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レーザーアシストボンディング(LAB)とは

レーザーアシストボンディング(LAB)とは、均一化したレーザー光でチップ上面を数秒照らし、チップが吸収した熱でバンプのはんだを溶かすフリップチップの接合法です。 加熱するのはチップの領域だけで、基板は低温のまま保たれます。

難しさは熱の配分にあります。基板の温度を低く保つほど反りは小さくなりますが、チップの熱が基板へ逃げすぎると、はんだが溶けきらずに接合が不完全になります。チップが大きくなれば端の温度が下がり、裏面に金を付けたチップでは光そのものが跳ね返されます。

均一化したレーザー光でチップ上面を数秒照らし、熱をバンプへ流す

Section titled “均一化したレーザー光でチップ上面を数秒照らし、熱をバンプへ流す”
LABの熱の流れ(断面)
均一化したレーザー光数秒だけ照射Siチップが吸収して発熱Cuピラーはんだが溶ける有機基板(低温のまま)ボンディングステージ熱はチップからCuピラーを通ってはんだへ届く
LABでは、チップが吸収したレーザー光の熱がCuピラーを通ってはんだへ伝わり、基板は低温のまま接合が進みます。

Université de SherbrookeとIBM Canadaの論文によると、LABでは均一化した長方形のレーザー光がシリコンチップの上面全体を照らします1。光のエネルギーは主にシリコンチップに吸収され、はんだの接合面へ伝わってはんだを溶かします。加熱はチップの領域だけで、時間も数秒なので、熱による応力と変形が小さく抑えられます。

ソウル科学技術大学がCuピラーバンプのフリップチップで解析した例では、チップの温度が面内で均一に数秒以内に280℃まで上がり2、はんだを溶かすのに十分な温度に達しました。チップの熱はCuピラーバンプを通って基板へ素早く伝わる一方、基板の温度は低いまま一定に保たれました。

リフロー炉は基板ごと温め、熱圧着は加圧のぶん接合に時間がかかる

Section titled “リフロー炉は基板ごと温め、熱圧着は加圧のぶん接合に時間がかかる”

フリップチップのバンプ接合には、マスリフロー(MR)、熱圧着(TCB)、LABの3方式が使われています3。

方式加熱のしかた課題
リフロー(MR)対流式の炉で組立品全体を均一に加熱有機基板が反り、チップと基板の熱膨張差で応力が出る
熱圧着(TCB)圧力と熱をチップの領域に集中接合に時間がかかり、装置が高価。加圧ではんだがはみ出しブリッジの原因になる
LABレーザー光でチップだけを数秒加熱チップ外周の温度が下がりやすく、基板やバンプへの放熱でチップ温度も下がる

同じ論文は1、リフローは生産性が高く、はんだのセルフアライメントも働くので業界で最も広く使われている理由に挙げています。その一方で、有機基板が自由に反るので、位置ずれ、未接触、ブリッジが起き、熱膨張差による応力でチップの絶縁層がはがれる不良(white bump)も起きます。LABはTCBよりも接合時間がきわめて短く、リフローに近い生産性に近づくとしています。

基板が冷たいまま保たれ、大型チップの反りが約50%減った

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ソウル科学技術大学の別の研究は、TCBやLABでは基板の温度がチップより低くなるので、熱膨張係数の差による応力とパッケージの反りが小さくなるとしています4。この研究ではシリコンチップの光の吸収率を分光器で測り、その値を数値解析に入れてLABの条件を最適化しました。

Université de SherbrookeとIBM Canadaは、25mm×26mmのシリコンチップ(Cuピラー/SACはんだ、ピッチ130µm)で試験しました。使った装置は波長980nmの連続発振レーザー(最大800W)で、ビームの大きさを8〜45mmで調整する光学系を備えます。その結果、接合後のチップの反りはリフローと比べて約50%減り1、接合直後の金属間化合物の形成も大きく減りました。反りが小さくなる理由は、加熱がチップ側に限られることにあります。

25mm角級のチップでは、ビームをチップの外まで広げて端の温度低下を補う

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LABの研究の多くは小〜中型のチップを対象にしてきました。メモリ、プロセッサ、インターポーザーではチップがずっと大きくなります。Université de SherbrookeとIBM Canadaは、ビームをチップの外まで広げることが、大型チップを欠陥なく繰り返し接合する条件になる1ことを示しました。熱の有限要素解析でも、チップの外周では対流で熱が逃げてはんだの温度が下がり、その影響はチップが大きいほど強くなりました。ビームを広げると基板表面の温度は上がりますが、それでも反りはリフローより約50%小さくなりました。

ソウル科学技術大学の解析では、基板の厚さ、Cuバンプの数、ボンディングステージの温度が熱の伝わり方を左右しました。基板が薄いほど、バンプが多いほど、ステージ温度が低いほどチップの温度は下がり2、温度が不足すると、はんだが溶けきらずに接合が不完全になります。

金の裏面メタルは赤外光をほぼ反射し、Amkorは下から照らす方式を開発した

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上から照射とリバースLAB
上から照射(従来のLAB)反射Siチップ基板ステージ金の裏面メタルが光を反射バンプへ熱が届きにくい下から照射(リバースLAB)Siチップ基板(BGA側)光を通すステージレーザー光ステージを透過させて基板側から照射
裏面を金でメタライズしたチップは赤外光を反射するので、リバース型のLABではステージを透過させて基板側から照射します。

チップの裏面に金をメタライズする(BSM)と、上から照らすLABではバンプへ熱が届きにくくなります。Amkor Technology KoreaのSeokHo Na氏の報告によると、赤外域での金の反射率はほぼ100%で5、通常のシリコンチップ向けの条件ではバンプの接合ができず、チップが基板から離れました。出力を4倍にすると基板表面が焼け、3倍では未濡れが残り、照射時間を12〜16倍に延ばしても未濡れが検出されました。

そこでAmkorは、レーザー光をステージブロックに透過させ、基板のBGA側からバンプへ向けて照射するリバース型のLABを開発しました。バンプピッチ165µmの試験品では、出力を±10%振った3条件とも良好な接合が得られ、UHAST 192時間、温度サイクル1000回、高温保存1000時間の信頼性試験の後も、超音波探傷(SAT)とバンプ断面は正常でした。Amkorは対象として、BSMチップのほかHBMや2.5Dモジュールの接合を挙げています。2025年の講演案内では、リバース型のR-LABとR-LTCの紹介を予告しています3。

レーザーアシストボンディング(LAB)とは何ですか?

均一化した長方形のレーザー光でシリコンチップの上面全体を照らし、チップが吸収した熱をはんだの接合面へ流して溶かす、フリップチップの接合法です。加熱はチップの領域に限られ、時間も数秒です。

リフローとの違いは何ですか?

リフロー(マスリフロー)は対流式の炉で組立品全体を均一に加熱します。LABはチップだけを短時間加熱するため、基板の温度が低いまま保たれ、チップと基板の熱膨張差から来る応力と反りが小さくなります。

熱圧着(TCB)との違いは何ですか?

TCBも熱をチップ側に集中させますが、加圧しながら接合するので1回の接合に時間がかかり、装置も高価です。Université de SherbrookeとIBM Canadaの論文によると、LABの接合時間はTCBよりきわめて短く、生産性はリフローに近づきます。

反りはどのくらい減りますか?

25mm×26mmの大型シリコンチップを使ったUniversité de SherbrookeとIBM Canadaの試験では、接合後のチップの反りがリフローと比べて約50%減りました。

どんなチップでも上から照らせばよいのですか?

裏面を金でメタライズしたチップでは、赤外域で金の反射率がほぼ100%になり、熱がバンプまで届きにくくなります。Amkorはレーザー光をステージブロックに透過させ、基板のBGA側から照らすリバース型のLABを開発しました。

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