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ToFセンサとは

ToFセンサとは、光を対象物へ当て、反射して戻るまでの飛行時間から距離を測るセンサです。 ToFはTime of Flight(飛行時間)の略で、明るさや色の代わりに時間を測ることで、対象物までの距離をそのまま数値として得ます。3m先が20ナノ秒にあたるので、測れる距離と精度を決めるのは、弱い反射光を拾う受光素子と、ナノ秒より細かく時間を刻む回路です。

ふつうのカメラが記録するのは明るさと色ですが、ToFセンサが記録するのは時間です。この違いのために、必要な受光素子も、その先で時間を数える回路も異なってきます。

20ナノ秒が3m、10cmを分けるには0.67ナノ秒を数える

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距離と時間の対応
センサ対象物片道 約3 m時間遅れ時間 20ナノ秒10 cm先で+0.67ナノ秒発光受光
約3m先の対象物から光が戻るまでが20ナノ秒です。対象物が10cm遠ければ、受光はさらに0.67ナノ秒遅れます。

ToFセンサの土台にあるのは、光の速さが決まった値だという事実です。パルス投光したレーザー光が対象物の表面で反射して受光するまでの遅れ時間をTT、光の速さを約30万km/秒のCCとすると、往復の距離はC×TC\times Tで求まります1。片道の距離はその半分です。遅れ時間が20ナノ秒なら往復距離は約6mで、センサから対象物までは約3mです。発光源にはレーザーのほかLEDも使われます。

ToFセンサが半導体技術を必要とする理由は、この時間の短さにあります。3m先という日常的な距離が20ナノ秒に対応するので、光の速さから計算すると、片道で10cmを区別するには往復20cmぶん、およそ0.67ナノ秒の時間差を数える必要があります。この短さの時間を測る回路と、わずかな反射光を受ける素子を同じチップの上へ載せる作り方が採られます。

dToFは時間の差を数え、iToFは位相のずれを測る

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dToFとiToFが測る量
dToFiToF時間差発光受光位相差発光受光屋内外の長距離近〜中距離で高解像度
dToFは発光から受光までの時間差を数え、屋内外の長距離に向きます。iToFは発光と受光の波の位相差を測り、近距離から中距離で高解像度が要る用途に向きます。

ToF方式は2種類に分類できます2。ひとつはDirect ToF方式(dToF)で、光源を出た光が対象物で跳ね返って戻り、それを受光するまでにかかった時間の差を、そのまま数えます。dToFの画素にはSPAD(Single Photon Avalanche Diode)を使います。入ってきた光子が1つでも、雪崩のように電子が増えるアバランシェ増倍という現象が起きる画素構造なので、ソニーセミコンダクタソリューションズは、弱い光でも受光でき、遠くの対象物まで測れるとしています。

もうひとつはIndirect ToF方式(iToF)です。反射して戻った光が画素ごとに生む電荷をためておき、発光したときの波と比べてどれだけずれたか、つまり位相差を測ることで距離を求めます。同社は、従来のCMOSイメージセンサーの構造を活かせるため、対象物の三次元情報を高解像度で取得できるとしています。使い分けについても同社は、近距離から中距離で高解像度が要る用途にはiToF方式が、屋内外を長距離で使う用途にはSPAD ToF方式が適するとしています2。片方は時間そのものを数え、もう片方は波の位相のずれを測るこの差が、得意な距離と解像度の差として表れます。

SPAD側は画素を大きく、iToF側は小さくして数を稼ぐ

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ソニーセミコンダクタソリューションズの産業用ToF製品では3、SPAD ToF方式の有効画素が約10万SPAD画素、画素サイズが10.08µm角です。iToF方式は約30万画素で、画素サイズは10µm角と5µm角の2つです。想定する光源の波長には、850nm、905nm、940nmが並びます。SPAD側は画素を大きく取り、iToF側は画素を小さくして数を稼ぐという方向性の差が、数値にも表れています。

同じ製品群で、同社はサンプリング数を増やすと精度が上がる一方、最大フレームレートは下がるとしています3。

車載向けのIMX479は、SPAD画素ごとの処理で5cm間隔を出す

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IMX479の画素のまとめ方
SPAD画素dToF画素1つ(水平3×垂直3)各SPAD画素のデータを個別に処理距離分解能 5 cm間隔
IMX479は水平3×垂直3のSPAD画素で1つのdToF画素を作り、各SPAD画素のデータを個別に処理して距離を出します。ソニーセミコンダクタソリューションズは、これで距離分解能を5cm間隔まで上げたとしています。

同社は2025年6月10日に、車載LiDAR向けの積層型dToF方式SPAD距離センサーIMX479を商品化すると発表しました4。水平3×垂直3を最小の単位としてSPAD画素をまとめ、この一組で1つのdToF画素を構成します。画素サイズは10µm角で、520dToF画素の解像度と20fpsのフレームレートを両立するとしています。距離の分解能を上げるために開発した独自回路が、各SPAD画素のデータを個別に処理して距離を算出し、LiDARの距離分解能を5cm間隔まで高めた4と同社は説明しています。

光子検出効率は37%で、最長300m先の対象物も検出可能だとしています。垂直方向の角度分解能は0.05度相当で、250m先にある高さ25cmの物体も立体物として検知できるとしており4、想定しているのは道路上に落ちたタイヤのようなものです。量産出荷は2025年秋の予定で、サンプル価格は35,000円(税込)です。

SPADのような受光素子と、ナノ秒を数える回路と、それらを1チップにまとめる積層構造という半導体側の進歩が、そのまま測れる距離と精度に反映されます。

工場や物流、介護では、色や形が違っても距離で測れる

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北陽電機はTOFを、パルス発光したレーザが対象物に当たって戻るまでの時間を計測して距離に換算する測定方式とし5、対象物の表面状態の影響に強く安定した検出が可能だとしています。距離センサーの活用は、幅や長さの測定、衝突防止、位置制御です。色や形が異なっても距離という同じ物差しで測れる点が、搬送ラインでの物体検出や位置決めに向く理由です。

キーエンスは、TOF方式が長距離検出に向くため、作業者の動線やロボットの軌道から離れた場所にセンサを設置できるとしています1。加工位置から離して置けば、加工油や薬品の飛散でレンズが汚れて誤検出するのも防げるとしています。同社のTOFレーザセンサの検出範囲は0.06〜5mで、専用に起こしたICが約8GHzという速さでサンプリングし、集まった大量のデータをならすため、反射光が返りにくい色や素材でも安定して検出できるとしています。

ソニーセミコンダクタソリューションズは、ToF方式距離画像センサーがXY方向の画像に加えてZ方向の情報も取得し、三次元空間のセンシングができるとしています。体積や立体形状にもとづく検査や、モノの重なりの区別に向きます。用途には、パレットや荷物の位置・サイズ・充填率の計測、AGV(無人搬送機)やAMR(自律搬送ロボット)、ラストワンマイルロボットの衝突検知と外界の認識、店舗や空港での人の認識を挙げています。介護施設では、三次元情報を使えばRGB画像を使わずに人物の存在や姿勢を検知でき2、転倒防止や事故の早期発見につながるとしています。

ToFセンサとは何ですか?

ToF(Time of Flight、飛行時間)センサは、光を対象物へ当て、反射して戻るまでの時間から距離を測るセンサです。投光から受光までの遅れ時間に光の速さを掛けると往復の距離が求まり、その半分が片道の距離です。

ToFセンサはどのくらい短い時間を測っていますか?

遅れ時間が20ナノ秒のとき、往復距離は約6m、片道は約3mです。光の速さから計算すると、片道10cmの違いは約0.67ナノ秒の時間差にあたります。

dToFとiToFの違いは何ですか?

測っている量が異なります。dToFは光が戻るまでの時間の差をそのまま数え、iToFは反射光が画素ごとに生む電荷をためて発光との位相差から距離を求めます。ソニーセミコンダクタソリューションズは、長距離にはdToF、近距離から中距離の高解像度にはiToFが適するとしています。

SPADとは何ですか?

SPAD(Single Photon Avalanche Diode)は、光子が1つ入るだけで雪崩のように電子が増えるアバランシェ増倍を使った画素構造です。ソニーセミコンダクタソリューションズは、この構造により弱い光でも検出でき、遠距離の対象物を測れるとしています。

ToFセンサはどこまで遠くを測れますか?

製品と用途で幅があります。ソニーセミコンダクタソリューションズは車載LiDAR向けのIMX479で最長300m先の対象物も検出可能だとしており、キーエンスは同社のTOFレーザセンサの検出範囲を0.06〜5mとしています。

ToFセンサはどこで使われますか?

ソニーセミコンダクタソリューションズは、荷物の位置やサイズの計測、AGVやAMRの衝突検知、介護施設での見守りなどを挙げています。北陽電機は、幅や長さの測定、衝突防止、位置制御を挙げています。

ToFセンサと普通のカメラ用イメージセンサは何が異なりますか?

記録する量が異なります。ソニーセミコンダクタソリューションズは、ToF方式距離画像センサーがXY方向の画像に加えてZ方向の情報も取得し、三次元空間のセンシングが可能だとしています。

  • MEMSマイクとは── 光の往復時間を測るToFに対し、MEMSマイクは音の圧力で動く膜の変位を測ります
  • CMOSイメージセンサとは── どちらも受けた光を電気にしますが、記録する量は、CMOSイメージセンサが明るさと色、ToFセンサが光の往復時間です
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