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PFC排出とは

PFC排出とは、炭素とふっ素のみからなる化合物が大気へ出ていくことを指します。 半導体の工場では、エッチングや成膜室の清掃に使われます。無毒で燃えず、オゾン層も壊さずに済むなら無害に思えます。しかし壊れにくいという性質そのものが、大気に長く留まって熱を閉じ込める理由になり、工場で壊すときにも高い温度かエネルギーを要求します。排出量を決めるのは、反応室で使われずに素通りする量と、それを除害装置がどれだけ壊せるかの2つです。

燃えず安定なので、大気に長く留まる

Section titled “燃えず安定なので、大気に長く留まる”

PFCは、炭素とふっ素のみから構成されるので不燃性で安定な性状であり、オゾン層破壊効果もないことから、フロン類の代替物質として使われてきました1。壊れにくさが、そのまま大気での寿命になります。温室効果は二酸化炭素の6,500〜9,200倍で、HFC・SF6とともに京都議定書の排出削減対象物質です。

半導体工場がこの種のガスを使う場面は2つあります。US EPAは、半導体メーカーが温暖化係数の高い様々なガスを、ウェーハ上に回路パターンを作るためと、CVD装置のチャンバーを素早く清掃するために使うとしています2。前者がエッチングガス、後者がCVDのチャンバークリーニングで、フッ素系のガスは削る用途と掃除する用途に分かれます。US EPAは、フッ素系温室効果ガスの使用は1980年代後半まで始まらず、その使用がはるかに複雑で高速な半導体の開発を後押ししたとしています。

使ったガスの10〜80%が、反応せずに反応室を素通りする

Section titled “使ったガスの10〜80%が、反応せずに反応室を素通りする”
使用量と排出量
使用したPFC反応室反応で消費反応せず素通り10%80%除害大気へ
通常の運転条件でも、反応室を素通りする分は使用量の10%から80%まで幅があり、除害で壊しきれなかった分が排出になります。使用量と排出量は別の数字です。

US EPAは、通常の運転条件でフッ素系温室効果ガスの10〜80%が製造装置のチャンバーを反応せずに通り抜け、大気へ放出されるとしています2。工場で使った量のうち、反応で消費された分を差し引いた残りが、除害の相手になります。使用量と排出量は、別の数字として数えます。

壊すには高い温度が要り、CF4が最も壊しにくい

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CF4(PFC-14)は炭素数1で、最も分解しにくいPFCです。分子が小さく結合が強いほど、切るために高い温度かエネルギーの高い状態が要ります。PFCの中でも、相手によって難しさが変わります。従来の除害装置は大気圧下で高温加熱するため、膨大なエネルギーを必要としました3。壊すこと自体に、別の排出が付いてきます。Edwardsは、自社のProteusが天然ガスなどの炭化水素を使わずにPFCなどの温暖化ガスを処理できるとしています4。

燃焼とウェットの除害装置
装置の排ガス燃焼部Si系の固体堆積燃料ウェット部排気へ残留フッ素で腐食下流の配管炎水堆積物腐食
燃焼部で壊したあとも、残ったフッ素は下流の配管を腐食させ、シリコンを含むガスは固体になって装置の中に積もります。

壊した後にも相手が残ります。ALZETAは、NF3、CF4、C2F6などのガスから残るフッ素は腐食性がとても強く、下流の部品を傷めるとしています5。同社は、フッ素による腐食とシリコンを含むガスの固体堆積に対抗するため、独自の材料、形状、流れ場を使って長寿命で安全な除害装置にしているとしています。

工場の除害設備は、回収して壊す施設とは別の枠に入る

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環境省のPFC破壊ガイドラインは、破壊技術として廃棄物混焼法・セメント原料用および石灰焼成炉混入法・炉内分解型液中燃焼法を挙げています。破壊の指標は分解効率(Destruction and Removal Efficiency)で、どれだけ入れて、どれだけ残らなかったかという一つの物差しです。求められる要件は、分解効率の高さのほか、ふっ化物や微量の有害物質を含む排ガス・排水・灰を確実に扱えること、運転管理が容易であること、ふっ化物に対する耐久性、設備費と運転費が適正であることです。

同じガイドラインは、半導体製造工場等の除害設備をかなり高い除害効率を有するものとして、当面は適用対象外としています。排ガスをその場で壊す装置と、回収したガスをまとめて壊す施設は、求められるものが違います。前者は装置のすぐ後ろに据えられ、流量も濃度も刻々と変わります。回収について、US EPAの技術報告書は、回収・再利用は大量のPFCを使う特殊な用途に向く場合があるとしています6。

ALZETAの除害装置は1996年に商用機となり、米国の半導体産業は2003年に削減目標を達成した

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PFC削減の年表
使用の始まりEPAと業界の削減パートナーシップ1992 開発開始1994 TIでβ試験1996 商用機2003 10%目標を達成2004 目標を上回る2010
フッ素系ガスの使用が1980年代後半に始まってから、ALZETAとEdwardsの除害装置は1996年に商用機となり、米国の半導体産業は2003年に10%削減目標を達成しました。

ALZETAは、1992年にSematechの初期資金で半導体のPFC除害の開発を始めたとしています5。試作機は燃焼とウェットを組み合わせた方式、軸流のプロセスノズル、同社の内向き燃焼バーナーを使い、性能は有望だったとしています。1994年にEdwardsと提携してTIのリチャードソン拠点を最初のベータ試験先とし、1996年にALZETAのバーナーとEdwardsのTPUパッケージを組み合わせた商用機を出しました。

US EPAと半導体産業は、1996年から2010年まで半導体産業PFC削減パートナーシップで協力し、温室効果ガスを減らして生産効率を上げる技術を探りました。米国の半導体産業はウェーハ需要が大きく伸びたにもかかわらず、2003年に10%の削減目標を達成し、2004年には上回りました6。US EPAは現在も、温室効果ガス報告プログラムのSubpart Iで半導体工場ごとの排出を追っています。

壊す量を増やすほど、燃料、設備、手間のどれかが増える

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分解効率を上げれば大気へ出る量は減りますが、高温を保つための燃料と電力が増え、その分の排出が別に立ちます。除害装置を装置ごとに据えれば濃度が高いうちに壊せる一方、台数だけ設備費と保守が増えます。回収してまとめて壊せば効率は上がるものの、貯める設備と運ぶ手間が乗ります。使用量そのものを減らす道は最も確実ですが、工程の条件を作り直す負担を伴います。

PFCとは何ですか?

炭素とふっ素のみからなる化合物です。半導体ではエッチングや成膜室の清掃に使われ、US EPAは使用が1980年代後半に始まったとしています。

なぜ規制の対象なのですか?

温室効果が二酸化炭素の6,500〜9,200倍だからです。しかも使った量の10〜80%が反応室で反応せずに素通りするとUS EPAはしています。

オゾン層は壊しますか?

壊さずに済みます。PFCはオゾン層破壊効果がないので、フロン類の代替物質として使われてきました。

なぜ大気に長く残るのですか?

PFCが不燃性でとても安定だからです。壊れにくい性質が、そのまま大気での寿命になります。

どの国際的な枠組みの対象ですか?

HFC・SF6とともに、京都議定書の排出削減対象物質です。

最も壊しにくいのはどれですか?

CF4(PFC-14)です。炭素数1で、最も分解しにくいPFCです。

工場の除害設備はガイドラインの対象ですか?

対象外です。環境省のPFC破壊ガイドラインは、半導体製造工場等の除害設備をかなり高い除害効率を有するものとして、当面は適用の対象外としています。

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