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IGBTとは

IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)とは、MOSゲートで開閉し、導通中はバイポーラ動作で電流を流すパワー半導体です。 駆動のしやすさと低い導通損失を1つの素子に載せています。電力用のスイッチには、ゲートを軽い信号で開閉したい要求と、開いているあいだの電圧降下を小さくしたい要求があり、IGBTは入口と中身に別々の仕組みを割り当てて両方に応えます。選ぶ側が決めるのは、耐圧と電流のクラス、そして素子単体かモジュールかという形です。

MOSゲートは駆動が軽く、バイポーラ動作は電圧降下が小さい

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入口はMOS、導通はバイポーラ
エミッタMOSゲート絶縁膜チャネル電子厚いドリフト層少数キャリアで満たすコレクタ層少数キャリアを注入コレクタ
ゲートは絶縁膜をはさんだMOS構造なので、電圧だけで開閉できます。導通中はコレクタ側から少数キャリアが注入され、厚いドリフト層の実効抵抗が下がります。耐圧を持つ役と電圧降下を抑える役が、別々に割り当てられています。

MOSゲートは、軽い信号で開閉したい要求に強い構造です。ゲートが絶縁されているため、電圧をかけるだけで状態が変わり、駆動回路は小さく済みます。ところがMOS構造だけで高い耐圧を得ようとすると、ドリフト層を厚く低濃度にする必要があり、導通中の抵抗が耐圧の増加に対して急に増えます。

バイポーラ動作は、電圧降下を小さくしたい要求に強い動作です。導通時に少数キャリアを注入すればドリフト層の実効的な抵抗が下がり、厚い層のまま電圧降下を抑えられます。そのかわり駆動には電流が要ります。

IGBTは、この2つを1素子に重ねます。入口はMOSゲートで、導通はバイポーラです。Infineonは、IGBTはバイポーラトランジスタの大電流と高い阻止電圧に、MOSFETの容量性でほぼ電力の要らない制御を組み合わせたもの1だとしています。

耐圧と電流の組み合わせで、選べるクラスが絞られる

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三菱電機のIGBTモジュール
定格電圧(V)定格電流(A)NXタイプ標準タイプ多レベル用LV100タイプHVIGBT標準65017006500356002400
三菱電機のIGBTモジュールは、タイプごとに定格電圧と定格電流の範囲が決まっています。系統の電圧と負荷の電流が決まると、選べるタイプはほぼ絞られます。

パワー半導体は、耐圧と電流の組み合わせで用途が決まります。三菱電機のIGBTモジュールは、NXタイプが定格電圧650V〜1700V/定格電流35A〜1000A、標準タイプが650V〜2000V/75A〜600A、多レベルインバータ用が1200V〜1700V/185A〜1200A、HVIGBTモジュール標準タイプが1700V〜6500V/600A〜2400Aです2。LV100タイプは1200V〜2000V/800A〜1800Aです。

富士電機の第7世代Xシリーズは650V/1200V/1700Vです3。Infineonは、自社のIGBTが最大6.5 kVの電圧に耐え、2 kHzから50 kHzのスイッチング周波数で動くとしています1。系統電圧と負荷電流が決まれば、選べるクラスはほぼ絞られます。

素子単体からモジュールまで、形で放熱と絶縁を選ぶ

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Infineonは車載認定IGBT、IGBTベアダイ、IGBTディスクリート、IGBTモジュール、IGBTプレスパックを並べています。ディスクリートは用途別のIGBTチップを小さなパッケージに収めたもので、単体品と還流用のダイオードを組み合わせた品があります。同社は、ディスクリートの電流密度が高く損失が小さいため、効率が上がりヒートシンクを小さくできるとしています。IGBTの電力モジュールは、さまざまな回路構成のIGBTとダイオードのダイを1つの筐体に収め、高い電力密度とヒートシンクへの絶縁を与えます1。

車載向けでは、Infineonはスイッチング損失を増やさずに飽和電圧を下げた車載用IGBTディスクリート1を出しています。AEC-Q101認定の車載IGBTには、EDT2などのIGBT技術を載せたHybridPACKとEasyPACKの製品群があります。

用途は、インバータ、中電圧インバータ、NC・サーボ、鉄道、風力発電、太陽光、溶接機、UPS、スイッチング電源、PC・サーバ、薄型テレビ、自動車、LED照明、エアコンに及びます。Infineonは汎用インバータ、太陽光インバータ、EV充電設備、UPS、誘導加熱、大型家電、溶接機、スイッチング電源を挙げています。

富士電機の第7世代は、素子を薄くして損失とチップ温度を下げた

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富士電機は第7世代Xシリーズで、モジュールを構成するIGBTとダイオードの素子を薄型化・小型化して素子構造を最適化したとしています3。第6世代Vシリーズの75A品をキャリア周波数8 kHzで比べて、インバータ損失10%低減、チップ温度11℃低減とし、モジュールはおよそ36%の小型化を実現したとしています。

素子を薄くすると、電流が通る距離が縮んで導通損失が下がります。損失が下がればチップ温度も下がり、同じ冷却で扱える電流が増えます。富士電機が第7世代の改善として並べたのは、損失、温度、大きさの3つです。

この用語に対応する装置と製造メーカー

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装置カタログDBから、この用語に一致する製品familyを持つメーカー 1社/1family を引いています。 各行は各社の公式製品ページを出典とします。 DBからの生成日: 2026-08-23

出典は各社の公式製品ページです。 装置カタログDB では、同じ製品familyを工程・メーカー横断で検索できます。

IGBTとは何ですか?

Insulated Gate Bipolar Transistorの略で、絶縁ゲートバイポーラトランジスタと訳します。MOSゲートで駆動し、内部はバイポーラ動作で電流を流す構造です。

なぜMOSとバイポーラを組み合わせるのですか?

駆動のしやすさと導通損失を両立させるためです。MOSゲートは電圧をかけるだけで開閉でき、駆動回路が小さく済みます。導通中はバイポーラ動作で少数キャリアを注入し、高い耐圧のまま電圧降下を抑えます。

どの耐圧クラスがありますか?

富士電機の第7世代Xシリーズは650V/1200V/1700Vです。三菱電機のIGBTモジュールNXタイプは650V〜1700V/35A〜1000A、HVIGBTモジュール標準タイプは1700V〜6500V/600A〜2400Aです。Infineonは、自社のIGBTが最大6.5 kVに耐えるとしています。

世代が進むと何が変化しますか?

富士電機は第7世代Xシリーズで、モジュールを構成するIGBTとダイオードの素子を薄型化・小型化し、第6世代Vシリーズと比べてインバータ損失10%低減、チップ温度11℃低減、およそ36%の小型化を実現したとしています。

どんな形で売られていますか?

車載認定IGBT、IGBTベアダイ、IGBTディスクリート、IGBTモジュール、IGBTプレスパックがあります。Infineonのディスクリートには単体品と還流ダイオードとの組み合わせ品があり、同社のモジュールは複数のIGBTとダイオードのダイを1つの筐体に収めます。

どこで使われますか?

インバータ、中電圧インバータ、NC・サーボ、鉄道、風力発電、太陽光、溶接機、UPS、スイッチング電源、PC・サーバ、薄型テレビ、自動車、LED照明、エアコンです。Infineonは、EV充電設備や誘導加熱、大型家電も挙げています。

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  1. 1
    Infineon:IGBTinfineon.com abcd
  2. 2
    三菱電機:Power Modulesmitsubishielectric.com ↩
  3. 3
    富士電機:IGBTfujielectric.com ab