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フォークシートをCFET世代でも使うimec案|A5とA3の周波数維持に外壁型

imecが2025年6月に示したロジック技術ロードマップでは、フォークシートはCFETが来るまでの中継ぎで終わらない。壁をセル端に置く外壁フォークシートは、ナノシートの時代をA10世代まで延ばす選択肢1として出され、CFETの量産はA7世代からと見込まれた。さらにimecは、IEDM 2025で発表したDTCO検討で、A5とA3でもCFETの周波数を保つには外壁フォークシートが要る2とシミュレーションで見積もった。つまり、壁を後から作る工程や隣のセルと共有する壁を、imecはCFETの世代にも組み込む案を示している。

一方、2026年9月のimecの記事は、この順番を選択肢の形で書いている。ナノシートでA10まで微細化でき、A7では機能ごとに層を分けて積むCMOS 2.0、ナノシートを限界まで縮める道、CFETの3つを並べ、CFETの導入はA7以降が最も有力とする3。フォークシートの技術がCFET世代へ渡る道は、この3つのうちCFETが選ばれた場合の話になる。

フォークシートは、nMOSとpMOSの間隔を絶縁壁で詰めるナノシートの派生構造だ

Section titled “フォークシートは、nMOSとpMOSの間隔を絶縁壁で詰めるナノシートの派生構造だ”

標準セルの高さは、セルに通る配線の本数(トラック数)と配線ピッチの積で決まる。GAAナノシートでは、nMOSとpMOSのシートを横に並べ、その間隔もセルの高さに入る。imecは2017年、この間隔に絶縁壁を立てて詰めるフォークシートを提案した1。imecの2019年のTCADでは、ゲートピッチ42 nm、配線ピッチ16 nmの5トラックのセルに埋め込み電源レールなどを加えた設計で、ナノシートと比べて同じ電力で速度が10%上がった4。

CFET(complementary FET)は、nMOSとpMOSを横に並べず、上下に積む。積めばnとpの間隔はセル高さの計算から消える。

図1素子の間隔をどこで詰めるか
A. ナノシートnとpの間隔がセル高さに入るB. 外壁フォークシート壁を隣のセルと共有nとpのゲートが1本C. CFET上段MDI下段nとpを上下に積み間隔をセル高さから外すnMOSのシートpMOSのシートゲート絶縁壁・MDICFETのシート(上下の一方がn、他方がp)nとpの間隔
ナノシート(A)とフォークシート(B)はnMOSとpMOSを横に並べたまま間隔を詰め、CFET(C)は上下に積んでnとpの間隔をセル高さから外す。

imecは壁をセル端へ移した外壁型を、A10のセル高さ90 nmに向けて示した

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最初のフォークシートは、nMOSとpMOSの間、つまりセルの中央に壁を置く内壁型だった。imecは2021年に300 mmウェーハで内壁型を作って動かしたが、量産には課題が残った。セル高さ90 nmを狙うと壁は8〜10 nmまで薄くなり1、早い工程で作るので後のエッチングでさらに削られる。実際の回路では素子の90%がnとpでゲートを共有するのに、内壁はそのゲートを分断する。

そこでimecは2025年のVLSIシンポジウムで、壁をセルの境目へ移し、工程の終わり近くで作る外壁型を示した。imecのシミュレーションでは、壁は隣のセルと共有され、約15 nmまで厚くできる。nとpのゲートは壁をまたがずにつながる。imecのレイアウト比較では、A10の外壁フォークシートで作るSRAMセルは、A14のナノシートより22%小さい1。壁幅やオメガゲートの効果など、内壁型から何が変わったかは外壁フォークシートの解説で詳しく扱う。

図2壁をセルの中央からセルの端へ移す
内壁型壁 8〜10 nm、セルの中央ゲートが壁をまたぐ壁を早い工程で作り、後のエッチングで削られる外壁型壁 約15 nm、セルの端nとpのゲートが1本壁を工程の終わり近くで作る壁を約5 nm削ってΩゲートにnMOSpMOS絶縁壁ゲート壁をまたぐゲート
外壁型は壁をセルの端へ移して後から作るので、壁を約15 nmに厚くでき、nとpのゲートを1本につなげる。約5 nmの壁の削り込みで駆動電流が約25%上がるのは、imecのTCADシミュレーションの値だ。

CFETの量産がA7からとされたのは、上下に積む集積が複雑だからだ

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imecは2025年6月、CFETはnMOSとpMOSを縦に積むので集積がナノシートよりはるかに複雑で、量産が成り立つのはA7世代からだとした1。だからナノシートの時代を少なくともA10まで延ばす必要があり、外壁フォークシートはそのための構造だった。

チャネル幅の限界は、これとは別の条件で語られている。imecは2022年、配線ピッチ16 nmの4トラックのセルでは、フォークシートでもチャネル幅が足りず、必要な性能を出しにくい5と書いた。CFETなら、nとpの間隔が消えたぶんをチャネル幅に回せる。この条件と、2026年のロードマップの世代との対応はCFETが要るセルの条件で扱う。

CFETで加わる工程は、上下で別のしきい値電圧を作るための絶縁層MDI、上下のソース・ドレインを別々に取り出すstacked MOL、上下を約30 nmの間隔で独立に接続するコンタクトなどだ6。上下への配線をセルに収める方法はCFETのMOL接続とMRWに、下段を裏面からつなぐ方法はCFETの下段コンタクトと裏面接続にまとめた。

IEDM 2025のDTCO検討では、A5とA3の周波数を保つのに外壁フォークシートが要る

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imecは2026年2月、IEDM 2025で発表したCFETのDTCO(設計と工程の同時最適化)を紹介した。A7、A5、A3の設計規則に合わせて小さくしたセルでリング発振器を組み、電力密度の上限の中で周波数を保てるかをシミュレーションで見た検討だ。セルを縮めるとCFETのシート幅も狭まり、駆動電流が落ちて寄生容量が増える。

この検討では、A7はゲートの寄生容量を減らせばN2のナノシート並みの性能が出る2。A5へ進むには外壁フォークシートの構造が要る。imecは、フォークシートはこれまでナノシートの延長として出してきたが、構造はCFETとも完全に両立すると書く。壁を後から作る工程がチャネルの応力を高めて駆動電流を上げ、nどうし、pどうしで共有する壁がゲートのはみ出しを短くして寄生容量を減らす。オメガ形のゲートにすれば効果はさらに大きい。imecは結論で、A5とA3にオメガゲートの外壁フォークシートとM0 power railが入り、A3ではさらにnとpで結晶方位を変えるハイブリッドチャネルが要るとした。

図3世代ごとに何を加えるか
imecが2025年6月〜2026年2月に示した構造と追加技術N2〜A14ナノシートA10外壁フォークシートナノシート系の延長A7CFET(候補)ゲート寄生容量の削減M0 power rail(任意)A5CFET外壁フォークシートオメガゲートM0 power railA3CFET外壁フォークシートオメガゲートM0 power railハイブリッドチャネルナノシート外壁フォークシートCFETCFETに加える技術
imecが2025年6月から2026年2月に示した案では、外壁フォークシートはナノシートをA10まで延ばす候補として出て、A7を挟んでA5とA3のCFETに性能ブースターとして戻る。A5とA3の組み合わせは、IEDM 2025のリング発振器のシミュレーションから導いたものだ。

外壁フォークシートを加えるとA3の周波数がどこまで戻るか、M0 power railがどの世代で入るかは、CFETのM0 power railと性能ブースターで数値とともに扱う。

2026年のimecは、A7をCFETを含む3つの選択肢として描く

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2026年9月のimecの記事は、ナノシートでA10まで微細化でき、そこで5.5トラックのセルになる3と書く。A7については、CMOS 2.0、ナノシートを限界まで縮める道、CFETへ移る道を並べた。Tom’s Hardwareによれば、imecは2026年6月のロードマップでA10を2030〜2031年、A7を2033年7に置いた。

TSMCは、ナノシートでの設計最適化の経験を生かしたNanoFlex Proを、2028年に量産するA14に使う8。CFETは研究の段階にあり、マイナビニュースの紹介によれば、TSMCはIEDM 2025でゲートピッチ48 nm未満のCFETによる101段のリング発振器の論文を発表するとした9。

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