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解離度とは

解離度とは、入れた原料ガスのうち、電子との衝突で割れてしまった割合です。 高密度プラズマでは、これが 9 割を超えることもあります。割れるほど活性種が増えて速くなる、と考えたくなります。しかし割れすぎると元の分子が残らず、側壁を守る膜も選択比も同時に崩れます。解離度は高いほどよい量ではなく、狙った組成に合わせて抑える量です。

解離の量は、電子との衝突回数Ne・t・〈σv〉で決まる

Section titled “解離の量は、電子との衝突回数Ne・t・〈σv〉で決まる”
滞在時間と割れる分子
滞在時間 t が長い滞在時間 t排気を速めて t を短く滞在時間 t排気へ電子元の分子割れた分子
分子は電子とぶつかった回数だけ割れる機会を持ちます。同じ電子密度でも、プラズマ中にいる時間 t が長いほど割れて出ていき、排気を速めて t を縮めると元の分子のまま出ていきます。

原料ガスが排気されるまでにプラズマ中で電子と衝突する回数は、Ne・t・〈σv〉で表されます1。Ne は衝突する電子の密度、t はガスの滞在時間、〈σv〉は電子衝突解離断面積と電子速度の積分値で、衝突解離速度と呼ばれます。三つの掛け算なので、どれか一つを下げれば回数も下がり、装置で動かせるつまみはこの三つに絞られます。

高密度プラズマでは、フロン系ガスの90%以上が割れる

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高密度プラズマ中のフロン系ガス
90%以上が解離元の分子は10%以下割れた分子元の分子
フロン系ガスを用いた高密度プラズマでは、ガスの90%以上が解離し、元の分子はごく一部しか残りません。

高密度プラズマでは電子密度が二桁程度高くなるため、電子と原料ガスの解離周波数が非常に大きくなります1。衝突回数の式に当てはめると、t と〈σv〉が同じなら、Ne が2桁上がったぶん衝突回数も2桁増えます。その結果、原料ガスが過剰に解離し、活性種の組成や密度が大きく動きます。フロン系ガスを用いた高密度プラズマではガスが 90% 以上解離しており、元の分子はごく一部だけが残る形になります。

炭素とふっ素の比が動き、選択比と寸法が崩れる

Section titled “炭素とふっ素の比が動き、選択比と寸法が崩れる”

フロン系のガスでは、割れ方によって出てくる活性種の炭素とふっ素の比が動きます。この比が、削る側と守る側のつり合いを決めます。割れすぎてふっ素が増えると、側壁を守る膜が付きにくくなります。逆に炭素が多いと、底にも膜が付いて反応が止まります。

組成は寸法のばらつきにも届きます。ラインエッジラフネスはリソグラフィとエッチングの両方に原因があり、エッチングケミストリィも線幅の不確定性に関係します2。

抑える手は、〈σv〉を下げるか滞在時間tを縮めるかの2つ

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プロセスに最適な活性種の組成や密度に制御するには、〈σv〉もしくは t の値を低くすることが必要になります1。〈σv〉は電子の速度、すなわち電子のエネルギー分布で決まり、電子温度が低めになる方式を選べばこの値が下がります。t はガスの滞在時間で、排気を速くして流量を上げれば、割れる前に室外へ運べます。どちらも、密度を保ったまま組成を整える道です。

どちらの手も、電力かガスで払います。解離が進むほど活性種が増え、エッチングも堆積も速くなります。その代わり元の分子が残らなくなり、側壁を守る膜と選択比が崩れます。電子温度の低い方式を選べば割れすぎを抑えられるものの、同じ密度を得るための投入電力と設計の負担が増えます。排気を速めて滞在時間を縮めれば組成は戻る一方、原料ガスの消費量と排ガスを壊す設備の負担が積み上がります。

解離度は発光分光で測り、レーザー誘起蛍光で絶対値を押さえる

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組成を整えるには、まず割れ方を測る必要があります。分子を含む放電の中でラジカルの絶対濃度を知ることは表面での反応を理解するうえで欠かせず、プロセスプラズマの解離度を決めるには信頼できる分光法が不可欠です3。

Abdel-Rahmanらは、発光分光の新しい方法として2ガスアクチノメトリを示しました。基準として混ぜるアクチノメータのガスをもう一種類加え、分子が割れながら光る解離励起の寄与を考慮に入れる方法です。解離励起の寄与は、解離度が比較的低い条件で特に重要になります。この方法で、誘導結合の高周波水素プラズマについて、広いプラズマ条件にわたる解離度の振る舞いを測りました。絶対密度は、2光子吸収のレーザー誘起蛍光分光で高い精度で求めています。

解離度とは何ですか?

入れた原料ガスのうち、電子との衝突で割れてしまった割合です。高密度プラズマでは9割を超えることもあります。

何で決まりますか?

原料ガスが排気されるまでにプラズマ中で電子と衝突する回数で決まり、この回数は Ne・t・〈σv〉で表されます。

式の記号は何を表しますか?

Ne は衝突する電子の密度、t はガスの滞在時間、〈σv〉は電子衝突解離断面積と電子速度の積分値で、衝突解離速度と呼ばれます。

高密度にすると何が起きますか?

電子密度が二桁程度高くなるため、電子と原料ガスの解離周波数が非常に大きくなり、原料ガスが過剰に解離します。

どのくらい割れるのですか?

フロン系ガスを用いた高密度プラズマでは、ガスが 90% 以上解離しています。

割れすぎると何が困るのですか?

活性種の組成が動くため、選択比や側壁の保護が崩れます。フロン系では炭素とふっ素の比が動き、削る側と守る側のつり合いが変わります。

どう抑えるのですか?

〈σv〉もしくは t の値を低くすることが必要です。電子温度が低めになる方式を選ぶか、排気を速めてガスが割れる前に室外へ運びます。

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