ハイブリッドボンディングを選ぶ2条件ウェーハ接合は両側の良品率が掛け算
銅パッドどうしと絶縁膜どうしを直接貼り合わせるhybrid bondingという方式は、各社の資料を並べると、2つの条件でmicrobumpより向く。1つは、はんだ接合では届かない細かい接続が要るときだ。はんだの限界をAdeiaは20〜35 µm、imecは10〜5 µmとみる一方、hybrid bondingは2 µm以下を実証している。もう1つは、接合によって製造工程を2枚のウェーハに分けられるときで、Kioxiaの3D NANDがこれにあたる。
一方、ウェーハどうしを貼る方式では両側の良品率が掛け算で効き、microbumpも量産から消えていない。Intelは36 µmのmicrobumpを使う2.5D実装を2019年から量産し、Samsungもmicrobump方式の3D積層を量産対応としている。どの会社のどの製品でhybrid bondingが量産されているかは、産業工程の地図にまとめた。
はんだ接合の限界は5〜35 µmとされ、それより細かい接続はhybrid bondingが受け持つ
Section titled “はんだ接合の限界は5〜35 µmとされ、それより細かい接続はhybrid bondingが受け持つ”接合技術のライセンス会社Adeiaは、従来のmicrobumpの限界を20〜35 µmとし、hybrid bondingは1 µm未満まで詰められる1と書く。imecのEric Beyne氏は、はんだを使うダイ・ウェーハ接合が10〜5 µmのバンプpitchで頭打ちになるとみる2。imec自身は、hybrid bondingのダイ・ウェーハ接合で2 µm pitchを2024年に実証した。ウェーハどうしでは2023年に400 nm3、2026年5月にEVGと200 nm4に届いている。
製品でも、この差が密度の差として出ている。IntelのFoveros Direct 3D第1世代は9 µmで5、AMDは3D V-Cacheについて、AMDのmicrobump 3D積層に比べ接続密度が15倍超、配線のエネルギー効率が3倍超と6、AMDの社内データで示す。
3D NANDでは、接合で工程を2枚のウェーハに分けたことが利点になった
Section titled “3D NANDでは、接合で工程を2枚のウェーハに分けたことが利点になった”Kioxiaの3D NANDは、接続の細かさと違う理由で接合を選んだ例だ。Kioxiaは162層の第6世代まで、先に作ったCMOS回路の上に記憶セルを作り、セルの信頼性を上げる高温アニールをかけていた。Kioxiaによれば、この熱がCMOSのトランジスタ特性を落とすため、セルの工程に温度の制約がかかっていた7。
第8世代(218層)のCBA技術では、CMOS回路とセルを別々のウェーハで作って貼り合わせ、高温の工程をセル側だけにかける。2種類のウェーハを並行して作るので、製造期間も従来の方法より短い。Kioxiaは、CBAを採用した第8世代が前世代に比べて容量密度で50%、書き込み性能で20%高いとしている7。この差には、層数の増加を含む世代全体の変更が含まれる。Kioxiaが挙げるCBAの利点は、CMOS回路とセルのウェーハをそれぞれ最適な条件で作れることだ。
ウェーハどうしを貼ると、両側の良品率が掛け算で効く
Section titled “ウェーハどうしを貼ると、両側の良品率が掛け算で効く”ウェーハどうしを貼る方式では、片方のウェーハの不良ダイも、もう片方の良品ダイと一緒に積まれる。imecは、ダイをウェーハに置く方式の利点を、良品と確認したダイだけを積めるので複合歩留まりが上がり、大きさの違うダイも積める2ことだと説明する。
良品率を仮に95%とすると、ウェーハどうしを貼った積層の良品率は試算で最大約90%になる。80%どうしなら最大64%だ。imecの説明とこの試算を合わせると、ウェーハ接合に向くのは、上下のダイを同じ大きさで設計でき、それぞれの良品率を高く保てる製品になる。ダイ・ウェーハ接合では、Adeiaがアニール前に不良ダイを外して載せ替える工程1を提案し、載せ替えた構造の電気歩留まりを約95〜100%としている。W2WとD2Wで損失の出方がどう変わるかは、歩留まりと信頼性の記事で比べている。
microbumpは、2.5D実装とSamsungの3D Cube-Tで量産が続いている
Section titled “microbumpは、2.5D実装とSamsungの3D Cube-Tで量産が続いている”Intelの技術資料では、ダイを横に並べるFoveros 2.5Dのmicrobumpが36 µm pitchだ8。Intelは、能動ベースダイを使うFoveros-S 2.5Dを2019年から量産している9。3D積層では、Samsungが、TSVと熱圧着接合を使うmicrobump方式の3D Cube-Tを、HBMとCMOSイメージセンサーで実績があり量産に対応できる10方式としている。同じページで、Samsungはhybrid Cu bondingの3D Cube-Hを6 µm未満で開発中とする。
この比較からは、microbumpの密度と工程で足りる積層ではmicrobumpが使われ続け、それより細かい接続か工程の分離が要るときにhybrid bondingが選ばれていると読める。各社の量産の段階は、TSMC・Intel・Samsungの量産状況で比べている。
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- 1Adeia:再作業できるダイ・ウェーハhybrid bonding工程とmicrobumpの限界(ECTC配布資料)marketing.adeia.com ab
- 2imec:ダイ・ウェーハ接合の2 µm pitchと良品ダイの選別(2024年5月)imec-int.com ab
- 3imec:ウェーハ接合の400 nm pitch(2024年2月)imec-int.com ↩
- 4imec・EVG:ウェーハ接合の200 nm pitch(2026年5月)imec-int.com ↩
- 5
- 6AMD:3D V-Cacheの接続密度とエネルギー効率amd.com ↩
- 7
- 8Intel:Foveros Direct 3Dの技術資料(2025年11月)intel.com ↩
- 9Intel:先端パッケージの量産開始年intel.com ↩
- 10Samsung:Advanced Heterogeneous Integration(3D Cube-T・Cube-H)semiconductor.samsung.com ↩