、この見かけの差を消すためです。
距離が長いほど、光と電気の差が開く
Section titled “距離が長いほど、光と電気の差が開く”同じ帯域を電気の配線で運ぶ場合との差が、光を採る理由になります。電気は距離とともに1ビットあたりの電力が増え、光は距離の影響が小さいため、距離が長いほど差が開きます。
面積あたりの帯域も組で測る
Section titled “面積あたりの帯域も組で測る”TSVを使った送受信機の帯域密度は1 Tbps/mm²でした1。1平方ミリあたりで毎秒1テラビットを運べるという値です。パッケージへ入る面積には限りがあるので、同じ電力でも面積あたりの帯域が低ければ、必要な本数が増えて面積で詰まります。電力あたりと面積あたりはどちらも密度の指標で、方式を比べるときは2つを組で測ります。
結合の損失は、そのまま1ビットあたりのエネルギーに跳ね返る
Section titled “結合の損失は、そのまま1ビットあたりのエネルギーに跳ね返る”imecは、ファイバ間の挿入損失の実測が合計4 dBだったとしています2。4 dBを光の強さの比に当てはめると、届く光は約0.4倍に減る計算です。損失が大きいほど、送る側で強い光を用意するか、受ける側の感度を上げることになり、どちらも電力で払います。imecがコパッケージ光学で結合の各段を詰めているのはこのためで、段ごとの0.5 dBが、そのまま1ビットあたりのエネルギーへ響きます。
送信器だけの値は、系全体の値ではない
Section titled “送信器だけの値は、系全体の値ではない”系の値は、送信器と受信器と結合の段のすべてで決まるため、指標は系全体で測る必要があります。imecは受ける側も同じ水準へそろえるため、100 GHzの受光器3と正味400 Gbpsの受信を示しています。1.5 pJ/ビットという値は、送信器という範囲を添えて初めて比較の対象になります。どこからどこまでを数えたかが、この指標の条件です。
下げるほど、部品と組み立てで払う
Section titled “下げるほど、部品と組み立てで払う”1ビットあたりのエネルギーを下げれば、同じ帯域を低い電力で運べます。その代わり光の部品と変換の回路が増え、面積と費用で払います。感度を上げれば弱い光でも受けられますが、雑音が増えて余裕が狭まります。結合の段を詰めれば損失は減るものの、位置合わせの精度と組み立ての手間が上がります。
よくある質問(FAQ)
Section titled “よくある質問(FAQ)”演算あたりのエネルギーとは何ですか?
計算や伝送を1回行うのに使うエネルギーです。配線では1ビット運ぶのに使う量として、pJ/ビットという単位で表します。
なぜこの指標を使いますか?
消費電力そのものは帯域によって動くためです。1回あたりへ割ると、規模によらず方式どうしを比べられます。
どのくらいの値ですか?
imecの106 Gb/sのPAM-4送信器では、消費が1.5 pJ/ビットでした。2並列のGeSi電界吸収変調器を使った送信器の値です。
消費電力へどう換算しますか?
1ビットあたりのエネルギーに毎秒のビット数を掛けます。1.5 pJで106 Gb/sなら、およそ0.16 Wです。
面積の指標もありますか?
あります。TSVを使った送受信機の帯域密度は1 Tbps/mm²でした。
なぜ面積も測りますか?
パッケージへ入る面積には限りがあるためです。同じ電力でも、面積あたりの帯域が低ければ必要な本数が増え、面積で詰まります。
光と電気でどう違いますか?
電気は距離とともに1ビットあたりの電力が増えます。光は距離の影響が小さいため、長い区間ほど差が開きます。
比較・違いを学ぶ
Section titled “比較・違いを学ぶ”- メモリの壁とは── この指標が問われる場面
- 光インターコネクトとは── 1.5 pJ/ビットを出した方式
- コパッケージ光学とは── 結合の段を詰める取り組み
- スイッチング損失とは── 電力側で同じ考え方を使う指標
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- 2
- 3imec:Photonicsimec-int.com ↩