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PCW(プロセス冷却水)とは

PCW(プロセス冷却水)(Process Cooling Water)とは、製造装置から熱を運び、所定の温度へ保つための冷却水です。 工程に直接使う超純水とは役割が異なり、装置の熱交換器や冷却回路を循環します。熱を十分に運べないと装置温度が変わり、工程も安定しません。一方で、冷やしすぎると結露などが起きるため、温度と流量を合わせて管理します。Advantage Engineeringは、PCWを冷やす量より先に、熱負荷が揺れても供給温度を狭い幅に保つ制御の問題としています。

水の循環で、装置の熱を工場側の熱交換設備へ運ぶ

Section titled “水の循環で、装置の熱を工場側の熱交換設備へ運ぶ”

GF Piping Systemsは、マイクロエレクトロニクスの生産でPCWが製造装置とシステムから熱を取り除く重要な役割を担うとしています1。水は比熱と熱伝導率が高いので、効率よく熱を移して運ぶ冷却媒体として使われる場面が増えています。

PCWの循環
工場側の水系PCWループ冷凍機・冷却塔熱交換器供給温度・流量製造装置RF電源など熱ポンプ戻り温度
熱交換器で工場側の水系と分ける構成では、装置の熱を受けた戻り水をポンプで熱交換器へ返します。供給と戻りの温度、流量、圧力を分けて管理します。

装置で受け取った熱を水の流れで熱交換設備へ運び、冷却して戻します。供給と戻りの温度差、流量、圧力によって運べる熱量が変わります2。工場側の熱交換設備で水温を整え、装置へ送って熱を回収し、戻り水を再び冷却しながら、循環系の水質と熱負荷を監視します。装置専用の閉じた冷却ループと工場側の水系を熱交換器で分ける構成もあります。冷やす相手は、RF電源などの発熱部です。

工場側の冷やし方は工場の条件によって異なります。米国エネルギー省は、プロセス冷却を一般に、空冷熱交換器(フィンファン)、冷却塔、チラーのいずれかまたは組み合わせで水やグリコールから熱を取り除く3方式とし、冷凍機、冷却塔、ポンプ、空調機が工程と複雑に関わり合うので、高度な制御が要るとしています。

求められるのは冷却量より、温度を保つ精度

Section titled “求められるのは冷却量より、温度を保つ精度”

Advantage Engineeringは、半導体のPCWループには同社が扱う製造用途の中で最も厳しい許容幅が課され、1度以内に収めることが多いとしています4。その理由に、装置レベルの温度の安定が工程の再現性と歩留まりを直接左右することを挙げています。

PCW供給温度の許容幅
最も厳しい帯65〜68°F供給エッチ・成膜・注入65〜70°F供給一般の用役PCW−2−10+1+2設定値からのずれ(°F)
最も厳しい帯は±0.5〜1°F、エッチ・成膜・注入装置は±1°F、一般の用役PCWは±1〜2°Fで、濃い帯が狭い側、淡い帯が広い側の値です。

同社によると、最も厳しい帯は±0.5〜1°Fで、供給温度は65〜68°Fが典型です。エッチング、成膜(CVDなど)、イオン注入の装置はおよそ±1°F・65〜70°F、工場の一般用役のPCWは±1〜2°Fとしています。℃に換算すると、65〜68°Fは約18.3〜20.0℃、±1°Fは約±0.56℃の幅です。

この幅を、装置の熱負荷がレシピに合わせて上下する間も保たなければなりません。Advantage Engineeringは、これを冷却能力の問題になるずっと前に制御の問題であるとし4、チラーの能力を装置の実際の排熱から決めるのはその次だとしています。冷却を止めない備えも欠かせません。同社は、計画外の冷却停止が処理途中のウェーハを廃棄させ、高価な装置を遊ばせるので、PCW系ではN+1以上の冗長化が標準だとしています。チラーをクリーンルームの中や近くに置く場合は、騒音、設置面積、ろ過との適合で選択肢が狭まり、ループに求める水の純度が材料とろ過を決めるとしています。

付着物があると、同じ流量でも熱交換が悪くなることがある

Section titled “付着物があると、同じ流量でも熱交換が悪くなることがある”
熱交換面の付着物
付着物なし付着物あり熱源側伝熱面付着物PCW熱の流れ
流量が同じでも、伝熱面に付着物が積もると熱が水へ渡りにくくなることがあります。水質と熱交換器の状態は、温度差と合わせて確認します。

管理する量は、供給・戻り温度、流量、圧力、水質、漏れ、フィルターと熱交換器の状態です。流量が同じでも、付着物で熱交換が悪くなることがあります。温度差と装置の発熱状態を比べて、ポンプ、配管、熱交換器のどこに原因があるかを分けます。EESでは水温と流量を装置状態と結び、冷却不足による異常を工程不良から切り分けます。

腐食や付着物を抑える水質は、接液材料に合わせて決めます。配管の材料について、GF Piping Systemsは、熱可塑性樹脂の配管系は施工が速く費用も低いので金属より優れた選択だとしています1。

低温化と流量増加は冷却を助けるが、結露と動力が増える

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低温化と流量増加は冷却を助けますが、結露、動力、配管の負担が増えます。工程温度の安定性と設備の運転条件を合わせて決めます。

動力の側では、米国エネルギー省が省エネの手を挙げています。三方弁を二方弁に替えて冷水系を定流量から変流量にすること、冷水ポンプ、冷却水ポンプ、冷却塔ファンにインバーターを付けること、冷水の供給温度と冷却水の入口温度の設定を工程負荷と外気の湿球温度に合わせて変えること、水冷式のエコノマイザーでフリークーリングを使い、チラーの運転を減らすか止めることです3。

PCW(プロセス冷却水)は何をする工程ですか?

製造装置から熱を運び、所定の温度へ保つための冷却水です。工程に直接使う超純水とは役割が異なり、装置の熱交換器や冷却回路を循環します。

どの段階で行いますか?

工場側の熱交換設備で水温を整え、装置へ送って熱を回収します。戻り水を再び冷却し、循環系の水質と熱負荷を監視します。

何を管理しますか?

供給・戻り温度、流量、圧力、水質、漏れ、フィルターと熱交換器の状態です。Advantage Engineeringは、装置の熱負荷がレシピに合わせて上下する間も供給温度を狭い幅に保つことを、冷却能力より先に来る制御の問題としています。

  • RF電源── 前後の工程と仕組みを調べる
  • EES ── 前後の工程と仕組みを調べる
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    SEMI S23のPCW熱量・温度・流量semi.org ・ 2026年10月12日閲覧 ↩
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