ボトムライナーレスビアとは
ボトムライナーレスビア(Bottom-Linerless Via)とは、ビア底の接続面へ抵抗の高いバリア・ライナーを残さず、側壁には必要な膜を保つ構造です。 底面で上下の金属同士を直接つなぎ、接続面の直列抵抗を減らしてビア抵抗を下げます。代わりに、底を開けた瞬間から下層の金属がむき出しになり、酸化と損傷に弱くなります。底は膜を消し、側壁は膜を切らさないという、逆向きの2つの要求を1つの穴の中で両立させる工程です。
細いビアほど抵抗が増え、底の膜はその通り道に直列に入る
Section titled “細いビアほど抵抗が増え、底の膜はその通り道に直列に入る”ビアは上下の配線をつなぐ縦の穴で、電流は必ずその底を通ります。従来の構造では、底にも側壁と同じバリア・ライナーが敷かれ、電流はこの抵抗の高い膜を1枚くぐってから下層の金属へ入ります。ビアが細るほど膜の取り分は大きくなり、Applied Materialsは、手を打たなければビアの抵抗が7 nmから3 nmで10倍になるとしていました。
底の膜を省いても、ビア抵抗のすべてが消えるわけではありません。底面の界面抵抗を減らせても、細い導体と接続面積の抵抗は残ります。
側壁だけに膜を付けるか、底の膜を取り除く
Section titled “側壁だけに膜を付けるか、底の膜を取り除く”作り方は2通りです。側壁だけへ膜を選択成長させる、または底面の膜を除去する構成を使い、絶縁膜に接する側壁の被覆を保ったまま、下層金属へ直接導体を接続します1。ASMは、選択的なALDによる側壁だけのライナーを紹介しています。
工程は、ビアを開けて底面を清浄化し、側壁へ必要な膜を形成し、底面を開いたまま導体を埋めて、抵抗と拡散、リーク、信頼性を確認する2という順に進みます。
量産装置では、Applied Materialsが2021年に出した真空一貫の配線装置で、ビアの底のバリアを選択ALDで省き、ビアの接触界面の抵抗を最大50%下げたと発表しています。
ライナーの要らない金属なら、底だけでなく全体から膜が消える
Section titled “ライナーの要らない金属なら、底だけでなく全体から膜が消える”底だけを開ける構成と、膜を全面から省くバリアレス配線は別のものです。後者は、絶縁膜の中へ動かない金属を使い、側壁の膜まで省きます。ASMは、ライナーの要らないALDのモリブデンへ移れば、ビア抵抗を大きく下げられるとしています1。
底を開けると、下層の金属が酸化と損傷にさらされる
Section titled “底を開けると、下層の金属が酸化と損傷にさらされる”抵抗が下がっても、拡散とリークが増えれば工程は成立しません。管理するのは、底面の残膜、酸化と損傷、側壁の連続性、接続面積、埋込み、抵抗とリークです。
底面が清浄でも、側壁に穴があれば拡散防止を失います。断面観察と電気試験を合わせ、低抵抗化と絶縁・信頼性の両方を確認します。
抵抗を下げるために底面の膜を減らすほど、底面の選択性と露出した金属の保護が難しくなります。側壁を保つ工程窓と、その後の金属形成は一体で評価することになります。
よくある質問(FAQ)
Section titled “よくある質問(FAQ)”ボトムライナーレスビアは何をする工程ですか?
ビア底の接続面へ抵抗の高いバリア・ライナーを残さず、側壁には必要な膜を保つ構造を作ります。底面の金属同士を直接接続し、ビア抵抗を下げることを狙います。
どの段階で行いますか?
ビアを開けて底面を清浄化し、側壁へ必要な膜を形成します。底面を開いたまま導体を埋め、抵抗と拡散、リーク、信頼性を確認します。
何を管理しますか?
底面の残膜、酸化と損傷、側壁の連続性、接続面積、埋込み、抵抗とリークを管理します。底が清浄でも側壁に穴があれば拡散を防げないので、断面観察と電気試験を合わせて確かめます。
比較・違いを学ぶ
Section titled “比較・違いを学ぶ”2件を表示
- 1ASM CTO interview – selective ALD and sidewall-only via linerasm.com ・ 2026年10月12日閲覧 ab
- 2IBM / Google Patents Liner-less via contact (IBM assigned application)patents.google.com ・ 2026年10月12日閲覧 ↩