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ALD(原子層堆積)とは

ALD(Atomic Layer Deposition、原子層堆積)とは、前駆体と反応剤を交互に供給し、表面で自己停止する反応を繰り返して薄膜を作る成膜技術です。 膜厚はサイクル数で決まり、深い穴や溝の内部でも膜厚差が出にくくなります。

表面の反応サイトが埋まると、反応はそこで止まる

Section titled “表面の反応サイトが埋まると、反応はそこで止まる”

前駆体と条件を適切に選ぶと、ALDの表面反応は自己停止します1。表面の反応サイトの数に限りがあるため、表面が前駆体で覆い尽くされた時点で、そのステップの反応は止まります。1サイクルで載る膜厚はサブオングストローム単位(1オングストロームは0.1nm)で、成膜の制御単位は原子スケールです。狙う膜厚に必要なサイクル数を決めれば、成膜時間の揺らぎは膜厚へ乗りにくくなります。

CVDは、必要な材料を含むガスを反応室へ導入して化学反応を誘起し、基板上へ薄膜を堆積させる化学的プロセスです2。原料を同時に流して反応を連続させるため、膜厚は成膜レートと時間の積になります。ALDは前駆体と反応剤を時間で分けて流し、各ステップを自己停止させます。

ALD の 1 サイクル ─ 自己停止する 4 ステップ
STEP 1 前駆体Aを供給表面を覆い尽くすと反応がそこで止まるSTEP 2 パージ余った前駆体を排気で運び去るSTEP 3 反応剤Bを供給表面で反応し1層分が膜になるSTEP 4 パージ副生成物を排出し次サイクルへ戻るサイクル数の分だけ膜が積み上がる
1サイクルは、前駆体の供給、パージ、反応剤の供給、パージの4ステップです。第1段と第3段はどちらも表面で自己停止するため、1サイクルで載る膜厚は供給時間によらず表面1層分にとどまり、狙う膜厚はサイクル数で作ります。

自己停止があるから、深い穴の底まで同じ厚さで覆える

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ALDが選ばれる最大の理由は、深い構造の中で膜厚がそろうことです。ALDは優れた膜厚制御と均一性を持ち、高アスペクト比構造の3次元形状をコンフォーマルに被覆します1。自己停止する表面反応のおかげで、ピンホールとパーティクルも低い水準に保たれます。

コンフォーマリティは測定と解析の対象で、V. Cremersらはその解析手法とモデリング手法の現状をまとめました3(Applied Physics Reviews 6, 021302, 2019)。ALDの基礎全体の標準的な参照文献は、S. M. GeorgeのAtomic Layer Deposition: An Overview4(Chemical Reviews 110, 111, 2010)です。

同じ穴を ALD・CVD・PVD で埋めた断面
ALD上面・側壁・底がほぼ同じ厚さHigh-k、バリア膜、3D構造CVD上部が厚く底へ向かって薄い層間絶縁膜、パッシベーション膜PVD入口の角が先に厚くなる配線、電極、シード層
ALDは表面で反応が自己停止するため、入口から底まで反応回数がそろいます。CVDは供給律速の影響で底へ向かって薄くなり、PVDは飛来方向の偏りから入口の角が先に張り出します。被覆の程度は膜種と条件ごとに異なるため、実際の被覆率は断面観察で実測します。

PEALDは、プラズマで反応種を作って基板温度を下げる

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反応剤の与え方で、ALDには熱ALDとPEALDの2通りがあります。熱ALDは基板の熱で表面反応を進めます。PEALD(プラズマ支援ALD)はプラズマで反応種を作るため、熱ALDより低い基板温度で成膜します。プラズマALDには、水素プラズマを使う金属化学の実効性、化学量論と相の制御1、核生成遅れの低減という利点があり、SiO₂、TiO₂、Al₂O₃をコンフォーマルに成膜した例もあります。

温度の上限が判断を分けます。既に作り込んだ配線や素子の熱予算に余裕がある工程順なら熱ALDを使えます。温度に上限のある材料や、配線工程のあとに膜を載せる場面では、基板温度を下げられるPEALDを選びます。

この用語に対応する装置と製造メーカー

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装置カタログDBから、この用語に一致する製品familyを持つメーカー 8社/10family を引いています。 各行は各社の公式製品ページを出典とします。 DBからの生成日: 2026-08-21

出典は各社の公式製品ページです。 装置カタログDB では、同じ製品familyを工程・メーカー横断で検索できます。

上の10件の公式製品URLを2026年8月21日に1件ずつ実測すると、200を返したのは5件(ASM、ラムリサーチ2件、SAMCO、Annealsys)でした。Oxford Instruments Plasma Technologyの1件は2ホップのリダイレクトを経て plasma.oxinst.com/technologies/atomic-layer-deposition へ着地し、DB側のURLが古いままでした。NAURAの1件は404を2回再現しました。Applied Materialsの2件は403とタイムアウト、Piotechの1件はTLSの失敗で、この3件は本文への到達が0回でした。403やタイムアウトは製品の終了の証拠として弱いため、3件は生死を保留したままDBに残しています。

学会abstractでは、ALDの語はタイトルより本文に多く載る

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当サイトが収録している学会abstractのうち、ALDまたはPEALDに語単位で一致した件数です(2026年7月22日抽出)。

学会開催年タイトル一致本文まで含む収録abstract数
AVS20255件100件912件
ICSCRM20257件17件510件
VLSI TSA20263件(PEALD表記)7件103件
ESREF20250件1件93件

VLSI TSA 2026の3件はいずれも PEALD 表記で、ALD の語単位一致では0件です。PEALD をエイリアスに登録した検索が、この3件を拾います。収録は各学会1開催年分ずつなので、表は1年分の断面です。年次推移は、同じ学会の収録が2開催年分以上になってから示します。収録範囲は学会一覧にあります。

ALDとは何ですか?

ALD(Atomic Layer Deposition、原子層堆積)は、前駆体と反応剤を交互に供給し、表面で自己停止する反応を繰り返して薄膜を作る成膜技術です。前駆体が表面を覆い尽くすと反応が止まるため、1サイクルで載る膜厚は供給時間によらず一定で、膜厚はサイクル数で決まります。

ALDとCVDの違いは何ですか?

CVDは原料ガスを同時に流して反応を連続させるため、膜厚は成膜レートと時間の積で決まります。ALDは前駆体と反応剤を交互に流して各ステップを自己停止させるため、膜厚はサイクル数で決まります。この差が、高アスペクト比構造での被覆均一性の差になります。

ALDの1サイクルあたりの膜厚は何nmですか?

サブオングストローム単位で、1オングストロームは0.1nmです。値は材料と成膜条件ごとに異なるため、膜種ごとに実測します。

ALDが高アスペクト比の穴や溝に強いのはなぜですか?

反応が表面で自己停止するためです。気相の前駆体が溝の奥まで拡散して表面を覆い尽くすまで待てば、入口も側壁も底も同じ回数だけ反応します。飛来方向に依存するPVDや、レートが供給律速になりやすいCVDより、深い構造の中で膜厚差が出にくくなります。

PEALDと熱ALDの違いは何ですか?

熱ALDは基板の熱で反応を進め、PEALD(プラズマ支援ALD)はプラズマで反応種を作るため、熱ALDより低い基板温度で成膜します。プラズマALDには、水素プラズマによる金属化学の実効性、化学量論・相の制御、核生成遅れの低減という利点もあります。

ALD装置のメーカーはどこですか?

当サイトの装置カタログDBで、ALDに一致する製品familyを持つメーカーを公式製品ページ単位で引けます。2026年8月21日時点で、ASM、Applied Materials、ラムリサーチ、Oxford Instruments Plasma Technology、SAMCO、Annealsys、NAURA、Piotechが該当します。

工程辞典のページ:

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