Cuパッドディッシングとは
Cuパッドディッシングとは、CMPの後にCuのパッドが周りの誘電体より低く凹む量です。 ハイブリッド接合では、室温で誘電体どうしを先に接触させ、加熱してからCuを接触させる順序が要るため、この凹みを数nmだけ意図して残します。
許容幅は数nmしかありません。深すぎれば加熱してもCuが届かず、出っ張れば誘電体が浮きます。その数nmを、ウェーハ全面でそろえる必要があります。
普段は避ける凹みを、接合では数nmだけ残す
Section titled “普段は避ける凹みを、接合では数nmだけ残す”CMPでは柔らかいCuが周りより深く削れ、金属を削りすぎた凹みができます。配線では避けたいディッシングですが、接合面では逆に使います。imecは、Cuパッドの凹みをそろえ、Cuを誘電体の面より数ナノメートル低く保つことが、アニールの後にボイドのない接合を得るために必要としています1。2 μmピッチのダイ接合では、imecはCMPを最適化し、Cuパッドの凹みを2.5 nm未満に抑えた平滑な面を得ました2。
この面どうしを室温で重ねると、高い誘電体どうしが先に接触し、上下のCuはまだ離れています。加熱するとCuが膨張して凹みを埋め、上下のCuが接します。
深すぎても出っ張っても、接合は崩れる
Section titled “深すぎても出っ張っても、接合は崩れる”凹みが深いと、加熱した後もCuが離れたままです。上下の結線がそこで開き、その場所だけ導通を失います。逆にCuが誘電体より出っ張るとCuが先に当たり、誘電体どうしが離れたまま面全体が浮いて、接合の強度を失います。
許される幅は数nmで、しかもウェーハ全面でそろっている必要があります。場所によって凹みが異なれば、同じ加熱でも届く場所と離れたままの場所が混在します。
凹みはCMPのスラリーで調整する
Section titled “凹みはCMPのスラリーで調整する”ダマシン配線のCuの研磨は2段で進みます。FUJIFILM Electronic Materialsによると、Cu用のCMPスラリーは盛り上がったCuを削って下のダマシン配線を露出させ3、バリア用のスラリーはCuを除いた後に露出したバリアメタルを除いて、ウェーハ全面の膜を平坦にします。
同社は、Cuのハイブリッド接合の研磨向けに設計したスラリーを用意し、バリアメタルと層間絶縁膜を速く削れて、その速さと選択比を調整でき、Cuの凹みを調整できるとしています3。誘電体の角の丸まりと、パターンの粗密による段差も小さく抑えるとしています。
パッドが小さいほど、同じ凹みの影響が大きい
Section titled “パッドが小さいほど、同じ凹みの影響が大きい”同じ凹みでも、パッドが小さいほど相対的な影響が大きくなり、2 μmのパッドと400 nmのパッドでは許容できる値が異なります。imecによると、小さい結線ピッチでは誘電体にSiO2の代わりにSiCNが選ばれ、材料を替えればCMPの条件も見直しが必要です。ピッチを縮める工程は、リソグラフィだけでなくCMPの均一性も同じ割合で引き上げます。
凹みの深さは、アニールの温度と組で決まる
Section titled “凹みの深さは、アニールの温度と組で決まる”imecによると、250℃の接合後アニールで高い接合強度が得られ、この温度でCuが膨張して凹みを埋めます。凹みの深さが、加熱で埋まる量の範囲に収まっていることが条件です。温度を下げれば膨張も減るため、凹みをさらに浅くする必要があります。CMPの目標値とアニールの温度は組で定まり、2つを合わせて設計します。
浅くすれば出っ張りやすく、深くすれば熱を使う
Section titled “浅くすれば出っ張りやすく、深くすれば熱を使う”凹みを浅くすれば低い温度でCuが接触しますが、CMPの均一性への要求が厳しくなり、出っ張る危険も増えます。深くすれば余裕は増えますが、高い温度の加熱が必要になり、下の層の熱予算を使います。パッドを小さくするほど、許容幅はさらに狭くなります。
よくある質問(FAQ)
Section titled “よくある質問(FAQ)”Cuパッドディッシングとは何ですか?
CMPの後にCuのパッドが周りの誘電体より低く凹む量です。ハイブリッド接合では、この凹みを数nmだけ意図して残します。
なぜ凹ませますか?
室温で重ねたとき、誘電体どうしが先に触れるようにするためです。加熱するとCuが膨張し、凹みを埋めて上下が接します。
どのくらいの値ですか?
Cuは誘電体の面より数ナノメートル低く均一に仕上げます。imecはダイ接合で2.5 nm未満に抑えました。
深すぎるとどうなりますか?
加熱した後もCuが離れたままで、結線が開きます。そこだけ導通を失う不良になります。
出っ張るとどうなりますか?
Cuが先に当たり、誘電体どうしが離れたまま面全体が浮きます。接合の強度を失います。
均一さはなぜ要りますか?
場所によって凹みが異なると、同じ加熱でも届く場所と離れたままの場所が混在するためです。ウェーハ全面で数nmのそろいが要ります。
どうやって作りますか?
CMPの条件で決まります。ハイブリッド接合向けのCMPスラリーにはCuの凹みを調整できるものがあり、imecはCMPの最適化で平滑な面を得ました。
比較・違いを学ぶ
Section titled “比較・違いを学ぶ”- 接合後アニールとは── 凹みを埋める工程
- ディッシングとは── CMP で普通は避ける同じ現象
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