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FOUP(フープ)とは

FOUP(Front Opening Unified Pod)とは、300mmウェハを密閉して運ぶ搬送容器です。 25枚を収め、前面の扉から出し入れします。工場全体を最高の清浄度にするかわりに、清浄にする範囲を容器の中と装置の内部へ絞るための道具です。外形はSEMI規格で共通でも、中の清浄度は容器の材料と、窒素パージや洗浄といった工場側の手入れで決まります。

清浄にする範囲を、容器の中と装置の内部へ絞る

Section titled “清浄にする範囲を、容器の中と装置の内部へ絞る”

ウェハは工場の中を何百回も移動し、装置を移るたびに外気へさらされれば、そのつどパーティクルが付きます。かといって工場全体を最高の清浄度にするのは、面積が大きいほど費用がかさみます。クリーンルームは汚染レベルを制御したIC製造用の空間で、天井から床へろ過した空気が一定の流れで降り、特に前工程で高い清浄度が要ります1。

FOUPはウェハを密閉した容器へ入れ、搬送中は外気から遮ります。装置の内部と容器の中だけを高い清浄度に保てば足りるので、工場全体の清浄度は一段緩められます。環境側と容器側で役割を分担する考え方です。信越ポリマーは自社のFOUP300EXについて、優れた密閉性で外部からのパーティクルや汚染を防ぐとしています2。

前面から開く構造にも理由があります。上面から開ける方式では、開けた瞬間に上から粒子が落ちます。前面の扉を装置側の扉と一緒に開閉すれば、開口部が装置の清浄な空間へ直接つながり、外気は遮られます。

装置メーカーが散らばっているので、寸法を規格で共通化する

Section titled “装置メーカーが散らばっているので、寸法を規格で共通化する”

成膜は1社、エッチングは別の1社、検査はまた別の1社という構成が普通で、装置メーカーは世界中に散らばっています。容器の寸法や構造が各社ばらばらなら、装置ごとに容器を積み替えることになります。そこでSEMI規格が寸法と構造を定めています。

RORZEのACE EFEMは3、対応キャリアとして25スロットの300mm FOUP(SEMI E47.1)と25スロットの300mm FOSB(SEMI M31)を挙げ、対応ウェハを直径300±0.2mm、厚さ775μmとしています。規格に沿っていれば、どのメーカーの装置のロードポートにも同じ容器が載ります。

SEMI規格が決めるのは受け渡しの形までで、中の清浄度は決めない

Section titled “SEMI規格が決めるのは受け渡しの形までで、中の清浄度は決めない”
ロードポートでの受け渡し
装置の内部SEMI E47.1SEMI E6225スロット前面の扉装置側の扉ロードポートN₂パージフィルタグロメットキネマチックピン
FOUPの前面の扉は装置側の扉と一緒に開き、開口部は装置の清浄な空間とつながります。窒素はフィルタを通ってグロメットから入ります。規格は容器側と装置側の受け渡しの形を決め、中の清浄度は決めません。

SEMI規格が共通化しているのは、寸法と受け渡し部の形です。SEMI E47.14の規定の対象はFOUPに対する物理的インタフェースで、材料への要求事項やパーティクルなどの汚染限度はこの仕様の範囲に含みません。

受け取る装置の側にはSEMI E62があり5、プロセス装置または測定装置とフロントオープニング・ボックスとのインタフェースについて、装置側の要求事項を規定します。容器の側をE47.1、受け取る装置の側をE62が担当し、1回の受け渡しを両側から書いた規格が対になっています。

どのプラスチックで成型するか、中の空気をどこまで清浄に保つかは、容器メーカーの設計と工場側の運用が受け持ちます。同じ25枚・同じ外形のFOUPでも、材料と手入れの差はそのまま中の清浄度の差になります。規格に沿っていることと、中が清浄であることは、別々の話です。

容器の作りの例として、信越ポリマーのFOUP300EXは、パーティクルの発生を防ぎ、寸法精度を維持するための単一成型品で2、主要パーツにESD材(静電気対策の材料)を使っています。同社は単一成型品であることが洗浄乾燥時間の短縮にもつながるとしています。継ぎ目や可動部が減るほど、擦れて粒子が生まれる箇所も減ります。樹脂の容器は帯電しやすく、帯電した面には粒子が付きます。

密閉すると、水分と吸着ガスは中に居座る

Section titled “密閉すると、水分と吸着ガスは中に居座る”

密閉すれば粒子の侵入は減ります。一方で、容器の内壁やシール材が吸い込んだ水分やガスは、密閉したまま中に居座ります。芝浦メカトロニクスは、微細化が進むなかで、ウェーハの出荷や工程間搬送でもパーティクルをウェーハに付着させないため、容器側のパーティクルや吸着ガス、水分などの残留物の除去が求められているとしています6。

そこでロードポートの側から窒素(N2)を流し、容器の中の空気を入れ替えます。シンフォニアテクノロジーの300mm FOUP対応ロードポート SELOP-8は7、キャリアベース上でのFOUP N2パージに対応し、フィルタをパージポート直前に配置してFOUPへのパーティクル侵入を防ぎ、FOUPの注入口にあるグロメットへノズルを圧着します7。流量計によるN2ガス流量の監視と、MFC(マスフローコントローラ)による流量の制御にも対応しており、流す窒素の量そのものが、計器で測る管理対象になっています。ノズルはキネマチックピンの載置位置との干渉を避けた配置で、N2パージに対応しないFOUPとの混在運用もできるとしています。

扉の開け閉めの振動も管理の対象です。同社は、SELOP-8がエアーと電動のハイブリッド動作機構でドア開閉時の振動を抑え、パーティクルパフォーマンスを大幅に向上させたとし7、最新の高気密性FOUPにも対応するとしています。

管理の範囲は容器の中の先へも広がり、同社はEFEM内のOx(酸素)/H2O(水分)をコントロールし、最先端プロセスのニーズに応えるモデル8を出しています。粒子を防ぐところから、酸素と水分の濃度まで、管理する相手が広がってきています。

何百回も回る容器は汚れの供給元になるので、扉まで外して洗う

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FOUPが工場を回る経路
OHTで搬送ロードポート・N₂装置で加工洗浄装置(FOC300)解体洗浄乾燥組立粒子95%以上AMC80%以上10Pa以下定期的に工程へ戻る
FOUPは搬送、窒素パージ、加工の環を何度も回り、定期的に洗浄装置で扉まで解体して洗い、10Pa以下の減圧で乾かしてから工程へ戻ります。

FOUPは工場の中を何百回も回り、回るうちに容器の側が汚れの供給元になります。芝浦メカトロニクスのFOSB / FOUP洗浄装置 FOC300 seriesは6、LOADからUNLOADまで、PODとDOORの解体、洗浄、乾燥、組立までを全自動で行います。扉を本体から外して洗うため、扉まわりに溜まった汚れも対象に入ります。

同社はこの装置の性能を、パーティクル除去率95%以上、アンモニア等の吸着ガス(AMC)除去率80%以上、スループット30個/hr(レシピによる)としています。除去率は自社の二流体ノズルによるもので、同社は従来比で5倍以上を達成したとしています6。乾燥では、真空チャンバーでランプヒーターを併用した10Pa以下の減圧処理を行い、効果的に水分を除去して湿度による悪影響を防ぐとしています。洗浄の出来ばえは、粒子と吸着ガスの2つの数字で測られます。

検査の機能も追加できます。廃水の液中パーティクル測定、ガス分析、湿度の検査、外観検査といった機能を加えられ、同社は、ウェーハを通じたパーティクル確認とは別にFOSBやFOUPだけで確認できるので、製品への性能影響を切り分けやすくなり、歩留まり向上に貢献するとしています6。ウェハに粒子が見つかったとき、容器の側に原因があるかを分けて調べられます。

天井のOHTが上からつかみ、ロードポートへまっすぐ降ろす

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工場の中でFOUPを運ぶのは、天井を走る搬送台車です。OHT(天井走行式無人搬送車)は9、天井に設置した軌道を走行し、ベルト駆動で上下するホイスト機構により、保管設備や製造装置のロードポートにダイレクトにアクセスする自動搬送装置です。村田機械は、OHTの用途が工程内の搬送から工程間や工場間の搬送まで広がっているとしています。同社は、FOUPの大量搬送にはユニットの組み合わせでレイアウトの自由度が高く、OHTやVertical Conveyorにも接続できるコンベアシステム9も出しています。

ホイストが上下してつり下ろす動き方に合わせて、FOUPの形が作られています。台車は容器を上からつかみ、ロードポートの受け面へまっすぐ降ろします。降りた先で前面の扉が装置側の扉と一緒に開き、25枚のウェハが1枚ずつ装置へ入ります。搬送から受け渡しまでが、AMHSの機械の側で完結します。

25枚は標準的な厚さが前提で、薄いウェハや反ったウェハでは13枚になる

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25枚仕様と13枚仕様
25枚仕様標準的な厚さ13枚仕様薄い・厚い・反ったウェハ
同じ外形の容器でも、標準的な厚さのウェハ向けは25枚、薄いウェハや厚いウェハ、反ったウェハ向けには13枚の仕様があります。

25枚という数字は、標準的な厚さのウェハを前提にした値です。EntegrisのA300 FOUP10は25枚仕様と13枚仕様のある製品群で、薄いウェハ向け、厚いウェハ・反ったウェハ向け、重いウェハ向けに、それぞれ13枚仕様や13枚/25枚仕様があります。収める対象が薄いウェハや反ったウェハになると、同じ外形の容器でも枚数の側が動きます。

工場の中を回るのがFOUP、工場の外を渡るのがFOSB

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FOSBは出荷用の容器で、ウェハメーカーからデバイスメーカーへ運びます。信越ポリマーのMW300GT11は300mmウェーハ用の自動化対応の工場間搬送容器で、最大25枚の300mmウェーハを輸送し、SEMI規格に準拠し、手動およびロードポートによるドア開閉ができます。密閉性が高く、外部からのパーティクルや汚染を防ぎます。

枚数も密閉の考え方もFOUPとよく似ていて、違いは経路です。ウェハメーカーからデバイスメーカーへ渡る容器は、いったん工場の自動搬送から離れ、輸送業者の手を経て相手の工場へ入ります。手動でのドア開閉に対応しているのは、この経路のためです。規格の番号もFOUPのSEMI E47.1に対してFOSBはSEMI M31で、別々です。芝浦メカトロニクスのFOC300もFOSBとFOUPの両方を洗浄の対象にしています。

FOUPとは何ですか?

300mmウェハを密閉して運ぶ搬送容器です。25スロットの300mm FOUPはSEMI E47.1、出荷用の25スロットの300mm FOSBはSEMI M31に沿います。

何枚入りますか?

25枚が標準です。対応ウェハは直径300±0.2mm、厚さ775μmで、薄いウェハや反ったウェハ向けには13枚仕様もあります。

なぜ密閉するのですか?

ウェハの周囲だけを清浄に保つためです。工場全体を最高の清浄度にするより、容器の中と装置の内部だけを清浄にするほうが費用が下がり、搬送中は外気から遮ります。

フロントオープンとはどういう意味ですか?

前面の扉から出し入れする構造です。上面から開ける方式では、開けた瞬間に上から粒子が落ちます。前面から開き、装置側の扉と一緒に開閉すれば、開口部が装置の清浄な空間とひと続きになります。

なぜ規格で決まっているのですか?

装置メーカーが世界中に散らばっているためです。SEMI規格で寸法と構造が共通化されているため、どの装置のロードポートにも同じ容器が載ります。

FOSBとは何ですか?

出荷用の容器で、規格はSEMI M31です。ウェハメーカーからデバイスメーカーへ運ぶ用途で、工場内を回るFOUPとは規格が別です。

SEMI規格は中の清浄度まで定めていますか?

定めていません。SEMI E47.1の規定の対象はFOUPに対する物理的インタフェースで、材料への要求事項やパーティクルなどの汚染限度は含みません。中をどこまで清浄に保つかは、容器メーカーの設計と工場側の運用が受け持ちます。

FOUPの中は窒素で満たしますか?

窒素を流す機能を持つロードポートがあります。シンフォニアテクノロジーのSELOP-8は、キャリアベース上でのFOUP N2パージに対応し、パージポートの直前にフィルタを置いてFOUPへのパーティクル侵入を防ぎ、流量計による流量の監視とMFCによる流量の制御にも対応します。

FOUPは洗いますか?

専用の洗浄装置があります。芝浦メカトロニクスのFOC300 seriesはPODとDOORの解体、洗浄、乾燥、組立までを全自動で行い、同社はパーティクル除去率95%以上、アンモニア等の吸着ガス(AMC)除去率80%以上、スループット30個/hr(レシピによる)としています。

FOUPは誰が運びますか?

天井を走る搬送台車です。OHTは天井に設置した軌道を走行し、ベルト駆動で上下するホイスト機構で、保管設備や製造装置のロードポートにダイレクトにアクセスする自動搬送装置です。大量搬送にはコンベアも使います。

25枚以外の仕様もありますか?

あります。EntegrisのA300 FOUPには25枚仕様と13枚仕様があり、薄いウェハ向け、厚いウェハ・反ったウェハ向けに13枚仕様があります。25枚は標準的な厚さのウェハを前提にした値です。

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