Cuリフローとは
Cuリフロー(Copper Reflow)とは、成膜した銅を加熱し、微細な溝や穴の内部へ移動させる埋込み工程です。 銅の表面移動と下地への濡れを利用して配線を作ります。細い開口を埋める手段になる一方、濡れが足りないと銅が凝集したり入口が閉じたりするので、結果を左右するのは下地と初期成膜の形です。
加熱した銅を、下地に沿って底へ移す
Section titled “加熱した銅を、下地に沿って底へ移す”開口を保つ形で銅を成膜し、加熱して銅を下地に沿って移動させます。微細部の表面エネルギーと材料移動を利用する工程で、銅を全体として溶かすことが前提ではありません。1
電解めっきは、底から析出を進めて溝を埋めます。リフローは、すでに付けた銅を移動させて埋めるので、金属を運ぶ仕組みが違います。名前の似た後工程のリフローは、はんだを溶かして接合する工程で、別物です。
アルバックは、直径300 mmのウェーハで銅の埋込みを評価する工程としてCuリフローを使っています2。
埋まるかどうかは、下地が銅を濡らすかで決まる
Section titled “埋まるかどうかは、下地が銅を濡らすかで決まる”Cu配線の溝は、銅の拡散を止めるバリアメタルで覆い、その内側に銅を濡らすCoかRuのライナーを付けてから埋めます。リフローでは、このライナーが銅の移動を支えます。ルテニウムライナーのように濡れを助ける下地と組み合わせるのはそのためです。
濡れが足りないと、銅が下地の上で島状に凝集したり、開口の入口が閉じたりして、底まで埋まりません。IBMは、ライナーを薄くするとCu配線にボイドができやすくなると書いています。抵抗を下げるためにライナーを削るほど、埋込みの余裕も削れます。
最も細いCu配線層で、電解めっきの代わりに使われている
Section titled “最も細いCu配線層で、電解めっきの代わりに使われている”従来のCu配線は、PVDでシード層を付けて電解めっきで埋めていました。最も細い層では、この埋め方が真空中のリフローに移っています。IBMは、ピッチ24 nmのCu配線で電解めっきが真空リフローに置き換わったとしています。2022年10月のTechInsightsの解析では、Intel 4がM0〜M4を、TaバリアにCoライナーとCoキャップを組み合わせたリフローCuで作っています。
Applied Materialsは2021年に、ALD、PVD、CVD、Cuリフロー、表面処理、界面制御、計測の7つの技術を1台の真空装置にまとめたと発表しています。手順は、開口と下地を整え、銅を成膜して加熱します。必要に応じて成膜と熱処理を繰り返し、埋込み後の断面と電気特性を確認します。3
熱で埋込みを助けるほど、熱バジェットと界面が制約になる
Section titled “熱で埋込みを助けるほど、熱バジェットと界面が制約になる”管理する項目は、初期被覆、下地の濡れ、温度と時間、銅の凝集、埋込み、界面と熱履歴です。温度と時間、成膜と加熱の反復回数は、材料と構造、製品技術ごとに決めます。加熱を増やすだけで埋込みがよくなるわけではなく、下地の濡れと初期成膜の形との組み合わせで決まります。
処理後は、断面で底面の埋まりと上部の閉塞を確かめます。熱で埋込みが進んでも、low-kや下層の金属を傷めていないかを、電気特性と信頼性で調べます。熱処理は埋込みを助けますが、熱バジェットと界面の安定性が上限を決めます。そのため下地、成膜形状、加熱は、ひとつの工程として組み合わせて決めます。
よくある質問(FAQ)
Section titled “よくある質問(FAQ)”Cuリフローは何をする工程ですか?
成膜した銅を加熱し、微細な溝や穴の内部へ移動させる埋込み工程です。銅を全体として溶かすのではなく、銅の表面移動と下地への濡れを使って底から埋めます。
どの段階で行いますか?
開口と下地を整え、銅を成膜して加熱します。必要に応じて成膜と熱処理を繰り返し、埋込み後の断面と電気特性を確認します。最も細いCu配線層では、電解めっきの代わりにこの工程で溝を埋めます。
何を管理しますか?
初期被覆、下地の濡れ、温度と時間、銅の凝集、埋込み、界面と熱履歴を管理します。濡れが足りないと、銅が島状に集まったり入口が閉じたりして、底まで埋まりません。
比較・違いを学ぶ
Section titled “比較・違いを学ぶ”3件を表示
- 1Applied Materials Endura Amber PVDappliedmaterials.com ・ 2026年10月12日閲覧 ↩
- 2ULVAC Deposition Technology for Cu Interconnect of Semiconductor Devicesulvac.co.jp ・ 2026年10月12日閲覧 ↩
- 3Applied Materials Endura CuBS Volta Ruthenium CVDappliedmaterials.com ・ 2026年10月12日閲覧 ↩