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ビアボイドとは

ビアボイドとは、上下の配線をつなぐ穴の中に残る空洞です。 導通する断面が減るため、抵抗が上がり、やがて断線へ向かいます。穴が細く深くなるほど、材料は底まで届きにくくなります。埋めた後にも、熱と応力が原子を動かして新しい空洞を作ります。そのため対策は、埋める工程と、埋めた後の原子の動きの両方に打つことになります。

穴の口が先に塞がると、中に空洞が残る

Section titled “穴の口が先に塞がると、中に空洞が残る”
ボイドができる2つの時点
埋める途中埋めた後口が塞がるシードの張り出し空洞下層配線絶縁膜上層配線下層配線くさび状ボイド熱処理・応力
埋める途中では、穴の上端に張り出したシード層が口を塞ぎ、中が埋まらずに空洞が残ります。埋めた後でも、熱処理でくさび状のボイドが出たり、引張応力で原子が動いてボイドができたりします。

ビアは上下の配線をつなぐ縦の経路で、ここに空洞が残ると、電流が通る断面がその分だけ減ります。埋め残しの一つは穴の口が底より先に閉じる場合で、銅のシード層の張り出しが原因になります。ビアや溝の寸法が縮むにつれて、PVDによる成膜は被覆の均一さが足りずに限界を迎えます1。穴の上端に張り出しが大きく付くと開口が狭まり、これを「ピンチオフ」と呼びます1。シード層がこう狭まると、ごく小さな構造に銅が十分に入らず、ボイドと信頼性の低下を招きます1。

埋め方を変えて口を開けておく対策があります。Novellusは2009年、イオン密度とイオンエネルギーの釣り合いを取ったシード工程で、側壁に沿って付ける成膜ではなく底から埋まる成膜にしたとしています1。同社は、この方法がめっき前のアスペクト比を下げ、ボイドのない銅埋め込みの工程余裕を広げるとしています1。穴の形でも差が出ます。NISTの研究では、ある種の電解液で、側壁に傾斜のある溝やビアに均一に析出させると、形状による平坦化の効果でボイドの発生が減りました2。

めっきの電位を強くしすぎると、穴の中のイオンが尽きて空洞になる

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貫通穴の埋まり方
中央に析出径方向に成長中央でつながる縦に埋まるイオン枯渇止まり穴2つ適切な電位強すぎる電位空洞が残る
適切な電位では、穴の中央に析出した銅が側壁どうしをつなぎ、2つの止まり穴を縦に埋めて閉じます。還元の強すぎる電位では、穴の中の金属イオンが尽きて空洞が残ります。

電解めっきで穴を埋める場合も、条件しだいで空洞が残ります。NISTのシミュレーションは、貫通穴(TH)とTSVを銅めっきで埋める過程を追いました。埋め込みは、くぼんだ部分の中でポリエーテルと塩化物が一緒に吸着した層が選択的に壊れることに依存します3。適切な電位や電流をかけると、析出は貫通穴の中央に集まります3。その後は径方向の析出が最も速く進み、穴の中央で側壁どうしがつながって2つの止まり穴ができます3。成長の先端はそこから主に縦方向へ進み、TSVの埋め込みと同じ形で貫通穴を埋め切ります3。

失敗の側も同じ研究が示しています。還元の強すぎる電位や電流をかけると、ビアの中で金属イオンが枯渇し、ボイドができます3。直径10 μmではなく85 μmの大きな貫通穴では、ビアの中の横方向の拡散の勾配によって、金属と電解液の界面に沿って析出の活発な部分と止まった部分が入れ替わることがあります3。

埋めた後も、熱処理と応力で空洞ができる

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ルネサスの公開ハンドブックは、製造工程の熱処理時にくさび状ボイドとなって出る高温短期モードがあるとしています4。同じハンドブックは、パッシベーション膜による引張応力で Al 原子が移動してボイドが形成され、最終的には断線に至るとも述べています。この空洞は、埋めた後にも進みます。同じハンドブックは、配線幅が細くなるほど起こりやすくなるとしており、世代が進むほど、この不良の頻度が上がります。

ボイドは、まず電気的にビア抵抗の上昇として表れます。OBIRCHのような手法なら、ビア部のボイドの位置を削る前に指し示せます。断面を作って観察するのは、その後の確かめです。ルネサスの公開ハンドブックは、スリット状ボイドとくさび状ボイドの故障例4を示しています。形から、低温長期か高温短期かを切り分けます。

対策は、埋める材料と、埋めた後の原子の動きの両方に打つ

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ルネサスの公開ハンドブックは、ビアホールにタングステンプラグ等を導入して、配線のエレクトロマイグレーション耐性の向上を図っているとしています4。同じハンドブックは、バリアメタルの適用と、Al 配線への Cu 添加による粒界拡散の抑制も挙げています。

穴の作り方を変える道もあります。imec は、完全自己整合ビアをセミダマシンの要の構成要素とし、約 7 nm のオーバーレイずれに対する耐性を実験で示しました5。

対策には抵抗の代償が付きます。タングステンのプラグで埋めれば、細い穴でも空洞が残りにくくなります。その代わり材料そのものの抵抗率が Cu より高く、ビア抵抗が上がります。バリアメタルを入れれば原子の移動を抑えられるものの、導通する断面を食います。Novellusも、バリアとシードの積層に密着層を加えると配線抵抗が上がり、デバイスの速度を損なうとしています1。

穴は細く深くなり、imecは20nmピッチ未満のCuデュアルダマシンを限界とする

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セミダマシンのアスペクト比
23456第1世代第2世代その先の目標アスペクト比(高さ÷幅)
セミダマシンのアスペクト比は、第1世代で2、第2世代で3を目標とし、その後4、5、6と続きます。幅が同じなら、その分だけ配線は縦に伸びます。

imec は、Cu のデュアルダマシンが 20 nm の金属ピッチを下回ると限界を迎えるとしています5。セミダマシンについては、第 1 世代でアスペクト比 2 を、第 2 世代で 3 を目標とし、その後 4・5・6 と続くとしています5。縦へ伸ばすほど、穴は細く深くなります。アスペクト比を上げれば配線の抵抗は下がりますが、穴を埋める難度が増します。

imec は、直接エッチングでは Cu の CMP が不要になるとしています。埋める工程そのものを避ける道もあります。

ビアボイドとは何ですか?

上下の配線をつなぐ穴の中に残る空洞です。導通する断面が減るため、抵抗が上がり、やがて断線へ向かいます。

いつできるのですか?

埋める工程で埋め残す場合と、その後の熱や応力で原子が動いてできる場合があります。埋める工程では、シード層の張り出しで穴の口が先に塞がると、中に空洞が残ります。

熱処理でも生じますか?

ルネサスの公開ハンドブックは、製造工程の熱処理時にくさび状ボイドとなって出る高温短期モードがあるとしています。

応力でも生じますか?

同じハンドブックは、パッシベーション膜による引張応力で Al 原子が移動してボイドが形成されるとしています。

対策は何がありますか?

同じハンドブックは、バリアメタルの適用、Al 配線への Cu 添加、ビアホールへのタングステンプラグを挙げています。埋める側では、Novellusが底から埋まるシード工程を挙げており、めっきでは電位が強すぎると穴の中のイオンが尽きて空洞ができます。

穴の作り方でも変わりますか?

imec は、完全自己整合ビアをセミダマシンの要の構成要素とし、約 7 nm のオーバーレイずれへの耐性を実験で示しました。側壁に傾斜のある穴では、ある種の電解液で空洞の発生が減ることも報告されています。

どうやって見つけますか?

断面を作って観察する手が基本です。電気的にはビア抵抗の上昇として先に出ます。

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