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コバルト配線とは

コバルト配線とは、Coを配線やコンタクトの導体として使う構成です。 バルクの抵抗率は銅の約3.7倍あるのに、細い寸法では実効の抵抗で銅を下回ります。細い線の抵抗を決めるのが、ライナーに取られた残りの断面と、壁での散乱だからです。利点が出るのは細い層だけで、太い層で使えば素直に損をします。

バルクでは銅が勝ち、細線では平均自由行程の短いコバルトが追いつく

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抵抗率と平均自由行程
バルク抵抗率(μΩ·cm)02468010203040電子平均自由行程(nm)Co 7.77 nm・6.145Ru 6.59 nm・7.71W 11.2 nm・5.168Cu 39.9 nm・1.676
銅は抵抗率が最も低い一方で、平均自由行程が他の3金属の3倍以上あります。細い線で散乱が増えたとき、抵抗率が大きく上がるのは銅です。

室温のバルク抵抗率は、計算値でCu 1.676、W 5.168、Co 6.145、Ru 7.71 μΩ·cmで1、実測値ともほぼ一致します。バルクだけで比べるかぎり、銅が最良の選択です。

電子平均自由行程の長さは抵抗率と逆の順に並び、Cu 39.9 nm、Ru 6.59 nm、Co 7.77 nm、W 11.2 nmです。線幅がこの長さを下回ると、電子は次の散乱を迎える前に壁や粒界へぶつかります。そのため平均自由行程が長い銅ほど、細線で抵抗率が跳ね上がります。線幅10 nmでは、銅の抵抗率は最も低いままでも、上がり方は最も悪い部類です。

imecも、寸法の大きい領域では代替金属の抵抗率が銅より高い一方、寸法を縮めたときの上がり方が緩やかなので、小さい寸法ではCo・Ru・Rh・Ir・Moの見通しのほうがよく、業界標準の銅が最も悪くなると予測しています2。

ライナーは溝の両側から引かれ、線幅20 nm前後で銅と並ぶ

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幅10 nmの溝の取り分
Cu・両側3 nmCo・両側1 nmRu・両側0.3 nmW・ライナーなし溝幅 10 nm導体 4 nm導体 8 nm導体 9.4 nm導体 10 nm絶縁膜ライナー・バリアCoCu・Ru・W
同じ10 nmの溝でも、銅は両側の3 nmを差し引かれて導体が4 nmしか残りません。コバルトは8 nmで、断面で2倍の差が抵抗率の不利を取り返します。

必要なライナー・バリア厚はCu 3 nm、Co 1 nm、Ru 0.3 nm、W 0 nmで、この厚みは溝の両側から引かれます。幅10 nmの溝なら、銅は6 nmを囲いに取られて導体はちょうど4 nm、コバルトは2 nmで済んで8 nmが導体になります。断面で2倍の差です。同じ計算をRuに当てはめると9.4 nm、Wは10 nm全部が導体です。

imecは、抵抗の高いこれらの層の厚みが線の寸法に合わせて縮まらず、導電にほとんど寄与しないまま金属の体積に占める割合が増え続けるとしています2。この取り分まで含めると、線幅20 nm前後で銅の抵抗がほかの3金属と並びます。銅の優位が消える境目が、この寸法にあります。

局所配線とコンタクトから入り、上の太い層は銅のまま残る

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層ごとの金属
上層の太い配線M2 ピッチ40 nmビア 12〜14 nmM1 ピッチ40 nmコンタクトトランジスタCo(局所配線)Cu絶縁膜ビア
コバルトが受け持つのは、トランジスタに近い細い層だけです。幅とピッチが広い上層では、バルク抵抗率の低い銅が最良のままです。

imecは、局所配線M1・M2のピッチを40 nmとし、将来世代の目標を21 nmとしています3。ビアの臨界寸法は12〜14 nmです。コバルトはこの層から入ります。上層の太い配線では、銅が最良のままだからです。

材料の置き換えは微細な層から順に進み、同じチップの中で層ごとに異なる金属を使うことが前提になりつつあります。層ごとに金属を分ければ抵抗は最適になりますが、工程と装置と検査の系統が増えます。統一の簡単さを取るか、層ごとの最適化を取るかの取引です。

1 nmのライナーが残るので、さらに細い寸法では次の金属へ渡す

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コバルトに必要なライナーは1 nmで、Ruの0.3 nm、Wの0 nmに比べると取り分が残ります。寸法がさらに下がれば、コバルトも囲いの分で苦しくなります。imecが配線材料の候補としてRu・Mo・金属合金を挙げているのは、その先を見据えた並べ方です。

imecは、細線で有利な代替金属のいくつかも原料コストや環境負荷で不利になるとみています2。コバルトの役目は、銅が限界に来た層をまず引き受けることにあり、寸法がさらに下がれば次の金属へ渡します。

コバルト配線とは何ですか?

Coを配線やコンタクトの導体として使う構成です。バルクの抵抗率は銅より高いものの、細い寸法では実効の抵抗で銅を下回ります。

バルクの抵抗率はどのくらいですか?

室温の計算値で、Cu 1.676、W 5.168、Co 6.145、Ru 7.71 μΩ·cmです。コバルトは銅のおよそ3.7倍で、太い線では銅が有利です。

なぜ細い線で有利になりますか?

電子平均自由行程が短いからです。コバルトは7.77 nm、銅は39.9 nmです。線幅が平均自由行程を下回ると抵抗率が上がるので、もともと短いほうが上がり方が緩やかです。

ライナーはどのくらい要りますか?

コバルトは1 nmです。銅の3 nmより薄いので、幅10 nmの溝なら銅の導体が4 nmのところ、コバルトは8 nmを導体に使えます。

どこに使われますか?

ローカル配線とコンタクト周りです。線が細く、ライナーに取られる断面の割合が大きい層から入ります。

どの寸法で順位が入れ替わりますか?

線幅20 nm前後で、ライナー分を含めた銅の抵抗がほかの3金属と並びます。

RuやMoとは何が違いますか?

コバルトに必要なライナーは1 nmです。Ruの0.3 nm、Wの0 nmに比べると囲いの取り分が残り、バリアレスの一歩手前という位置づけです。

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