コンテンツにスキップ

プラズマドーピングとは

プラズマドーピングとは、ドーパント原子を含むガスでプラズマを作り、ウェーハにマイナスのバイアス電圧をかけて不純物を引き込むプロセスです。 質量で選別する工程を通しません。選別を装置から外したぶん装置は簡素になり、欠陥も熱も減らせますが、何が入るかを決めるのはプラズマの条件になります。

イオン注入なら打ち込む種類を選べます。しかし質量分析の段を通すぶん装置が大きくなり、低いエネルギーでは電流を稼ぎにくくなります。

質量分析を通さず、プラズマから直接引き込む

Section titled “質量分析を通さず、プラズマから直接引き込む”
プラズマドーピングの仕組み
ドーパントを含むガスマイナスのバイアスプラズマ正イオンラジカル浅いドープ層ウェーハ
ウェーハにマイナスのバイアス電圧をかけると、プラズマ中の正イオンがそのまま引き込まれ、表面近くに不純物が入ります。

プラズマドーピングは、ドープする不純物原子を含んだガスでプラズマを発生させ、プラズマ中に置いたウェーハにマイナスのバイアス電圧をかけて不純物をドーピングします1。イオン注入では、引き出したイオンを磁場で曲げ、質量の差で目的の種類だけを選びます。プラズマドーピングはこの段を省きます。

ウェーハの側を負にすれば、正のイオンが一斉に向かいます。加速する電圧を低くすれば、表面近くで止まります。

選別を省いた分、欠陥と熱を減らし、純度を払う

Section titled “選別を省いた分、欠陥と熱を減らし、純度を払う”
質量分析の有無
イオン注入イオン源質量分析ウェーハ狙った1種類だけプラズマドーピングプラズマすべてのイオンが入るドーパントほかのイオン
イオン注入は磁場で質量ごとに曲げ、狙った1種類だけをウェーハへ通します。プラズマドーピングはこの段を持たないので、ドーパントを含むすべてのイオンが入ります。

通常のイオン注入に比べて、注入による欠陥が減り、アニール温度を下げられます1。その一方で、ドーパント以外のイオンが混ざることによるデバイス特性と品質管理の問題が指摘されています。どちらも、質量で選り分ける段を省いたことから来ています。

選別の段を省けば装置が簡素になり、低いエネルギーでも十分な量を入れられます。低いエネルギーなら注入による欠陥が減り、回復のための熱処理も減らせますが、届く深さは表面近くに限られます。速さと浅さで得た分を、純度で払う構図です。

入るイオンの種類は、ガスとプラズマの条件で決まる

Section titled “入るイオンの種類は、ガスとプラズマの条件で決まる”

電子が原料ガスと衝突してガスを解離し、化学反応種であるラジカルを作ります。高密度プラズマプロセスでは、通常のプラズマより電子密度が2桁以上高くなります2。ICPは、アンテナが作る高周波の誘導磁場でプラズマ中に誘導電界を生み、その電界で電子を加速して作る高密度プラズマです1。密度が上がるほど解離も進み、元の分子とは別の種が増えます。何が入るかは、ガスの種類だけでなくプラズマの条件で決まり、そのぶん管理すべき条件が増えます。

欠陥が少なければ、注入後の熱処理も少なく済む

Section titled “欠陥が少なければ、注入後の熱処理も少なく済む”

打ち込んだ直後の不純物は、格子へ収まる前の状態にあります。熱をかけて、はじめて活性化します。プラズマドーピングはアニール温度を下げられます。欠陥が少なければ、直すための熱も少なく済みます。

RTPは、ランプ加熱炉などの高速昇降温装置で行うプロセスです1。低い温度で短く済ませるほど、浅い分布を保てます。

バイアスの掛け方と不純物の供給源で、方式が分かれる

Section titled “バイアスの掛け方と不純物の供給源で、方式が分かれる”
プラズマドーピングの派生方式
PIIIウェーハパルス状のバイアス固体ソース型固体ターゲットArプラズマウェーハイオンシャワー大口径イオン源ウェーハシャワー状のビーム
PIIIはバイアスをパルスでかけ、固体ソース型はドーパントを含む固体をアルゴンでスパッタして供給します。イオンシャワーはビームを引き出して当てますが、質量分離を持たない点はプラズマドーピングと同じです。

PIIIは、パルス状のバイアス電圧をかけて不純物をドーピングするプラズマドーピングです1。不純物の供給源を替える方式もあり、固相プラズマドーピングの装置では、ドーパントガスの代わりにドーパントを含む固体のスパッタターゲットをアルゴンでスパッタし、ドーパントを含むアルゴンプラズマを作ります。適当なドーピングガスが得られない不純物に向く方式です。

イオンシャワードーピングは、プラズマドーピングと同じ概念の技術として論じられることが多いものの、装置の考え方が違います。RFやバケット型の大口径イオン源からシャワー状のイオンビームを引き出し、ウェーハに注入します。通常のイオン注入装置と違って質量分離装置を持たないので、ドーパントを含むすべてのイオンが入る点はプラズマドーピングと同じです。

プラズマドーピングとは何ですか?

ドープする不純物原子を含んだガスでプラズマを発生させ、プラズマ中に置いたウェーハにマイナスのバイアス電圧をかけて不純物をドーピングするプロセスです。

イオン注入とは何が異なりますか?

質量で選り分ける段を持ちません。プラズマ中のイオンを、そのままバイアスで引き込むので、ドーパントを含むすべてのイオンが入ります。

利点は何ですか?

通常のイオン注入に比べて、注入による欠陥が減り、アニール温度を下げられます。

問題点は何ですか?

ドーパント以外のイオンが混ざることで、デバイス特性と品質管理に問題が出ると指摘されています。

なぜ欠陥が減るのですか?

加速する電圧が低いためです。打ち込むエネルギーが小さいほど、結晶を弾き飛ばす量も減ります。

どんな領域に向きますか?

ごく薄い領域です。低いエネルギーで入れるので、届く深さも表面近くに留まります。

プラズマの条件も響きますか?

影響します。電子が原料ガスと衝突してガスを解離し、ラジカルを作ります。解離の進み方で、入るイオンの種類が変わります。

2件を表示
  1. 1
  2. 2