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計算機リソグラフィとは

計算機リソグラフィとは、マスクの形や光源の形を、計算機で求める手法です。 解像限界では回折でマスクパターンの再現が崩れ、描いた形と焼けた形がずれるため、焼き上がりから逆算して元の形を決めます。答えの質を決めるのはモデルの精度で、代わりに求めたマスクの形は複雑になり、計算量と描画・検査の手間が増えます。

欲しい形が焼けるマスクを、ILTで逆算する

Section titled “欲しい形が焼けるマスクを、ILTで逆算する”

解像限界になると、回折現象でマスクパターンがウェーハ上に忠実に再現されなくなります1。角は丸まり、端は縮みます。ASMLは、130 nmの技術の導入で、この変形への対処が欠陥を防ぐために欠かせなくなったとしています2。

ILTで逆算したマスク
マスクウェーハに焼けた形目標と同じ形角が丸まる端が縮む補助図形を足し、形を崩したマスク目標に重なる破線=目標の形
目標の形をそのまま描くと、回折で角が丸まり端が縮みます。ILTは焼けた形が目標に重なるように、マスクの形を逆に崩して求めます。

ILT(Inverse Lithography Technology)は、最終的に求めるパターン形状になるようにマスクパターンや位相を変化させる技術です。欲しい形を描く代わりに欲しい形が焼けるマスクを求めるので、マスクには元の図形から離れた形が載ります。ASMLは、リソグラフィとパターン形成で起きる物理的・化学的な効果を打ち消すために、パターンを意図して変形させてマスクを最適化するとしています。

答えの正しさは、装置とテストウェーハで校正したモデルで決まる

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逆算には、焼き上がりを予測するモデルが要ります。ASMLの計算機リソグラフィは、製造工程をアルゴリズムで表したモデルを、自社の露光装置とテストウェーハから取った主要なデータで校正して使います。そのモデルで、露光装置、マスク、工程を、製造しやすさと歩留まりに向けて最適化し、設計と技術開発の初期にも、のちの量産にも使うとしています。

補正の対象になった寸法
1 nm10 nm一桁nm量産で結像する寸法130 nm補正が欠かせなくなった世代10 nm以下ArF液浸+マルチパターニング1 nm未満:1Dパターンの精度要求寸法(対数)→
ASMLは、変形の補正が欠かせなくなったのは130 nmの技術からで、いまの量産では一桁nmの寸法まで結像し、単純な1Dパターンの精度要求は1 nm未満だとしています。

求められる精度は寸法とともに上がります。ASMLは、パターンが縮むほどモデルへの精度要求が増え、量産では一桁nmの寸法まで結像し、単純な1Dパターンでは1 nm未満の精度が求められるとしています。チップメーカーが微細化を続けるにつれて問題と複雑さが増し、より高度な手法が要ってきたというのが、ASMLの見立てです。

SMOは光源とマスクを同時に動かし、マージンを広げる

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SMO(Source Mask Optimization)は、光源形状とマスクパターンを最適化して、解像性や焦点深度などのプロセスマージンを改善する技術です。光源の形を固めてからマスクを選ぶと、光源側に残っていた余地がそのまま眠ります。両方を同時に動かすと、より広いマージンへ届きます。

光源の形
輪帯ダイポール任意形状(SMO)照明の瞳(光源の形)
輪帯やダイポールは形を先に決めた光源です。SMOはマスクと同時に光源の形そのものを解として求め、任意の絞り形状も適用されています。

近年はSMOで任意の絞り形状も適用されています。既成の輪帯やダイポールを離れて、形そのものを解として求めます。

波長とNAが変わらない世代では、k1を下げる作り込みが計算へ移った

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解像性向上手法には、斜入射照明、位相シフト、SMO手法、高解像レジストの採用などが含まれます。Low k1露光はレイリーの式のプロセス定数k1の小さい露光で、解像性向上手法と同義です。装置の波長と開口数が変わらない世代では、k1を押し下げる作り込みが解像度の伸びしろになり、その作り込みの多くが計算の側へ移りました。

ニコンは、液浸露光方式やマルチプルパターニングを取り入れてArF露光装置の解像度を向上させ、10nm以下のプロセスノードまで微細化を実現したとしています3。マルチプルパターニングは、露光を繰り返すことで回路の密集度を高める技術です。計算で押し込む道と、回数で押し込む道が並び立っています。

複雑なマスクと計算量を払い、計算の対象は計測と検査へ広がる

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求めた形が複雑になるほど、マスクを描く時間が伸びます。細かい補助図形が増えれば、欠陥を調べる手間も増えます。光源とマスクを同時に最適化すれば計算量が跳ね上がり、品種ごとにやり直すことになります。任意形状の照明まで使えば自由度は最大になりますが、装置側の対応と検証の負担を抱えます。

ASMLは、計算の力をリソグラフィから光学計測と電子ビーム検査、さらに機械学習の応用へ広げているとしています。

計算機リソグラフィとは何ですか?

ILTやSMOなどの超解像手法を適用する場合に、計算機を駆使してマスク形状や光源形状を見積もる手法です。ASMLは、装置とテストウェーハのデータで校正した製造工程のモデルを使うとしています。

なぜ必要になるのですか?

解像限界になると、回折現象でマスクパターンがウェーハ上に忠実に再現されないためです。ASMLは、130 nmの技術の導入で、この変形への対処が欠陥を防ぐために欠かせなくなったとしています。

ILT とは何ですか?

最終的に求めるパターン形状になるように、マスクパターンや位相を変化させる技術です。焼き上がりから逆算するので、マスクには目標から離れた形が載ります。

SMO とは何ですか?

光源形状とマスクパターンを最適化して、解像性や焦点深度などのプロセスマージンを改善する技術です。

何が改善されますか?

解像性や焦点深度などのプロセスマージンです。ASMLは、露光装置、マスク、工程を、製造しやすさと歩留まりに向けて最適化するとしています。

何を払いますか?

計算量です。マスクの形が複雑になるほど、描画と検査の手間も増えます。寸法が縮むほどモデルに求める精度も上がり、ASMLは単純な1Dパターンで1 nm未満の精度要求があるとしています。

絞りの形も自由になりますか?

なります。近年はSMOで任意の絞り形状も適用されています。

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