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後工程露光装置の境目は2 µm未満の配線|HBMのRDLは1.5 µm機の範囲

Nikonの後工程向け露光装置は、解像1.0 µm L/SのDSP-100と、2027年度に発売予定の1.5 µm L/Sの開発機の2機種になる。解像のL/Sとは、装置が描ける線幅と間隔の最小値を指す。この値を各社が資料に載せている配線ルールと比べると、2機種の境目は2 µmを切る配線を描くかどうかにある。HBMをつなぐRDL(再配線層)に要る2/2 µmや、TSMCの比較資料にあるフリップチップMCMの10/10 µmは1.5 µmより太い。1.0 µm機の解像が要るのは、レゾナックの1/1 µmやAmkorの2/1 µmのような、線幅か間隔が2 µmを切る配線だ。TSMCが同じ資料に載せたInFO_LSIのシリコンブリッジの0.4/0.4 µmは、どちらの機種の解像値よりも細い。

Nikonは、大型インターポーザやFC-BGA基板の配線に要る解像は顧客の工程によって違うと説明している。以下の機種と配線の対応は、解像値と各社の配線ルールを並べたこの記事の比較による。DSP-100の仕様と、Nikonが掲げる「9倍」の意味はDSP-100の解説にまとめた。

Nikonは、配線の要求が多様なため、1.5 µm用の光学系で処理能力を上げ、交換で1.0 µmにも対応させる

Section titled “Nikonは、配線の要求が多様なため、1.5 µm用の光学系で処理能力を上げ、交換で1.0 µmにも対応させる”

Nikonは2026年6月5日の発表で1、解像1.5 µm L/Sの露光装置を開発中とし、2027年度に発売する予定とした。背景として、大型インターポーザやFC-BGA基板の配線の要求が顧客の工程によって多様になり、要る解像が用途ごとに違うことを挙げた。Nikonは、1.5 µmに合わせた光学系を載せることで、処理能力を上げながら、より幅広い工程の要求に応えるとしている。目標は510×515 mm基板で毎時65枚以上で、DSP-100の毎時50枚から30%以上の向上を狙う。光学系を交換すればDSP-100と同じ1.0 µm L/Sにも対応し、Nikonは将来の工程の要求に合わせて長く使えると説明している。

Nikonの技術紹介記事では2、同社の製品戦略の担当者が、先端パッケージでは基板の寸法やパッケージの構造の標準がまだ決まっておらず、DSP-100に求める仕様が顧客ごとに大きく違うと述べている。

配線ルールは、フリップチップMCMの10/10 µmからRDLの2/2 µm、シリコンブリッジの0.4/0.4 µmまで分かれる

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パッケージの配線ルールは、構造によって1桁以上違う。TSMCが2021年のHot Chipsで示した資料は3、フリップチップMCMとInFO_SoWを比べ、線幅と間隔をそれぞれ10/10 µmと5/5 µmとしている。チップどうしをつなぐInFO_oSのRDLは2/2 µmで、TSMCはInFOの技術ページ4でもInFO_oSを2/2 µmのRDLを持つ技術として紹介している。同じ資料で、シリコンブリッジ(LSI)を埋め込むInFO_LSIの配線は0.4/0.4 µmだ。InFO_oSとInFO_SoWは、ウェーハ上に配線を作るウェーハレベルの工程で、パネルを露光するNikonの装置とは基板の形が違う。

HBMとロジックをつなぐRDLも2/2 µmにある。レゾナックとRapidusの技術者によるIEEE EPSのレビューは5、HBMを使う用途は2/2 µmの配線ルールを必要とし、材料各社は2/2 µm未満を狙う材料を開発していると書く。同じレビューによれば、レゾナックはダマシン法で1/1 µm、パネル寸法のセミアディティブ法で2/2 µmのRDLを報告し、Amkorは線幅2 µm・間隔1 µmの4層のRDLを報告した。

線幅と間隔の最小寸法を対数目盛の横軸に並べた図。丸は配線ルールで、10/10 µmのフリップチップMCM、5/5 µmのInFO_SoW、2/2 µmのInFO_oSとHBM用RDL、1/1 µmと2/1 µmのレゾナックとAmkorのRDL、0.4/0.4 µmのInFO_LSI。三角は露光装置の解像で、Nikon開発機の1.5 µm、Nikon DSP-100とキヤノンFPA-8000iWの1.0 µm、キヤノンFPA-5520iV LF2の0.8 µm。
2/2 µmより太い配線ルールは1.5 µmより太く、1/1 µmと2/1 µmの配線は1.0 µm機の解像値に重なる。InFO_LSIの0.4/0.4 µmは両機の解像値より細い。横軸は線幅か間隔の小さいほうで、対数目盛。

解像値で並べると、2/2 µmまでは1.5 µm機、2 µm未満は1.0 µm機の範囲に入る

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解像値と配線ルールを比べると、2/2 µmのRDLは1.5 µm機の解像値より0.5 µm太く、5/5 µmや10/10 µmの配線にはさらに余裕がある。1/1 µmの配線と、2/1 µmの配線の1 µmの間隔は、1.5 µm機の解像値より細く、1.0 µm機の解像値と同じになる。InFO_LSIの0.4/0.4 µmは、1.0 µm機の解像値よりも細い。この比較は線幅と間隔だけを並べたもので、重ね合わせや焦点深度は含まない。パッケージの配線構造の全体像は先端パッケージングの解説に、RDLの用語はRDLの用語解説にある。

処理能力の差は、510×515 mm基板で毎時50枚と65枚以上の差だ。1.5 µm機は毎時65枚以上を目標にしているので、2/2 µmより太い配線の層を、同じ基板で1.3倍以上の速さで露光することを狙う機種になる(Nikonの目標値から計算)。レビューが書くように材料各社が2/2 µm未満を狙っているので、配線ルールが細くなれば1.5 µm機は解像の余裕を失う。

他社の後工程露光装置も、解像1 µm前後に並ぶ

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マスクを使う露光装置にも、解像1 µm前後の機種がある。キヤノンのFPA-8000iWは6、515×510 mmのパネルに対応するi線ステッパーで、解像1.0 µm以下、1回の露光範囲は52×68 mmだ。キヤノンのFPA-5520iV LF2オプション7は後工程向けのi線ステッパーで、再構成基板に対応し、解像0.8 µm、52×68 mmの露光範囲を4回つないで100×100 mmに広げる。

マスクを使わない装置では、Applied MaterialsとUshioが2023年12月にデジタル露光装置の提携を発表した8。両社は、この装置で2 µm未満の線幅を描けるとし、量産機を複数の顧客へ出荷済みで、1 µmとそれより細い線幅へ進めると発表した。SCREENのDW-3100は1 µm未満の解像を掲げる。マスクを使う方式と使わない方式の得失は、マスクレス露光の代償の記事で扱った。

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