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モリブデン配線とは

モリブデン配線とは、Mo を配線の導体として使う構成です。 バリアもライナーも敷かずに絶縁膜の上へ直接成膜でき、前工程の高い熱を通しても持ちます。薄膜の抵抗率は銅のバルク値より1桁高く、Mo が先に入るのは、熱に耐えることと囲いを省けることが効く層です。具体的には、トランジスタより先に入る配線と、W や Co を使ってきた細く深い穴です。

800℃ を通した後でも、150 時間超の通電で不良が出ない

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埋め込み電源配線のMo
330℃800℃温度5 MA/cm² を通電150 h超不良なしMo成膜アニールEM試験
埋め込み電源配線のMoは、800℃のアニールを通した後に330℃・5 MA/cm²で150時間を超えて通電しても、不良が出ませんでした。

配線は普通、トランジスタを作り終えてから載せます。ところが埋め込み電源配線はトランジスタより先に入るため、後から来る 800℃ 級の熱を、配線が先に浴びます。

imec は、SiO2 の上にバリアもライナーも省いて ALD で Mo を成膜し、抵抗率 19〜22 μΩ·cm を得ました1。この工程はミドルオブラインと両立し、埋め込み電源配線へのビアと、活性領域へのコンタクトのデュアルダマシンに使われました。imec はこれを初めての報告としています。膜は 800℃ のアニールに耐え、前工程の高い熱予算と両立します。そのうえで埋め込み電源配線として、5 MA/cm²・330℃ の条件下で 150 時間を超えて不良が出ませんでした。

熱を通した後でエレクトロマイグレーションの通電試験に掛けているため、工程の途中で膜の質が保たれたことまで含めて確かめられています。

バリアを省けるので、細い溝ほど断面を導体に使える

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高アスペクト比の溝
CD 10 nmW+バリアCD 10 nmALD MoSiO2・SiCOへ拡散しないMoWバリア絶縁膜
ALD MoはCD 10 nmの高アスペクト比の溝を、バリアもライナーもなしで埋めます。Wの配線ではバリア層を足すため、溝の一部が導体に使えません。

imec は ALD Mo を W とCoの置き換え候補として挙げ、臨界寸法 10 nm までの高アスペクト比の溝を埋めています。厚さ 10 nm の ALD Mo 膜は、バリアもライナーもなしで SiO2、SiN、SiCO によく密着し、SiO2 と SiCO へは拡散しない1ことも示しました。

バリアは溝の幅から一定の厚みを引くため、幅が半分になれば導体の取り分は半分より大きく減ります。囲いを省ける利点は、細い溝ほど大きくなります。ALD は表面に沿って一層ずつ積む成膜法なので、深く細い穴でも底まで同じ厚みで届きます。細い寸法と合う理由が、材料と成膜法の両方にあります。

置き換えられる側の W について、Lam Research は、自社が始めた W の ALD が 20年以上にわたりコンタクトと配線をボイドなく埋める主流の手法だったとし2、W の配線では不要な電気的な相互作用を防ぐためにバリア層を足すと説明しています。そのうえで同社は、Mo はナノスケールの配線で W より抵抗率が低く、密着層もバリア層も要らないので工程数が減るとしています。同社の Mo の ALD 装置 ALTUS Halo について、Lam Research は多くの場合で従来の W より抵抗が 50% 以上改善するとしており、穴の形に沿う成膜と、底から選択的に埋める成膜の両方に対応させています。

接続の前に、大気に触れずに表面の酸化膜を除く

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ビアの着地面
大気に触れず前洗浄MoOxMo ビアMo 埋め込み電源配線Mo 埋め込み電源配線ビアを埋める前MoOxを除いてMoで埋めるビアの穴
Moのビアを埋める前に、大気に触れずに前洗浄を行うと、埋め込み電源配線の表面のMoOxが除かれます。ビアの抵抗の実測値は予測とよく一致しました。

Mo の配線どうしをつなぐ面では、表面の酸化膜が問題になります。imec は、埋め込み電源配線の Mo へビアを落とす前に、大気に触れさせずに一貫して前洗浄する工程を初めて示しました1。前洗浄が Mo 表面の MoOx を除くことはブランケット膜の SIMS 分析で確かめ、ビアの段階では、埋め込み電源配線に着地したビアの抵抗の実測値が予測とよく一致しました。

Mo が先に入るのは、熱を通す層と深い穴

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imec はロジック技術ロードマップで3、配線材料の候補として Ru・Mo・金属合金を並べ、BEOL の方式として Cu デュアルダマシン、ハイブリッド金属化、エアギャップつきセミダマシン、規則合金を挙げています。

Mo が先に入るのは、熱を通す層と深い穴で、埋め込み電源配線、コンタクト周り、ローカル配線が該当します。銅の置き換えは層ごとに進みます。層ごとに条件が異なり、条件に合う金属から順に入っていきます。

19〜22 μΩ·cm は薄膜の値で、遅延を決めるのは細線の実効値

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19〜22 μΩ·cm という値は、薄い ALD 膜として測った数字です。細線で問題になるのは実効の抵抗率で、囲いの取り分と、壁や粒界での散乱を含めた後の値が、配線の遅延を決めます。バルク値の順位と細線での順位は、別々に扱います。

採否は、断面を使い切る利点と材料抵抗の不利が釣り合う寸法で決まる

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Mo は熱に強くバリアを省けますが、薄膜として測った抵抗率は銅のバルク値より 1 桁大きい水準です。細い溝で断面を使い切れる利点と、材料そのものの抵抗の不利が釣り合う寸法がどこに来るかで、採否が決まります。太い上層で Mo を選べば損をし、細い層と深い穴だけに使えば工程が層ごとに増えます。統一と最適化の取引です。

モリブデン配線とは何ですか?

Mo を配線の導体として使う構成です。SiO2 上へ直接成膜する ALD 工程で、抵抗率 19〜22 μΩ·cm が得られています。10 nm の ALD Mo 膜は、バリアもライナーもなしで SiO2、SiN、SiCO によく密着します。

なぜ熱に強いことが利点ですか?

埋め込み電源配線のように早い工程で入れる配線は、その後のトランジスタ形成の熱を全部通ります。Mo は 800℃ のアニールに耐え、前工程の熱予算と両立します。

エレクトロマイグレーションはどうですか?

埋め込み電源配線で、5 MA/cm²・330℃ の条件下、150 時間を超えて不良が出ませんでした。試験したのは 800℃ のアニールを通した後の配線です。

どのくらい細い溝を埋められますか?

臨界寸法 10 nm までの高アスペクト比の溝を埋められています。ALD Mo は SiO2 と SiCO へ拡散しないことも確かめられています。

何の置き換えですか?

imec は ALD Mo を W と Co の置き換え候補としています。ローカル配線とコンタクト周りが対象です。Lam Research は、ナノスケールの配線で Mo の抵抗率は W より低く、密着層もバリア層も要らないとしています。

Ru とはどう使い分けますか?

Ru は細い信号線、Mo は熱を通す層や深い穴という分け方が報告されています。どちらもバリアを省ける点は共通です。

ロードマップ上の位置づけは何ですか?

imec のロジック技術ロードマップは、配線材料の候補として Ru・Mo・金属合金を並べています。銅の置き換えは層ごとに進みます。

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