メタルゲートALD、AMATは工程連結で差ASMとTELは同種の反応室を最大4室
メタルゲートとは、ゲート絶縁膜の外側に積み、しきい値電圧を決める金属層を指す。Applied Materials(AMAT)のEndura Trillium ALDは、この層の複数の金属成膜工程を1台にまとめ、高真空を保ったままナノシートのすき間に積む1装置だ。競合もメタルゲート向けのALD装置を持つ。各社の製品ページによれば、ASMは、CMOSのゲートスタック向けに金属と絶縁膜を積むXP4 EmerALDを最大4室2、high-k膜を積むXP4 Pulsarを最大4室3まで1台に載せる。東京エレクトロン(TEL)のTriase+ EX-II TiNも4、メタルゲートを用途に挙げ、最大4室を束ねる。構成には違いがあり、ASMとTELが示すのは同じ種類の反応室を並べる構成で、Trilliumは複数の金属成膜工程をつなぐ構成だ。
AMATがTrilliumの差として挙げるのは3点だ。1つ目は、高真空を保つEnduraの上で複数の金属成膜をつなぐこと。2つ目は、GAAの狭いすき間に合わせて、より薄い仕事関数金属と、体積をほとんど取らないダイポール材料に対応させたこと。3つ目は、非破壊のX線分析でゲート金属の組成を確かめる計測システムと組み合わせたことだ。Lam Researchが製品ページで金属ALDとして掲げるALTUSの用途は、WとMoのコンタクトやビアだ。
メタルゲートは、high-k膜の上に、しきい値電圧を動かす層と金属を重ねる
Section titled “メタルゲートは、high-k膜の上に、しきい値電圧を動かす層と金属を重ねる”GAAのゲートは、ナノシートを囲む絶縁膜と、その外側の金属層からなる。AMATの講演原稿によれば、絶縁膜には酸化ハフニウムを使い、同社のCentura DPN HDで窒素を入れてから熱処理で結合を強める5。その外側に、しきい値電圧を決める仕事関数金属を積み、最後に抵抗の低い金属で埋める。AIアクセラレーター向けには低いしきい値電圧、スマートフォン向けには高いしきい値電圧を選び、その作り分けを金属の構成で行う。GAAでこの膜が約10 nmのすき間に入る事情はAMATのGAA向け成膜装置で説明した。
すき間が狭いほど、厚さを足さずにしきい値電圧を動かす方法が要る。その1つがダイポール層で、high-k膜の界面に置いた薄い層がしきい値電圧をずらす。imecの研究者らは2024年のVLSIシンポジウムで、ゲート長16 nmのGAAナノシートnFETに希土類酸化物のダイポールを入れ、約50 mV刻みでしきい値電圧を調整し、ばらつきと性能を保った6と報告した。AMATも、Trilliumの新機能に体積をほとんど取らないダイポール材料への対応を挙げている。
ASMはhigh-k膜とキャップ層、TELはTiNの反応室を、それぞれ最大4室まで束ねる
Section titled “ASMはhigh-k膜とキャップ層、TELはTiNの反応室を、それぞれ最大4室まで束ねる”ASMのXP4 Pulsarは、ハフニウム系high-k膜への切り替えを支えた反応室で3、FinFETのような3D構造でも使われている。同社は用途に、high-kのゲート絶縁膜に加えて、メタルゲートの仕事関数を調整するhigh-kキャップ層3を挙げる。固体の原料を気化して送る仕組みを持ち、ASMは固体原料が液体原料より膜の特性で勝るとする。XP4 EmerALDは、シャワーヘッドで原料ガスを均一に送り、反応室の容積を小さくしてALDの処理を速くする2設計で、用途にメタルゲートの層を挙げる。
TELのTriase+ EX-II TiNは、ASFDと呼ぶ低温の逐次供給法でTiN膜を高い段差被覆で積む枚葉装置だ4。用途はコンタクトのバリア、キャパシター電極、ワード線のバリア、メタルゲートで、上位機のEX-II TiN Plusは複雑な構造の上での膜の均一さを売りにする。TELがメタルゲート向けに挙げる膜はTiNだ。
AMATの差は真空、薄膜化、計測の組み合わせにある
Section titled “AMATの差は真空、薄膜化、計測の組み合わせにある”AMATは、Enduraがクリーンルームの大気中の不純物からウェーハを守る極めて高い真空1を保つことを、ナノシートの間に複数の材料を積むうえで欠かせない点に挙げる。真空のまま工程をつなぐ考え方は、同社がコンタクトでも採っている。その例はコンタクト抵抗と真空一貫処理にある。
実績について、AMATは次のように述べる。Trilliumは複数世代のFinFETでメタルゲート成膜の基準になってきた1装置で、2 nm以下のGAAでも大手ロジックメーカーが採用を始めたという。講演では、Trilliumを非破壊のX線分析でゲート金属の組成と均一さを確かめる計測システムと組み合わせ、成膜と測定の間で即時にフィードバックする5と説明した。AMATは同じ講演で、GAAトランジスタの材料工学で業界の投資の約50%を取る1位にあると述べている。
ASMも統合を打ち出す。同社は2025年9月のInvestor Dayで、ALDで首位のシェアを保ち、最初の世代のGAAで3 nm FinFETより対象市場が4億ドル増えた7と述べた。同じ場で、反応室を束ねて工程をつなぐAI/ML対応のプラットフォームと、複数のしきい値電圧(multi-Vt)や選択ALDの技術を紹介するとした。AMATとASMは、ともにゲートの層の作り分けと工程の統合を売りにしている。
Lamが金属ALDの用途に挙げるのは、WとMoのコンタクトとビアだ
Section titled “Lamが金属ALDの用途に挙げるのは、WとMoのコンタクトとビアだ”Lam Researchが製品ページで挙げるALD装置は、Wの配線と接続部の金属膜を積むALTUSと、絶縁膜を積むStrikerだ8。ALTUSはMoのALDにも対応し、4つの処理ステーションを1つのモジュールに持つ9。LamとAMATがMoのALDで競う場はロジックのコンタクトで、両社の主張はMo ALDのAppliedとLamで比べた。GAAへの移行で各社の成膜の対象市場がどれだけ増えるかは、GAA移行の装置需要にまとめている。
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- 1Applied Materials:GAA向け成膜装置Precision Selective Nitride PECVDとTrillium ALDの発表(2026年4月)ir.appliedmaterials.com abc
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- 5Applied Materials:Logic Master Class講演原稿、ゲート絶縁膜とメタルゲートの成膜(2026年4月)appliedmaterials.acquiadam.com ab
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- 7ASM:Investor Day、ALDのシェアとGAAでの対象市場の増加(2025年9月)globenewswire.com ↩
- 8Lam Research:成膜の工程と製品、ALTUSとStriker(2026年10月閲覧)lamresearch.com ↩
- 9Lam Research:ALTUS製品群、W・MoのALDとCVD(2026年10月閲覧)lamresearch.com ↩