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はんだ接合部の熱機械疲労とは

はんだ接合部の熱機械疲労(Solder Joint Thermomechanical Fatigue)とは、温度変化を繰り返すことで、はんだ接合部に変形が蓄積し、亀裂が進む劣化です。 パッケージと基板の熱膨張の違いが、接合へ繰返し負荷を与えます。一度の加熱で壊れなくても、繰返しで接合が劣化します。寿命を決めるのは1サイクルでどれだけはんだを塑性変形させるかで、温度差だけでなく保持時間、接合の形、材料の硬さもそこへ効きます。

伸縮差がはんだをせん断し、塑性変形とクリープの繰返しで亀裂が育つ

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せん断変形の仕組み
温度変化の前パッケージはんだ基板温度変化の後亀裂伸縮差せん断変形
温度が変わるとパッケージと基板の伸縮量がずれ、その差をはんだがせん断変形で受けます。この変形が繰り返されると、負荷が集中する場所から亀裂が成長します。

基板とパッケージが異なる量だけ伸縮すると、はんだへせん断と変形が加わります。塑性変形やクリープが繰り返され、負荷が集中する場所から亀裂が成長します。1

伸縮量の違いを生むのは熱膨張係数の差です。アンダーフィルは荷重の分担を変えますが、樹脂の硬さと熱特性によっては、別の界面へ応力を移す場合もあります。温度の範囲、変化速度、保持時間が変われば、1サイクルではんだが受ける負荷も変わります。試験の回数だけで、異なる条件の寿命を直接比較しません。

寿命は、1サイクルのひずみ幅かひずみエネルギーで読む

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応力とひずみのヒステリシス
応力ひずみ面積=ひずみエネルギー密度Morrow則・Darveaux・SRS非弾性ひずみ幅Coffin-Manson則
1回の温度サイクルで、はんだの応力とひずみはループを描きます。ループの幅はCoffin-Manson則に入る非弾性ひずみ幅で、面積はMorrow則系のモデルに入るひずみエネルギー密度です。

1回の温度サイクルで、はんだの応力とひずみはヒステリシスループを描きます。ループの幅から、はんだ接合が受ける非弾性ひずみ幅が見積もれ、この値をCoffin-Manson型の疲労則に使います2。より一般的な方法はループの面積を使うもので、面積は1サイクルではんだ接合に与えられるひずみエネルギー密度の量を表します。

この2つの読み方から、工学的な寿命モデルがいくつも作られてきました。Coffin-Manson則に基づくものにNorris-Landzberg(1969年)やIPC-SM785、Morrowの疲労則に基づくものにDarveauxら(1995年)やClech(1993年、1996年)があります。Darveauxのモデルは有限要素解析で求めた非弾性ひずみエネルギーを使い、100件を超える実験の疲労寿命と相関を取っています2。ClechのSRSモデル(1996年)は、1次元の簡略な構造モデルからひずみエネルギー密度を求め、60件を超える実験の故障データと相関を取っています。

寿命とひずみエネルギーの相関では、63Sn/37Pbのデータを通る最適直線の傾きが−1に近く、共晶付近のSnPb実装に対するDarveauxとSRSのモデルの傾きと近い値です。ただしモデルは半解析・半経験的なので、新しい種類のパッケージや実装のデータが出るたびに検証し直す必要があります2。寿命相関の切片と傾きも、多くの経験データで調整することになります。

スタンドオフは一般に高いほど強いが、ランドを細くして稼ぐと基板側が弱る

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スタンドオフとランド径
通常のランドパッケージ基板スタンドオフランド径ランドを細くした場合スタンドオフランド径最小断面基板側のせん断力が増す
ランド径を細くするとスタンドオフは高くなりますが、基板側の最小断面が細くなり、そこにかかる最大せん断力が増えます。

接合の形も寿命を左右します。はんだがつぶれる量を制御してパッケージのスタンドオフ(パッケージと基板の間の高さ)を決めることが、最適な接合信頼性を得るうえで重要だとテキサス・インスツルメンツはしています3。一般にスタンドオフが大きいほどはんだ接合の疲労強度は高くなりますが、それを基板のランド径を小さくして得てはいけません。ランド径を小さくするとスタンドオフは高くなる一方、接合の最小断面積が減り、プリント基板側の最大せん断力が大きくなります。高さで稼いだ分を、基板側のくびれで失う形です。

試験は条件をそろえ、どの接合が先に壊れるかを記録する

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評価では、接合の初期状態を確認し、製品に合う温度サイクルを与えます。途中と終了後に導通、亀裂、反応層と接合強度を評価します。4反応層は、はんだと銅やニッケルの間にできる金属間化合物の層です。基板にパッケージを実装した試験体での熱機械疲労試験は、IPC-9701の最新版の手順に従います5。

管理するのは、接合形状、材料、熱膨張差、温度履歴、亀裂位置、抵抗変化です。中央からの距離と端部の拘束で、接合ごとの負荷が異なります。どの接合が先に劣化するかを記録し、接合内部の疲労と界面剥離を区別します。抵抗の変化と破断位置を確かめて、2つを区別します。

柔らかくして逃がすか、樹脂で支えるかで負荷の分布が変わる

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接合を柔らかくして変形を逃がす方法と、樹脂で支える方法では、負荷の分布が変わります。樹脂で支える場合は、樹脂の硬さと熱特性しだいで応力が別の界面へ移る場合もあります。スタンドオフを高くする方法も、ランド径を削って稼げば基板側の断面で払います。どの手段でも、接合だけでなく基板とパッケージの剛性を含めて評価します。

はんだ接合部の熱機械疲労は何をする工程ですか?

工程ではなく、温度変化を繰り返すことで、はんだ接合部に変形が蓄積し、亀裂が進む劣化です。パッケージと基板の熱膨張の違いが、温度変化のたびに接合をせん断します。

どの段階で行いますか?

評価では接合の初期状態を確認し、製品に合う温度サイクルを与えます。途中と終了後に導通、亀裂、反応層と接合強度を評価し、基板を使う試験はIPC-9701の最新版の手順に従います。

何を管理しますか?

接合形状、材料、熱膨張差、温度履歴、亀裂位置、抵抗変化を管理します。形状ではスタンドオフの高さと基板側の最小断面が効きます。

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