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縮退故障とは

縮退故障とは、回路のノードが0か1に貼り付き、入力をどう振っても値が固定されたままになる故障の型です。 1つのノードにつき2種で表します。実物の欠陥は形も場所も一つずつ異なるため、数えるにはまず型へ畳む必要があります。縮退故障の価値は、総数が決まり、どこまで測れたかを割合で言える点にあります。

電源や接地とのショートで、値が1か0に固定される

Section titled “電源や接地とのショートで、値が1か0に固定される”

縮退故障は、論理値が値1(電源とのショート)あるいは値0(接地とのショート)に固定される故障です1。健全なノードでは、入力の0と1がそのまま下流へ伝わります。縮退したノードは、そのノードを普段制御しているほかの信号に関わりなく、一方の値を返し続けます2。縮退故障(Stuck-at Fault)は故障モデルの種類の一つです1。

0に貼り付く型をstuck-at-0、1に貼り付く型をstuck-at-1と呼びます。ノードの数をNとすれば、型の総数は2Nになります。

分岐する配線は、幹と枝を別の場所として数える

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ファンアウトと故障の場所
幹に故障G1G2G3枝に故障G1G2G3故障の場所仮定した故障故障値が届く線
G1の出力が2つのゲートへ分岐すると、故障の場所は幹と2本の枝で3か所になります。幹の故障は分岐先のすべてに届き、枝の故障はその枝が駆動するゲートにだけ届きます。

1本の配線が複数のゲートを駆動すると、故障の場所は1か所では済みません。ゲートG1の出力がG2とG3の入力を駆動する回路では、G1の出力の配線に縮退故障の場所が3か所あります3。一般に、k個のゲートへ分岐する配線はk+1か所の故障の場所を持ちます。1か所は分岐の幹にあたるゲート出力、残りは枝の先で駆動されるゲートの入力です。

幹と枝では、故障の効き方が違います。ゲート出力に故障があれば、分岐先のすべての配線が故障に対応する値になります。故障が1本の枝にあれば、影響を受けるのはその枝が駆動するゲートだけで、ほかの枝はそのままです。2Nを数えるときのNは、この幹と枝を別々に数えた場所の数です。

検出するには、ノードを動かせて、結果が出力に見える必要がある

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制御と観測
入力上流の論理1にする(制御)stuck-at-0下流の論理差を伝える(観測)出力出力で正常と故障の値が違う
stuck-at-0を見つけるには、入力から故障ノードを1にしようとし、その結果の違いを出力ピンまで伝えます。正常と故障で出力の値が違えば、故障は検出されます。

縮退故障を検出するには、故障のあるノードを制御でき、かつ観測できなければなりません2。stuck-at-0なら、入力からそのノードを1にしようとし、その違いが下流を通って出力ピンに現れるようにします。どちらか一方でも欠ければ、故障は回路の中に隠れたままです。

型を仮定すれば、テストパターンは機械で作れます。その故障を仮定してテスト・パターンを生成する手法があり1、自動で生成するものはATPG(自動テストパターン生成)と呼ばれます。テストパターンも、縮退故障のような故障モデルを想定して不良を検出するために作ります。人が回路図を追って一つずつ作る手間から離れられます。

1度に1か所と仮定するから、数えられて機械で作れる

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単一縮退故障モデルは、3つの仮定を置きます3。故障している配線は1度に1本だけ、故障した配線は0か1に恒久的に固定される、分岐の枝どうしは故障の場所と影響について独立、の3つです。複数の縮退故障が同時にある場合まで扱うと、数十万本の配線を持つ典型的な回路では手に負えません。

この絞り込みが、縮退故障を実務の中心に置いています。単一縮退故障モデルは数が扱える範囲に収まり、許容できる品質のテストを与えるので、最も受け入れられている故障モデルです3。型が単純なので、故障の総数が数えられます。数えられれば、どこまで測れたかという網羅の割合も出せます。届く範囲も広く、電源や接地とのショートはそのまま縮退にあたり、配線が切れて片側が固定電位に落ち着けば、開放故障も縮退として姿を見せます。

値が正しいまま遅れる故障と、配線間のブリッジは拾えない

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縮退と遅延の波形
期待値縮退故障遅延故障速い取り込み遅い取り込み
縮退故障はいつ取り込んでも0のままです。遅延故障は値が遅れて正しくなるので、遅い取り込みでは期待値と同じ1に見え、速く取り込んだときだけ違いが出ます。

遅延故障(Delay Fault)は、縮退故障とは別の型です1。値そのものは正しく、届く時刻だけが遅れる故障です。縮退の型は値が固定されることを前提にしているため、速度を振らずに測る限り、遅れは隠れたままです。

ブリッジ故障も別の型で、微細化により配線間のブリッジが起こりやすくなっています。世代が進むほど、縮退の型が届く範囲は相対的に狭まります。

取り残しは、スクリーニングと全数検査が受け持つ

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初期故障は、選別工程で取り除けなかった潜在故障を含みます4。ルネサス エレクトロニクスは初期故障率を低減するために、電気的特性検査及びバーンインなどのスクリーニングを実施し、最終検査では電気的特性の検査を全数について行っています。一つの型で取りきれなかった分を、工程の重ね合わせで詰めていく構えです。

単純な型に畳めば故障の総数が数えられ、パターンを機械で作れます。その代わり、遅延やブリッジのように値が正しいまま壊れる故障はこの型では拾えません。別の型を足せば届く範囲は広がるものの、パターン数とテスト時間が伸びます。スクリーニングを重ねれば取り残しは減りますが、工程と設備の負担が積み上がります。

縮退故障とは何ですか?

回路のノードが0か1に貼り付き、入力をどう振っても値が固定されたままになる故障の型です。電源とのショートなら1に、接地とのショートなら0に固定されます。

どんな型に分類されますか?

故障モデルの種類の一つで、英語ではStuck-at Faultと呼びます。1度に1か所だけが故障すると仮定する単一縮退故障モデルが、最も広く受け入れられています。

1 ノードにいくつ型がありますか?

0に貼り付くstuck-at-0と、1に貼り付くstuck-at-1の2種です。k個のゲートへ分岐する配線は、幹と枝を合わせてk+1か所の故障の場所を持ちます。

なぜよく使われるのですか?

型が単純なので故障の総数が数えられ、テストパターンを機械で作れるからです。数が扱える範囲に収まり、テストの品質も許容できる水準になります。

短絡や開放も拾えますか?

一部は拾えます。電源や接地とのショートは縮退そのもので、配線が切れて片側が固定電位に落ち着けば、開放も縮退として姿を見せることがあります。

取りこぼすのはどんな故障ですか?

遅延故障(Delay Fault)です。縮退故障とは別の型として扱われ、配線間のブリッジも別の型です。

実物の欠陥は何に由来しますか?

マイクロダストのウエハ付着による不具合など、製造上で造り込まれる欠陥や材料不良です。

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