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LDMOSとは

LDMOSとは、ドレインへ向かうドリフト層を基板の表面に沿って横へ伸ばしたMOSFETです。 3つの端子がすべて上面に並びます。パワーMOSFETの多くは縦型ですが、横型を使うのは、ロジックのCMOSと同じ基板の上へ制御回路と一緒に作り込めるからです。代わりに払うのは面積で、耐圧を上げるほどドリフトが横へ伸び、理想のオン抵抗は耐圧の2.5乗で増えます。LDMOSが数十Vから数百Vに収まるのは、この代償の大きさで決まっています。

横型は、電流を表面に沿って流し、ドリフトの長さで耐圧を持つ

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横型と縦型の断面
横型(LDMOS)ソースゲートドレインpボディnドリフトドリフト長=耐圧基板縦型ソース・ゲートドリフトドレイン(裏面)
LDMOSは端子をすべて表面に置き、ドリフトを横へ伸ばして耐圧を持たせます。縦型は裏面をドレインに使い、電流を広い面積へ分散させます。

横型ではソースとドレインが同一平面上に配置され、電流が半導体表面に対して平行(横方向)に流れます1。縦型は上面にソースとゲートの2つの端子があり、ドレインが裏面に配置され、電流が表面に対して垂直(縦方向)に流れます。

LDMOSでは、ゲートの下のpボディからドレインまでの間に、濃度の低いnドリフトを横へ伸ばします。この長さが耐圧を受け持ちます。電流路も耐圧を受け持つドリフトも表面にあるので、耐圧を上げるほどチップの面積を使います。

パワー用途で縦型が多いのは、電流を広い領域に分散できるから

Section titled “パワー用途で縦型が多いのは、電流を広い領域に分散できるから”

東芝デバイス&ストレージは、縦型は低オン抵抗と高耐圧を両立しやすく、パワー用途に適していますとしています1。電流が広い領域に分散するため、大電流に対応しやすいからです。面積あたりに流せる電流は、縦型のほうが上です。

プレーナーゲート構造、トレンチゲート構造、スーパージャンクション構造は、いずれも縦型の選択肢です1。集積を取るか、面積あたりの電流を取るかで道が分かれます。

オン抵抗は、耐圧の2.5乗で増える

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理想の特性オン抵抗
特性オン抵抗(対数)耐圧 BV(対数)Si4H-SiC約316倍耐圧 10倍約3,000分の1傾き 2.5
理想の特性オン抵抗は耐圧の2.5乗で増え、耐圧を10倍にすると約316倍になります。4H-SiCの線は同じ傾きのまま、Siの約3,000分の1の位置にあります。

理想の特性オン抵抗はRon,sp=4⋅BV2/(εS⋅μ⋅EC3)R_\mathrm{on,sp} = 4\cdot\mathrm{BV}^2 / (\varepsilon_\mathrm{S}\cdot\mu\cdot E_\mathrm{C}^3)で表され、Siのnチャネルでは5.93×10−9⋅BV2.55.93\times10^{-9}\cdot\mathrm{BV}^{2.5} (Ω・cm²)になります2。この式に当てはめると、耐圧を10倍にすれば特性オン抵抗は10の2.5乗、約316倍になります。耐圧の2.5乗という増え方は、横型でも同じ物理から来ます。LDMOSが数十Vから数百Vの範囲で使われるのは、この面積の代償が許せる範囲だからです。

4H-SiCの理想値は1.96×10−12⋅BV2.51.96\times10^{-12}\cdot\mathrm{BV}^{2.5} (Ω・cm²)です2。2つの係数を比べると、同じ耐圧でSiの約3,000分の1になります。材料を替えれば、同じ耐圧に要る面積が桁で縮みます。

制御回路と出力段を、1つのチップに収める

Section titled “制御回路と出力段を、1つのチップに収める”

LDMOSはロジックのCMOSと同じ製造ラインへ載るので、ドライバや保護回路と一体のパワーICを作れます。モータドライバや電源ICのように、1つのチップへ制御と出力段を収める用途がLDMOSの使いどころです。

横型にすれば部品点数と実装の面積が減ります。その代わり電流路が表面に限られ、面積あたりの電流は縦型に及びません。ドリフトを長くすれば耐圧は上がりますが、面積とオン抵抗もその分増えます。表面の構造だけで作れるので工程は軽いものの、放熱は表面側の配線とパッケージに頼ります。選ぶ基準は、出力段を制御回路と同じチップに載せる価値が、面積の代償を上回るかどうかです。

LDMOS とは何ですか?

ドレインへ向かうドリフト層を基板の表面に沿って横へ伸ばしたMOSFETです。3つの端子がすべて上面に並びます。

縦型と何が異なりますか?

横型ではソースとドレインが同一平面上にあり、電流が表面に平行に流れます。縦型では裏面にドレインがあり、電流が表面に垂直に流れます。

なぜパワー用途では縦型が多いのですか?

縦型は低オン抵抗と高耐圧を両立しやすく、電流が広い領域に分散するため大電流に対応しやすいからです。

LDMOS の強みは何ですか?

ロジックのCMOSと同じ基板の上へ作り込めることです。制御回路と出力段を1つのチップへ収められます。

耐圧を上げると何が起きますか?

横へ伸ばすドリフト層が長くなり、面積が増えます。理想特性オン抵抗は耐圧の2.5乗で増え、式に当てはめると耐圧10倍で約316倍になります。

どの耐圧域で使いますか?

数十Vから数百Vの範囲が主です。面積の代償が許せる範囲に収まるからです。

どんな製品に入っていますか?

モータドライバや電源ICのように、制御と出力段を1つのチップへ収める製品です。

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