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Cu-CMPとは

Cu-CMPとは、ダマシン法で溝へ埋めた銅と、その下のバリアメタルを、絶縁膜の高さまで研磨で削り落とし、配線を1本ずつ切り離す工程です。 削り足りなければ表面の銅が配線どうしをつなぎ、削りすぎれば配線の断面が減って抵抗が上がります。歩留まりを決めるのは、この上下2つの制約の間の幅と、その中で研磨を止める精度です。そのためCu-CMPは、研磨しながら膜厚を測り、圧力を調整する閉ループの工程になっています。

研磨量には下限と上限があり、その間で止める

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研磨量と不良
研磨不足配線間が短絡表面に銅膜が残る適正絶縁膜の高さでそろう配線が1本ずつ分離過研磨広い線ほど深い上面が皿状にくぼむ断面が減り抵抗が上がる絶縁膜バリア銅
削り足りなければ表面の銅が配線どうしをつなぎ、削りすぎれば上面がくぼんで断面が減ります。アルミナ砥粒スラリーの測定例では、くぼみは広い配線ほど深くなりました。

ダマシン法では、溝を確実に埋めるため、溝の容積より多く銅を付けます。あふれた銅はウェーハの表面を連続した金属膜として覆います。この膜が残ったまま次の層へ進むと、隣り合う配線はすべてこの膜を通じて導通します。

ダマシン配線では、銅CMPが配線抵抗に直結する工程になります1。研磨の途中で、銅、バリアメタル、層間絶縁膜という性質の異なる3種類の膜が同時に露出するため、制御がさらに難しくなります。研磨量が足りなければ表面の銅膜が配線どうしを導通させたままになり、研磨しすぎるとディッシングとエロージョンで配線の断面が減り、抵抗が上がります。この2つの不良の間の範囲の広さと、その中で研磨を止める精度が歩留まりを左右します。

銅は錯体に変えてから削り、スラリーは銅用とバリア用に分ける

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CMPの機械的な作用はプレストンの式で表され、研磨速度は押し付ける圧力と、パッド・ウェーハ間の相対速度に比例します2。化学的な作用は材料ごとに違います。酸化膜はシリカ砥粒で共摺りし、アルカリ溶液で表面を滑らかにします。タングステンは酸化剤で表面を酸化してから砥粒で機械的に除去します。銅は酸化剤で酸化しながら錯化剤で錯体にし、その錯体を機械的に除去します。金属をそのまま砥粒でこすると傷が入るため、表面を柔らかい層に変えてから削ります。

2段の研磨と2つの終点
① 埋め込み後② 残膜厚の終点③ 銅を削り切る④ バリアを除去銅用スラリーバリア用スラリー絶縁膜バリア(Ta・TaN)銅
銅用スラリーで銅を狙った残膜厚まで薄くし、削り切った点で止め、バリアのTaやTaN膜はスラリーを替えて落とします。

Cu-CMPは2つのステップで進みます。銅を落とすときとバリアメタルのTaやTaN膜を落とすときでスラリーを分ける2段構えの研磨が、多くの現場で選ばれています1。銅とバリアで要る研磨特性が違うことが、CMPスラリーが2系統要る理由です。

スラリーの市場では、日立化成の売り上げの大半が、SiO2膜用のセリア砥粒品と、銅のバリアメタル用のシリカ砥粒品の2つです3。先端デバイスでは砥粒より細かいパターンを数ナノメートルの精度で削るため、スクラッチの抑制と平坦性の確保が最大の課題です。

渦電流センサで膜厚を測り、ゾーン圧力で面内をそろえる

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渦電流センサとゾーン圧力
トップリングエアバッグウェーハ金属膜(銅)パッドターンテーブル渦電流センサ膜厚から圧力を再計算
テーブルに埋めた渦電流センサが1周ごとにウェーハの下をくぐって金属膜厚を測り、その面内プロファイルからエアバッグのエリアごとの圧力を計算し直します。

CMP装置には、金属膜には渦電流方式のセンサ、絶縁膜には光の干渉を使う光学式のセンサが載ります4。渦電流方式のセンサはターンテーブル側に据えられ、ウェーハの中心が真上を通るので、テーブルが1周するたびにウェーハの下をくぐります。ウェーハ面上に導電膜があると磁力線が膜を通り、面上に渦電流が生じます。渦電流の大きさは金属膜の抵抗、つまり厚さで決まります。そのため、渦電流が作る逆向きの磁力線の強度を測ると膜厚が求まります。Cu-CMPでは、この出力から狙った残膜厚に達した点と、銅を削り切った点の2つの終点を取ります。

圧力を調整するのは、ウェーハを保持するトップリングの中のエアバッグです。エアバッグは複数のエリアに分かれており、エリアごとに圧力を変えてウェーハ面内の研磨レートを調整します。膜厚制御PCが面内の膜厚プロファイルを計算し、プレストン則に基づく適応制御で圧力を計算し直して、目標プロファイルに近づけます。

この往復が要るのは、研磨後の残膜厚の精度と面内均一性への要求が、数nm以下になりつつあるからです4。パッド、スラリー、ドレッサーのわずかな品質ばらつきや経時変化で研磨レートが変わるため、決められたレシピのままでは目標に届きにくくなっています。研磨しながら研磨レートを調整すれば、こうした経時変化があっても目標の残膜厚に近づけられます。

削りすぎは抵抗を上げ、研磨後の表面には多種の汚れが残る

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ディッシングとエロージョンはどちらも研磨しすぎたときに起き、配線抵抗を上げます。三菱電機の大崎明彦氏らが示した、アルミナ砥粒スラリーを使った1つの研磨条件での測定例では、広い配線ほどディッシング量が大きく1、配線シート抵抗の平均値と200mmウェーハ面内のばらつきが大きく増えました。

CMP後の基板表面には、研磨に使った砥粒の残り、配線材と絶縁膜の削り屑、パッドの屑といった汚れが付着し5、その種類の多さは従来の半導体製造プロセスをはるかに上回ります。バリアメタル用のスラリーにはBTAなどの防食剤が入っています。防食剤は研磨中の銅表面に保護膜を作って腐食を抑える一方、同じ膜が洗浄後も有機残渣として残る原因になります。1つの添加剤が、銅の保護と汚染の両方に関わります。

バリアの材料が変わると、溶ける金属と洗浄剤が変わる

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コバルトをバリアメタルに使うと、標準電極電位の低いコバルトをアノードとするガルバニック電池ができ、コバルトが選択的に溶けます。ルテニウムを使うと逆に銅がアノードになって溶けます。そのため、先端世代の細い配線層の洗浄には、主にアルカリ性の洗浄剤が使われます。Cu-CMPで選んだ材料が、洗浄工程の設計を左右します。

配線の微細化で銅の結晶粒も微細化し、粒界へのエッチング作用が強い洗浄剤では表面ラフネスが増える傾向があります5。

Cu-CMPとは何ですか?

ダマシン法で溝へ埋めた銅と、その下のバリアメタルを、絶縁膜の高さまで削り落として配線を1本ずつ切り離す研磨工程です。あふれた銅を落とすまで、隣り合う配線は表面の金属膜を通じて導通したままです。

なぜ銅の配線に研磨が要るのですか?

銅が反応性ガスで削りにくく、先に溝を掘って埋める方式を取るためです。溝を確実に埋めるには溝の容積より多く付けるので、あふれた分を落とす工程が必ず後ろに付きます。

Cu-CMPでは何を測っていますか?

金属膜の厚さです。ターンテーブル側の渦電流センサがテーブル1周ごとにウェーハの下をくぐり、渦電流が作る逆向きの磁力線の強度から膜厚を求めます。狙った残膜厚に達した点と、銅を削り切った点の2つを終点として取ります。

ウェーハ面内のばらつきはどう抑えますか?

トップリングの中のエアバッグの圧力で調整します。エアバッグは複数のエリアに分かれ、エリアごとに圧力を変えて面内の研磨レートを変え、プレストン則に基づく適応制御で目標のプロファイルに近づけます。

削りすぎると何が起きますか?

ディッシングとエロージョンが起き、配線抵抗が上がります。アルミナ砥粒スラリーの例では、広い配線ほどディッシング量が大きく、配線シート抵抗の平均値と200mmウェーハ面内のばらつきが大きく増えました。

なぜスラリーが2種類要るのですか?

銅とバリアメタルで必要な研磨特性が違うからです。銅を除去する工程とTaやTaN膜を除去する工程でスラリーを分ける2段階の研磨が、多くの現場で採用されています。

Cu-CMPの後に洗浄が要るのはなぜですか?

研磨後の表面に、研磨に使った砥粒の残り、配線材と絶縁膜の削り屑、パッドの屑が付着するためです。バリア研磨スラリーの防食剤BTAも有機残渣の原因になります。

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