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界面剥離とは

界面剥離(Interfacial Delamination)とは、膜と膜、膜と基板、樹脂と金属などの境界に亀裂が生じ、接着していた材料が離れる不良です。 原因は界面の強さと、界面へ加わる応力の両方にあります。密着を強くしても大きな熱応力で剥がれる場合があり、応力が小さくても汚染と弱い化学結合があれば界面は壊れます。製品の故障を決めるのは剥離の有無だけでなく、剥離がどこまで届いたかです。

亀裂を進める力が界面の抵抗を超えると、亀裂は界面に沿って広がる

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力と抵抗の釣り合い
抵抗が上回る力が抵抗を超える膜・樹脂基板・金属止まる広がる亀裂を進める力界面の抵抗基板膜
亀裂の先端では、亀裂を進める力と界面の抵抗が向き合います。抵抗が上回れば亀裂は止まり、力が抵抗を超えると亀裂は界面に沿って広がります。

残留応力、熱膨張の差、硬化収縮、水分などが亀裂を進める力になります。その力が界面の破壊に対する抵抗を超えると、亀裂が界面に沿って広がります。1

力の側には、材料の組み方が関わります。膜応力は膜に蓄えられる負荷を変え、熱膨張係数の違いは加熱と冷却のたびに上下の層の相対的な変形を生みます。抵抗の側には、表面の状態が関わります。同じ材料でも、表面の酸化、粗さ、処理後の待ち時間で密着は変わります。表面修飾で接着を変えることと、負荷を下げることは別の対策として分けて考えます。

水分はほとんどの樹脂を透過し、湿った界面では結合が弱まる

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水分の経路
水分浸透加水分解酸化層の水和カソード剥離封止樹脂酸化層基板・金属
水分子はほとんどの樹脂を透過します。界面が湿ると、結合の加水分解、酸化層の水和、カソード剥離が問題になります。

水分は、亀裂を進める力と界面の抵抗の両方に関わります。水分子は強い双極子を持つので、表面エネルギーの高い基板のような帯電した面や極性の面と相互作用し、ほとんどのポリマーを透過します2。界面が湿った状態で起きる主な問題として、界面の二次結合の加水分解、基板の酸化層の水和、カソード剥離2が挙がっています。

Infineonは、部品の輸送や保管が不適切だと、はんだ付け性の低下、剥離、パッケージの割れが後の工程で起こりうるとしています3。封止材でも、吸湿とリフローを経たチップの断面で界面の剥離が見つかった例があります。

汚染も抵抗を下げます。接着面では平均的な接触角だけでなく、局所の汚染と酸化、表面処理後の待ち時間まで確認します。

パッケージでは、剥離がワイヤの接合部に届くと断線につながることがある

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ダイパッドの剥離と断線
剥離がボンドから離れる剥離がボンドに重なる封止樹脂ダイパッド剥離ダイダウンボンド断線−65〜150℃で1000サイクル
封止樹脂とダイパッドの剥離は、ダウンボンドから離れていれば大きな問題になりにくく、接合点に重なると温度サイクルで樹脂がパッドに対して動き、ワイヤが切れることがあります。

ダイパッドが裏面へ露出したパッケージやフランジ実装のパッケージは、TIによると封止が上下で釣り合わない構造のため、ダイパッドの剥離が起きやすくなります4。釣り合わない構造は赤外線リフローの際にダイとダイパッドの界面の機械的な応力を高め、剥離を増やします4。剥離の程度は、ダイパッドとダイの大きさの比、リードフレームの表面仕上げ、材料の選び方、組立工程のばらつき(接着層の厚さ、硬化プロファイル、フィレットの高さなど)4にも左右されます。リードフレームと封止樹脂の組合せ、リフローの熱、ダイボンディングの条件のどれもが剥離の量に関わります。

故障になるかどうかは、剥離の位置しだいです。TIは、ダイパッドと封止樹脂の剥離は、ダイパッド上のダウンボンドの位置に重ならない限り、大きな問題にならない場合があるとしています4。剥離があると、温度サイクルのたびに封止樹脂がダイパッドに対して自由に動けるようになります4。TIは、JEDEC 020の手順にかけた後、JESD22-A104-Bに沿って−65〜150℃の温度サイクルを1000回加えたパッケージで、切れたワイヤボンドを見つけています4。ワイヤがダイパッドに確実につながっていなくても、電気試験には合格することがあります4。ワイヤボンディングの断線には、電気試験だけでは見つからないものがあるということです。

外から見えない剥離は超音波で探し、強度の値と亀裂の位置を合わせて判断する

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工程の流れは、接着面の清浄度と状態を整え、膜形成や接合を行います。初期の密着と内部状態を調べ、温度と湿度、機械負荷を与えた後に再評価します。5管理するのは、表面汚染、酸化と官能基、粗さ、密着強度、残留応力、熱・湿度履歴です。

調べ方は、接着試験、断面観察、超音波などを目的に合わせて使い分けます。外観で見えない内部剥離もあるため、強度の値と亀裂の位置を合わせて判断します。観測した剥離位置を記録し、材料内部の破壊と界面の破壊を分けます。TIの評価でも、最終工程の超音波顕微鏡(CSAM)で剥離の程度を判定します4。超音波顕微鏡、X線、断面観察、電気測定を同じサンプルにそろえると、ボイド、剥離、クラックを区別して名前を決められます。

装置の側では、日立パワーソリューションズがFineSAT Vについて、超音波の測定時間の単位を従来の4分の1に設定でき、深さ方向の分解能が4倍になるとしています6。同社は、焦点を連続的に変えながら走査し、深さの違う複数の面に焦点の合った像を1回の測定で取ることで、欠陥の見落としを防ぐ6機能も挙げています。

表面処理を強めると密着は上がるが、損傷と粗化が増える場合がある

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強い表面処理で密着を改善できても、損傷と粗化が増える場合があります。抵抗を上げる対策が、別の不良の種になるということです。界面の強さと熱・機械負荷、材料の耐性を同時に評価し、表面処理を強めるか、負荷そのものを下げるかを選びます。

界面剥離は何をする工程ですか?

工程ではなく、膜と膜、膜と基板、樹脂と金属などの境界に亀裂が生じ、接着していた材料が離れる不良です。界面の強さと、界面へ加わる応力の両方が原因になり、亀裂を進める力が界面の抵抗を超えると亀裂が界面に沿って広がります。

どの段階で行いますか?

接着面の清浄度と状態を整え、膜形成や接合を行います。初期の密着と内部状態を調べ、温度と湿度、機械負荷を与えた後に再評価します。TIのパッケージ評価では、最後に超音波顕微鏡(CSAM)で剥離の程度を判定します。

何を管理しますか?

表面汚染、酸化と官能基、粗さ、密着強度、残留応力、熱・湿度履歴を管理します。部品の輸送と保管が不適切だと、後の工程で剥離やパッケージの割れにつながることがあります。

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  1. 1
    NIST Wire Bonding to Advanced Copper-Low-K Integrated Circuitstsapps.nist.gov ・ 2026年10月12日閲覧 ↩
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
    Renesas Semiconductor Package Mount Manualrenesas.com ・ 2026年10月12日閲覧 ↩
  6. 6
    Hitachi Power Solutions FineSAT V scanning acoustic tomographyhitachi-power-solutions.com ・ 2026年10月12日閲覧 ab