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故障モデルとは

故障モデルとは、チップ上で起きる故障を、テストで扱える型へ畳んだものです。 実物の欠陥は無数にありますが、型は数えられます。欠陥は形も場所も一つずつ異なるので、そのままではテストパターンを作る手がかりにしにくいのです。型を数えられれば、その一つずつに届くパターンを機械で作れます。その代わり、パターンが拾うのは型に収まった欠陥だけなので、どの型を選ぶかがテストの届く範囲とコストを決めます。

故障の種類を、縮退・ブリッジ・オープン・遅延の型に畳む

Section titled “故障の種類を、縮退・ブリッジ・オープン・遅延の型に畳む”

故障モデルはチップ上で発生する故障のモデルで1、種類には縮退故障(Stuck-at Fault)・短絡(ブリッジ)故障(Bridging Fault)・開放(オープン)故障(Open Fault)・遅延故障(Delay Fault)などがあります。縮退はノードが0か1に貼り付く型、ブリッジは配線どうしが短絡する型、オープンは配線が途中で切れる型、遅延は信号が締め切りに遅れる型です。

故障モデルの4つの型
縮退故障論理値が常に同じブリッジ故障配線どうしが短絡オープン故障配線が途中で切れる遅延故障締め切り正常遅れて変化配線故障箇所
縮退は信号線の論理値が常に同じになり、ブリッジは隣の配線と短絡し、オープンは配線が途中で切れ、遅延は信号の変化が締め切りに間に合いません。

テストパターンは、縮退故障(信号線の論理値が常に同じになる)などの故障モデルを想定して不良を検出する1ように作ります。多くの企業では、縮退故障と遷移故障が基本の型として使われてきました2。

微細化により、配線間のブリッジは起こりやすくなっています1。型の重みは、世代とともに移ります。

型に収まった欠陥だけを、そのパターンが拾う

Section titled “型に収まった欠陥だけを、そのパターンが拾う”

初期故障の原因の大半は、マイクロダストのウエハ付着による不具合など、製造上で造り込まれる欠陥や材料不良です3。

この実物の欠陥を型へ畳むと、故障の総数が数えられます。数えられれば、その一つずつに届くテストパターンをATPGで機械的に作れます。型に収まった欠陥だけを、そのパターンが拾います。型の選び方が、そのままテストの届く範囲になります。

型が覆う範囲と、型の外の欠陥
物理欠陥縮退・遷移ブリッジセル近傍型に収まる欠陥どの型にも入らない欠陥基本の型追加の型
パターンが拾うのは、選んだ型の範囲に入る欠陥だけです。ブリッジやセル近傍の型を足すと範囲は広がりますが、どの型にも入らない欠陥は残ります。

基本の型に加えて、設計データから型を作る方法もあります。配線の故障モデルは、設計レイアウトから物理欠陥の起こりうる場所を割り出して作ります2。同じ資料には「セル近傍(cell neighborhood)」故障と呼ばれる型も出てきます。縮退と遷移を狙うパターンは従来、検出した故障の数を目標にしてきましたが、Siemensはブリッジ故障に寄生成分にもとづく重みを付けられるとしています。

型を増やすほど、届く範囲とともにテスト時間と過剰検出が増える

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型に収まらなかった欠陥は、そのパターンの外へ落ちます。型を増やせば届く範囲は広がるものの、パターン数とテスト時間が伸びてコストへ乗ります。縮退だけを相手にするなら、パターンの数はノード数に比例した規模で済みます。遅延まで相手にすると、速度を振った測り方が加わります。コンカレントテストはテストコスト削減策の一つで1、型を増やして伸びた時間を並列で畳み返す手です。

過剰検出は、テスト条件の過度の厳しさにより本来良品のデバイスを不良品とすることです1。型を増やすほど、この危険も一緒に増えます。条件を厳しくすれば取り残しは減りますが、本来良品を弾く分が増えます。

故障モードは症状の分類、故障モデルはテストで追う型

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故障モードには開放・短絡・リーク電流増大3・ソフトエラーがあり、これは製品に出た症状の分類です。故障モデルは、その姿をテストで追うための型です。同じ「短絡」でも、モードとしては症状、モデルとしてはパターン生成の前提になります。

故障率曲線は、初期故障期間・偶発故障期間・摩耗故障期間の三つに分けられます。どの期間を相手にするかで、選ぶ型も測り方も移ります。

信頼性の分野では、寿命を予測する式も故障モデルと呼ぶ

Section titled “信頼性の分野では、寿命を予測する式も故障モデルと呼ぶ”

同じ「故障モデル」という言葉は、信頼性の分野では寿命の式を指します。出発点は、ものの破壊や劣化は原子や分子のレベルの変化に起因する3という見方です。アレニウスの反応論モデルを発展させ、温度以外に電圧ストレスや機械的ストレスの影響も考えた故障モデルがアイリングモデルです3。

TDDBの破壊時間と電界・温度
破壊時間(対数)電界強度低温高温
TDDB試験の結果の一例では、電界強度が大きいほど、また温度が高いほど、破壊時間が短くなっています。

TDDBの試験結果の一例では、破壊時間は電界強度が大きくなるか、温度が高くなると短くなります3。テストの故障モデルが「どこが壊れたか」を型にするのに対し、信頼性の故障モデルは「どのストレスでいつ壊れるか」を式にします。前者はパターンの作り方を、後者は試験条件から寿命を読む方法を決めます。

故障モデルとは何ですか?

チップ上で発生する故障のモデルです。実物の欠陥を、テストで扱える型へ畳んだものです。

どんな型がありますか?

縮退故障・短絡(ブリッジ)故障・開放(オープン)故障・遅延故障などがあります。多くの企業では、縮退故障と遷移故障が基本の型として使われてきました。

なぜ型に畳むのですか?

実物の欠陥は形も場所も無数にあります。型に落とすと数が数えられ、テストパターンを機械で作れます。

ブリッジ故障とは何ですか?

配線間がブリッジしたことによりショートした故障です。微細化により、配線間のブリッジは起こりやすくなっています。

型に収まらなかった欠陥はどうなりますか?

その型から作ったパターンの外へ落ちます。別の型か、別の測り方が要ります。

実物の欠陥は何に由来しますか?

マイクロダストのウエハ付着による不具合など、製造上で造り込まれる欠陥や材料不良です。

故障モードとは何が異なりますか?

故障モードは症状の分類で、開放・短絡・リーク電流増大・ソフトエラーがあります。故障モデルは、それをテストで追う形に直した型です。

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