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800V DC変換器、GaNよりMOSFETが多い|MOSFETは8個、Renesas白書

Renesasが800V DC向けに示した基本ブロックでは、GaNは部品の一部にすぎない。2025年10月の白書にある3kW・400V入力・48V出力のLLC DCXには、自社のGaN FETが2個、80VのMOSFETが8個、ゲートドライバが4個、MCUと補助電源のICが1個ずつ1入る。白書が型番を挙げたRenesas製の部品は1ブロックで16個だ。4つのブロックがそれぞれMCUと補助電源ICを1個ずつ持つと仮定して計算すると、12kWの変換器では64個になり、そのうちGaNは8個だ。

Renesasが売り込んでいるのは、GaN単体ではなく、GaNとドライバ、MCU、補助電源用コントローラの組だ2。ただし、自社の素子とICで800V基板を組む例はSTMicroelectronicsにもある。Renesasは2026年9月の発表で、新しいGaN FETを大手のAIデータセンター向けOEM・ODMにサンプル出荷中とし2、量産を2027年半ばに置いた。

基本ブロックの部品は、一次側のGaNより二次側のMOSFETのほうが多い

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基本ブロックの部品表とは、変換器1台を組むのに要る部品の一覧を指す。白書が名前を挙げたRenesasの部品は5種類ある。一次側には650V・30 mΩのGaN FET TP65H030G4PRS3を2個使う。二次側は2相の全波同期整流で、1相あたり80V・2.4 mΩのMOSFET RBE024N08R1SZN64を4個ずつ、計8個使う。白書の時点では開発中の部品とされ、いまは製品ページで供給中(Active)の製品になっている。

3kW・400V-48V LLC DCX 1ブロックのRenesas製部品を1個1つの四角で並べた図。650V GaN FETが2個、80V MOSFETが8個、100Vゲートドライバが4個、MCUが1個、補助電源のフライバックICが1個。
Renesasの3kWブロックで、GaNは自社部品16個のうち2個で、最も多いのは二次側の80V MOSFETの8個

残りの3種類はICだ。二次側のMOSFETは100VのハーフブリッジドライバHIP221154個で駆動する。制御は汎用MCUのRA6T26が受け持ち、一次側と二次側のPWM信号、保護と異常処理をまとめて行う。補助電源には700VのMOSFETを内蔵したフライバックIC iW18257を使う。

16個は白書が型番を挙げたRenesas製の部品で、ほかに一次側を駆動する絶縁型のゲートドライバと、協力先のPayton Groupと共同で開発したマトリクストランスが要る。GaNが一次側に入る理由と、サイドカーラックでのもう1か所のGaNは、800V DCラックでGaNが入る2か所で扱った。

開ループ制御なので、汎用MCUで足りる

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LLC DCXは出力電圧を調整しない。白書によれば、決めた周波数で開ループのまま動かし、保護のための遅い監視だけを行うので、高速のA/D変換も周期ごとの帰還制御も要らない。そのため、モーター制御向けの汎用MCUで制御を組める。白書は、この方式を足がかりに800V DC向けの専用デジタル電源コントローラを定義する機会も生まれうると書いている。

2026年9月の参照設計では、MCUをRA6T3に替え、650V・20 mΩの新しいGaN FETで800V・48V出力の6kW版を組んだ。発表は、GaNを自社の補助電源用コントローラ、ゲートドライバ、MCUと組み合わせることで2、800Vへ移るOEM、ODM、ハイパースケーラーが1社で部品をそろえられると説明する。

800Vの段は、Renesasがいま売っている48V以下の段の上流に加わる

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Renesasは白書で、中間バス変換器(IBC)とコア電源を何世代も供給してきた1と述べる。48Vを12Vへ降ろすIBCと、GPUのコア電圧を作る多相の電源がそれにあたる。800Vを48Vへ降ろす16:1の段は、その上流に新しく加わる段だ。48Vを残す構成なら、下流のIBCとコア電源はそのまま使える。この構成全体は800V DC化で48V母線は残るのかにまとめた。

柴田英利CEOは2026年第2四半期の決算説明会で、データセンター事業の2つの成長源はデジタル電源とメモリーインターフェースだ8と述べ、電源ではASICの顧客数社とGPUの顧客がいると説明した。この記事は、このデジタル電源にIBCやコア電源のような48V以下の段が含まれると読んでいる。参考として、データセンターを含む産業・インフラ・IoT事業全体の売上は、同じ四半期に2,163億円(Non-GAAP)で前年同期比40%増だった9。説明会では、この事業が伸びた要因に中国の需要の強さも挙がった。

STMicroelectronicsとInfineonも、800V向けに自社の素子とICを組み合わせて示している

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NVIDIAは800V DCの協業先として、Renesasを含む10社の半導体メーカー10を挙げている。その中でSTMicroelectronicsは、2025年6月に示した800V・12kWの基板を自社の部品で組んだ。一次側に650VのGaNと絶縁ゲートドライバ、二次側に100VのGaNとSTM32G4のMCU11、ホットスワップ保護に1,200VのSiCを使う。STによれば、NVIDIAは2025年10月にこの基板を検証し、量産に向けた試験へ進めた。

Infineonも2026年5月、800Vを50V、12V、6Vへ変換する電源を、1 MHz近くで動くGaNと、保護用のSiC JFETと制御IC12で組むと発表した。Infineonはパワー半導体の世界シェアで首位の会社だ。時期の面では、NVIDIAは800V DCの本格量産をKyberラックの2027年に合わせ、Renesasは新しいGaN FETの量産を2027年半ばに予定している。各社の事業は企業研究:ルネサス エレクトロニクスなどにまとめている。

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