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ウェーハ加工損傷エッチングとは

ウェーハ加工損傷エッチング(Wafer Damage Removal Etch)とは、スライシングやラッピングでできた損傷層を、化学反応で取り除く工程です。 機械加工の傷や内部損傷を減らし、その後の鏡面研磨に適した面を作ります。機械的な力を加えずに損傷層を除ける代わりに、基板全体の厚さが減ります。条件を決める変数は除去量で、前の加工が作った損傷の深さと、次の研磨で残す厚さを合わせて決めます。

機械加工が表層に残した損傷を、薬液で溶かして除く

Section titled “機械加工が表層に残した損傷を、薬液で溶かして除く”
処理前と処理後の断面
処理前健全な結晶傷と欠陥を含む損傷層処理後薬液で溶かす除去量損傷層を除いた面損傷層シリコン結晶傷・欠陥
機械加工で傷と結晶欠陥が入った表層を薬液で溶かして除き、表面を除去量の分だけ下げます。

SensoTechは、ソーで切る工程では機械的な応力で表面に損傷と残渣が生じ、損傷層には機械的に入った結晶欠陥が大量にたまっているとしています1。同社はこの層を次の加工の前にエッチングとテクスチャ処理で取り除く必要があるとし、残すと太陽電池の寿命が縮むと説明しています。

シリコンウェハの製造では、SUMCOが前工程までにウェーハ表面についた機械加工によるダメージを取り除くため、化学的なエッチングを行いますとしています2。順番は、切断と粗研磨を終えた基板を薬液でエッチングし、機械加工の傷を除いてから研磨へ進む流れです。損傷のある表層を除去したらリンスし、鏡面研磨と洗浄へ進みます。

同じウェットエッチングでも、回路パターンを作る選択エッチングとは目的が異なります。

除去量は、損傷を取り切り、厚さを残す範囲で決める

Section titled “除去量は、損傷を取り切り、厚さを残す範囲で決める”
除去量の3つの場合
損傷の深さ元の表面除去不足損傷が残る適正損傷なし、厚さを保つ除去過多除去量厚さと平坦度が変わる
損傷の深さに届かなければ傷が残り、大きく越えれば厚さと平坦度が変わります。除去量はその間で決めます。

除去量が足りなければ、損傷が深く残って後の強度や結晶品質に影響します。除去しすぎると、厚さと平坦度が変わります。そのため終点は、前工程で入った損傷の深さと、後工程が必要とする厚さと形状から決めます。管理する項目は、除去量、液の状態、面内均一性と外周形状です。

処理後は、損傷層や対象膜が必要な量だけ除去されたかを、厚さ、平坦度、粗さ、下地損傷で確かめます。除去量を増やすと損傷は減りますが、厚さの余裕を失います。

実際の除去量の例として、SPSはFraunhofer ENASのDr. K. Gottfriedの研究を挙げています。HNO₃/HF/CH₃COOHの混合液を同社のPOLOS Advanced Spin Stationで使うスピンエッチングにより、シリコンを10µm除去し、研削で入った基板の損傷をほぼ完全になくした3という結果です。

太陽電池の量産槽では、アルカリか酸の液を使い、エッチ量を重さで量る

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バッチ槽と枚葉スピン
バッチ槽新液を足す古い液を抜くN400は1槽400枚枚葉スピン薬液を盛る1枚1〜7,000rpm、両方向薬液ウェーハチャック
バッチ槽は多数のウェーハを同じ液に浸し、新液を足して古い液を抜きながら使います。枚葉スピンは1枚に薬液を盛り、回転数と向きを変えて処理します。

RENAは、太陽電池向けのバッチ装置BatchEtch Nで、ソーによる損傷を除くSDR(Saw Damage Removal)を全自動で行い、KOHなどのアルカリ液か、HF/HNO3などの酸性液でエッチングするとしています4。槽の大きさは3種類で、N400は1槽400枚、N200は200枚、N50は50枚です。

液の状態の管理について、RENAはBatchEtch Nがはかりでエッチ量を自動で測り、pHや導電率のセンサーで工程を監視するとしています。新液を足しながら古い液を抜くfeed-and-bleed機能で、液の寿命を長く保つとも説明しています。

裏面研削のあとでは、CMPに代えてスピンエッチを使う方法もある

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損傷を除く必要は、ウェーハを作る工程だけでなく、デバイスを作ったあとのウェハ薄化(バックグラインド)にもあります。薄化は、粗研削で厚みを落とし、仕上げ研削で面粗さと加工変質層を減らし、応力除去で残留応力を下げる順に進めます。SPSは、ICとMEMSの製造で重要な工程である裏面研削の後処理に、スピンエッチングを使うとしています。

SPSは、CMPと比べたスピンエッチングの利点に、装置構成が簡単で費用を抑えられること、処理時間が大幅に短いこと、エッチレートが高く調整もできること、裏面研削したウェーハを追加の洗浄なしでそのまま処理できることを挙げています。同社の装置は100mm、150mm、200mmのウェーハに対応し、液を表面に盛るパドルエッチングで、回転数を1〜7,000rpmの範囲で変え、チャックを時計回りと反時計回りの両方に回せるとしています。

ウェーハ加工損傷エッチングは何をする工程ですか?

スライシングやラッピングでできた損傷層を、化学反応で取り除く工程です。機械加工の傷や内部損傷を減らし、その後の鏡面研磨に適した面を作ります。機械的な力を加えずに除ける代わりに、基板全体の厚さが減ります。

どの段階で行いますか?

切断と粗研磨を終えた基板を薬液でエッチングし、損傷のある表層を除去してリンスしたあと、鏡面研磨と洗浄へ進みます。回路パターンを作る選択エッチングとは目的が異なります。裏面研削で薄くしたデバイスウェーハや、太陽電池用のスライスしたウェーハにも同じ目的のエッチングを使います。

どこを管理しますか?

除去量、液の状態、面内均一性と外周形状を管理します。損傷が深く残ると後の強度や結晶品質に影響し、除去しすぎると厚さと平坦度が変わります。量産の槽では、重量でエッチ量を自動で測り、pHや導電率のセンサーで液を監視する装置があります。

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  2. 2
    SUMCOsumcosi.com ・ 2026年10月12日閲覧 ↩
  3. 3
    SPS:Spin Etchingspincoating.com ↩
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