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RTP(急速熱処理)とは

RTPとは、ランプ加熱炉のような高速昇降温装置で行うアニール、酸化、CVDなどの工程です。 秒単位で温度を上げ、秒単位で下げます。高温の時間が長いほど不純物が広がるので、浅い接合を保つには熱処理を短くするしかありません。その代わり、温度が動いている最中に面内をそろえる制御と、直に測りにくいウェーハ温度の推定が、出来上がりを決める変数になります。

ランプはウェーハを直に照らし、秒で上げてすぐ下げる

Section titled “ランプはウェーハを直に照らし、秒で上げてすぐ下げる”
ウェーハ温度の時間変化
ウェーハの温度時間最高温度室温ランプ加熱すぐに降温電気炉長く保持
ランプ加熱は最高温度まで一気に上げ、短く保ってすぐに下げます。電気炉は炉ごと温めるので、上がり方が遅く、高温に長くとどまります。

電気炉は炉の壁ごと温めるため、昇温にも降温にも長い時間がかかります。ランプはウェーハを直に照らすので、立ち上がりが速くなります。RTPはランプ加熱炉等の高速昇降温装置で行うアニール・酸化・CVD等のプロセスです1。アニールだけでなく、酸化やCVDもRTPに含まれます。

速さの目安は2つあります。スパイクアニールは極短時間の急速加熱で、昇温速度と降温速度の例として300℃/s〜100℃/sが報告されています。最高温度に達したらすぐに冷やします。装置側では、Annealsysが200 mmのRTP/RTCVD装置について、室温から1450℃まで、昇温速度は最大200℃/s、圧力は10⁻⁶ Torrまで下げられるとしています2。到達温度と昇温速度は版によって違います。

Annealsysは、反応室の壁を冷たく保つコールドウォール方式とパルスアニールの組み合わせを、熱に弱い基板のアニールに向く方式2と位置づけています。量産向けにはカセットからカセットへ自動で搬送する機種を、プロセス開発向けには手で載せる機種を用意し、清浄度を上げるためにロードロック付きやクラスタツールのモジュール版もあるとしています。ランプで秒単位に焼く装置は、時間単位のヒーター炉やミリ秒のレーザーとは供給元が分かれます。

熱を受けている間、不純物は広がり続ける

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イオン注入した不純物は、熱を受けている間ずっと広がります。高温を保つ時間が長いほど接合は深くなり、浅い接合を保つには熱処理を短くする必要があります。

広がり方は一定ではありません。過渡増速拡散(TED)は、イオン注入後のアニールの初期段階で認められる、通常より拡散速度の速い不純物拡散です1。立ち上がりの数秒に広がりが集中するので、上げ方と下げ方の形そのものが設計の対象になります。出来上がりを左右するのは、頂点の温度と時間の両方です。

温度の組み方を変える方法も開発されています。高温RTPと低温RTPを組み合わせて、より浅いソース/ドレインイクステンションを形成するプロセス1が開発されつつあります。狙いはエクステンションのような極浅接合です。

拡散源と組み合わせれば、RTPはドーピングの工程になる

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RTPを使う2つのドーピング
気相ドーピングガスに暴露供給を停止RTP固相拡散ポリSiで覆うイオン注入RTPで拡散シリコンポリSi不純物
気相ドーピングは表面に吸着したガス分子を、固相拡散はイオン注入したポリシリコン層を拡散源にします。どちらも、不純物をシリコンへ送り込む最後の一歩がRTPです。

RTPは不純物を活性化するだけでなく、表面に置いた拡散源から不純物を送り込む工程にも使います。気相ドーピングでは、ウェーハを一定時間ドーパントガスにさらしてからガスの供給を止め、RTPで処理すると、表面に吸着したガス分子を拡散源としてドーピングが行われます1。

固相拡散は、拡散領域をポリシリコン層などで覆い、そこへイオン注入したうえで、ドープした層を拡散源としてRTPで拡散する方法です1。

難しいのは、秒で動いている最中に面内の温度をそろえること

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推定と協調でそろえる温度
外周ゾーン中央ゾーン外周ゾーンウェーハ反応室近傍で測温シミュレーションウェーハ温度を推定ゾーンを協調制御
ウェーハの温度は直に測らず、反応室近傍の温度からシミュレーションで推定できます。複数のゾーンの温度制御を協調させると、昇温の途中でも面内の温度を均一に保てます。

落ち着いた状態で温度をそろえるのは比較的容易です。難しいのは、秒で動いている最中にそろえることです。均一温度制御技術は、複数の温度制御の動作を協調させることにより、それら複数の温度を過渡状態においても均一の状態に維持することを可能にする制御技術です3。半導体ウェーハの精密温度制御や大型チャンバのゾーン制御などを対象に、傾斜温度制御法、ΔL制御法、FOLLOWER制御法などが汎用的な技術として実用化されています。

Annealsysは、温度を制御した石英窓と基板回転のオプションを専用の反応室と組み合わせれば、RTCVDを行えるとしています2。

ウェーハの温度は直に測りにくく、推定に頼る

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ウェーハの温度を直に測る方法には壁があります。接触すれば熱を奪い、放射で測れば表面の状態に左右されます。

Virtual Sensorは、ウェーハ温度を直接測る代わりに反応室近傍の温度を測り、その結果をもとにシミュレーションによりウェーハ温度を推定する方法です3。実時間制御に使う場合は、プロセス中に測ることが望ましいとされています。数秒で終わる工程では、測ってから直すまでの遅れが結果に直結します。

短く切り上げるほど、制御と推定の負担が増える

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熱を短く切り上げれば不純物の広がりを抑え、浅い接合を保てます。その代わり秒で動く温度を面内でそろえる制御が要り、ランプと制御系の負担が増えます。ウェーハの温度を直に測りにくいため推定に頼ることになり、推定の誤差がそのまま出来上がりの誤差になります。頂点の温度を上げれば活性化は進むものの、広がりと下の層への熱の影響も同時に増えます。

RTP とは何ですか?

ランプ加熱炉のような高速昇降温装置で行うアニール、酸化、CVDなどの工程です。秒単位で温度を上げ、秒単位で下げます。

なぜ急いで上げ下げするのですか?

熱をかけている時間が長いほど不純物が広がるためです。短く済ませれば接合を浅く保てます。

どのくらいの速さですか?

スパイクアニールの昇温速度と降温速度の例として、300℃/s〜100℃/sが報告されています。Annealsysは自社の200 mm装置について、最大200℃/sの昇温速度を挙げています。

電気炉とは何が異なりますか?

電気炉は炉ごと温めるため、昇温にも降温にも時間がかかります。ランプはウェーハを直に照らして温めるので、立ち上がりが速くなります。

難しいのはどこですか?

面内の温度をそろえることです。急いで上げるほど、場所による温度の差が出やすくなります。

どう揃えるのですか?

複数の温度制御を協調させ、温度が変化している途中でも均一な状態を保つ均一温度制御技術を使います。ウェーハ温度そのものは、反応室近傍の温度からシミュレーションで推定する方法があります。

どんな手法がありますか?

傾斜温度制御法、ΔL制御法、FOLLOWER制御法などが汎用的な技術として実用化されています。

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