ゲルマニウム受光器とは
ゲルマニウム受光器とは、シリコンの導波路が運んできた光を、その先に載せたゲルマニウムで吸収して電流へ変える素子です。 通信の波長ではSiが透けるため、Geを使います。
シリコンは光を通す材料として優秀ですが、受光ではそれが困ります。通信に使う波長では吸収がごくわずかで、光が素通りするからです。
Siが透ける波長を、Geが吸収する
Section titled “Siが透ける波長を、Geが吸収する”通信に使う1310nmや1550nmの光は、Siの中をほとんど吸収されずに進みます。導波路には向く性質が、受ける側では逆に働くため、導波路の先へGeを載せ、そこで光を吸収して電流へ変えます。
GeはSiと同じ4族の元素で、Siの工程へ取り込みやすい材料です。imecのシリコンフォトニクスのプラットフォームは、Ge/Siのアバランシェ受光器を標準部品として備えています1。
帯域は32GHzから100GHzへ進み、正味400Gbpsを受信した
Section titled “帯域は32GHzから100GHzへ進み、正味400Gbpsを受信した”imecは、Ge/Siアバランシェ受光器で増倍率8と32GHzの帯域を示しました2。さらに100GHzのGe/Siアバランシェ受光器と、正味400Gbpsのデータ受信1も示しています。
帯域が回線の速度の上限を決めます。送る側で106Gb/sを出しても、受ける側の帯域が足りなければ信号の形が崩れます。
増倍率を上げると、感度とともに雑音も増える
Section titled “増倍率を上げると、感度とともに雑音も増える”アバランシェ受光器では、光で生じたキャリアが高い電界で加速され、衝突によって新しいキャリアを生みます。この連鎖が増倍です。増倍率8なら、同じ光の量から8倍の電流が出ます。弱い光でも信号として取り出せるため、結合の損失を許容できる幅が広がります。
いっぽう増倍の過程そのものが確率で揺れるため、雑音も増えます。増倍率を上げるほど感度は上がり、信号対雑音の比では別の限界に当たります。
選択成長で作るので、送る側と受ける側を同じ工程に載せられる
Section titled “選択成長で作るので、送る側と受ける側を同じ工程に載せられる”GeをSiの導波路へ選択的に成長させると、光の通り道と受光の部分が自動的に揃います。別々に作って位置を合わせる工程が消えます。
imecのプラットフォームには、GeSiの電界吸収変調器も載ります1。imecはC帯で110GHzを超えるGeSi電界吸収変調器も示しており、送る側と受ける側で同じ材料系を使います。送受の両方が同じ工程で揃う点が、シリコンフォトニクスでの集積の利点です。
Geを厚くすると吸収は増え、帯域は落ちる
Section titled “Geを厚くすると吸収は増え、帯域は落ちる”Geを厚くすれば吸収は増えるものの、キャリアが走る距離が伸びて帯域が落ちます。感度と速さが、同じ厚みの両端にあります。
よくある質問(FAQ)
Section titled “よくある質問(FAQ)”ゲルマニウム受光器とは何ですか?
シリコンの導波路が運んできた光を、その先に載せたゲルマニウムで吸収して電流へ変える素子です。
なぜゲルマニウムを使いますか?
通信に使う1310nmや1550nmを、Siがそのまま通すためです。Geは同じ波長を吸収します。
どのくらいの帯域ですか?
imecのGe/Siアバランシェ受光器は、増倍率8で32GHzの帯域を持ちます。
さらに速いものはありますか?
imecは100GHzのGe/Siアバランシェ受光器と、正味400Gbpsのデータ受信を示しました。
アバランシェとは何ですか?
光で生じたキャリアが高い電界で加速され、次々と新しいキャリアを生む増倍の仕組みです。弱い光でも信号として取り出せます。
増倍率はどのくらいですか?
imecの受光器では8です。増倍が大きいほど感度は上がりますが、雑音も増えます。
どうやって作りますか?
Siの導波路の上へGeを選択的に成長させます。同じ工程で作るため、別々に作って組み立てる段が消えます。
比較・違いを学ぶ
Section titled “比較・違いを学ぶ”- シリコンフォトニクスとは── 受光器を載せる土台
- 光インターコネクトとは── 帯域が回線の上限になる場面
- SiGeとは── 同じ Si と Ge の組み合わせ
- 選択エピタキシャル成長とは── Ge を載せる工程そのもの