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SAV(自己整合ビア)とは

SAV(自己整合ビア)(Self-Aligned Via)とは、配線や周囲の材料が作る境界を使ってビアの位置と形を制限する構造です。 露光開口がずれても、接続したい配線だけへ着地する余裕を作ります。ビアのマスクを広くするだけの工夫とは違い、重ね合わせの問題を、膜の選択性と境界の形という材料側の制約へ置き換える技術です。

ビアが隣の線へずれると、リークの経路ができる

Section titled “ビアが隣の線へずれると、リークの経路ができる”
ずれたビアの着地
従来のビア合わせずれ隣の線とのリーク経路自己整合ビア合わせずれ膜の境界で止まる絶縁膜選択性を持つ膜下層配線ビア
同じだけずれても、従来のビアは隣の線に近づいてリークの経路を作り、自己整合ビアは膜の境界で止まって狙った配線の幅に収まります。

ビアと上下の配線の位置が合っていないと、ビアと隣の配線の間にリークが起きるおそれがあります1。imecは、このリーク経路の原因を、小さなビア穴を従来の方法でパターニングしたときの大きすぎる重ね合わせ誤差としています。位置ずれが大きければ、ビアが隣の配線へ接続して短絡になることがあります。

IBMの研究者は、自己整合ビアが22nmノード前後で導入されて以降2、ピッチの縮小とともに、配線間の絶縁膜の幅に対してビアの寸法制御とエッジ配置誤差が占める割合が大きくなり続けたとしています。同じ論文は、32nmを下回るピッチでこの割合が転換点に達し、指数関数的に増える配線抵抗を受け入れる設計か、技術の最大動作電圧(Vmax)を下げるかの選択になると述べています。

周囲の膜を選択的に削るか付けて、接続に使える領域を絞る

Section titled “周囲の膜を選択的に削るか付けて、接続に使える領域を絞る”

周囲の膜を選択的に削る、または形成することで、露光開口のうち接続に使える領域を制限します。3露光開口が広くても、底が触れてよいのは境界の内側だけです。露光開口だけで最終の接続面積が決まる構造とは、ここが異なります。

付ける側の例として、IBMの研究者は32nmピッチのCuとSiCOH(Low-k膜)のパターン上で、SiCOHの上にAlOxを選択的に堆積して完全整合ビア(FAV)の試験構造を作りました4。厚さ4〜6nmの薄いAlOxが、Coでキャップした配線よりSiCOHの上に優れた選択性で付き、配線の間隔を変えた構造でも同じ結果だったとしています。選択成膜で絶縁膜の側だけに境界を立てる方法です。

工程は、配線と選択性を持つ膜を形成し、ビア開口を作ります。境界で開口を制限して底面を清浄化し、金属を形成して接続と絶縁を評価します。5Lam Researchは、エアギャップを持つセミダマシン構造のFSAVエッチングで、第1段に露出したSiCNのエアギャップ封止膜に対して高い選択比を持つ処理が要るとしています。続くSiCNのエッチングでは、下層の第1配線(Ru)につなぐために、SiCNを大きなテーパー角で削る処理が必要だとしています。

FSAVは下の線と上の線の両方にビアを合わせる

Section titled “FSAVは下の線と上の線の両方にビアを合わせる”

SAVのうち完全自己整合のFSAVは、下層と上層の配線形状の両方へビアを整合させます3。セミダマシンの微細配線でも使われます。

下側の自己整合
① SiNを選択除去したあと線の上が凹む② ビアを形成底は下の線の幅に収まる絶縁膜Ru配線ビア(Ru)
埋め込み後にSiNを選択的に除くと、ずれた開口から形成したビアの底は下の配線の幅の中に収まります。

imecは2022年のVLSIで、18nmメタルピッチの2層セミダマシン配線をFSAVでつなぐ構造を発表しました(G. Murdochらの論文)。下側の自己整合は、埋め込み後にシリコン窒化膜(SiN)を選択的に除去し1、ビアを下の配線の幅の中に形成することで取ります。上側の配線(Ru)への自己整合は、ビアを埋めて上まで盛ったRuをパターニングしたあとの、Ruのオーバーエッチで取ります。

上下両側の整合
隣の配線上の線の縁で止まる下の線の縁で止まる露光の開口下層配線上層配線(輪郭)ビア
FSAVでは、ずれた開口のうち上下の配線が重なる交差部だけがビアになり、2つの縁がそれぞれ下の線と上の線で決まります。

imecは、この方式で最大5nmの重ね合わせ誤差を吸収できた1ことを重要な成果としています。ビア抵抗は26〜18nmのメタルピッチで40〜60Ωと良好で、ビアと配線の間の絶縁破壊電界は9MV/cm超を示したとしています。この5nmは18nmピッチのRu 2層構造で示した値で、ほかの材料やピッチへそのまま当てはめられる値ではありません。

imecは2024年のIITCで、300mmファブでFSAVをどう実装するのが最適かを探るため、FSAVの統合方式を初めて比較評価しました3。比べた方式には、金属層を直接エッチングしてビアを柱の形に作るピラー型が2つあり、「ハイブリッドピラー(HP-FSAV)」と「エッチストップ層付きピラー(PE-FSAV)」と呼ばれています。imecは、方式間で最も目立つ差がウェーハ面内の抵抗の均一性に出たとしています。試作の詳しい経緯はRuセミダマシンの不良がエッチとビアに集中する理由にまとめています。

露光由来の誤差を減らしても、膜と形のばらつきは残る

Section titled “露光由来の誤差を減らしても、膜と形のばらつきは残る”

SAVでエッジ配置誤差の露光由来の成分を減らしても、膜の選択性、配線端の形と接続面積のばらつきは残ります。広いマスク開口でも、材料境界が途切れると隣の配線へ接続することがあります。そのため、断面観察と電気試験を合わせて、選択性と絶縁を確かめます。

管理する項目は、接続面積、材料選択性、位置ずれ、ビア抵抗、リーク、短絡、寸法ばらつきです。重ね合わせの余裕を広げられる代わりに、積層と選択処理が複雑になります。抵抗、リーク、欠陥と量産の工程窓は、合わせて評価します。

SAV(自己整合ビア)は何をする工程ですか?

配線や周囲の材料が作る境界でビアの位置と形を制限し、露光開口がずれても接続したい配線だけへ着地させる構造を作ります。周囲の膜を選択的に削るか付けて、開口のうち接続に使える領域を絞ります。

どの段階で行いますか?

配線と選択性を持つ膜を形成したあと、ビア開口を作る段階です。境界で開口を制限して底面を清浄化し、金属を形成して接続と絶縁を評価します。上下両方の配線へ合わせるFSAVでは、上の配線を加工する段にも整合の工程が入ります。

何を管理しますか?

接続面積、材料選択性、位置ずれ、ビア抵抗、リーク、短絡、寸法ばらつきです。imecの実証では、26〜18nmのメタルピッチでビア抵抗は40〜60Ω、ビアと配線の間の絶縁破壊電界は9MV/cm超でした。

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    Lam Research Semi-damascene integration with airgap structuresnewsroom.lamresearch.com ・ 2026年10月12日閲覧 ↩
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