ハイブリッドボンドピッチとは
ハイブリッドボンドピッチとは、ハイブリッド接合の結線を配置する間隔です。 チップを重ねる利点は層の間でやり取りできる信号の量で決まり、同じ面積に入る結線の数はピッチの2乗に反比例して増えます。このためピッチが3D積層の主な指標になります。その代わり、ピッチを縮めるほど位置合わせと面の平坦さ、清浄さへの要求が厳しくなり、許される位置ずれはピッチと同じ割合で小さくなります。
結線の数はピッチの2乗に反比例し、ピッチが5分の1なら25倍になる
Section titled “結線の数はピッチの2乗に反比例し、ピッチが5分の1なら25倍になる”1本の結線が受け持つ面積はピッチの2乗なので、結線の数はピッチの2乗に反比例します。ダイ接合の2 μmとウェーハ接合の400 nmに当てはめると、ピッチは5分の1、同じ面積に入る結線は25倍です。結線が増えるほど層の間の帯域が増え、配線の距離が短いぶん、同じ帯域を低い電力で通せます。
はんだは10〜5 μmで限界とみられ、Cuの直接接合は2 μmから250 nmへ進んだ
Section titled “はんだは10〜5 μmで限界とみられ、Cuの直接接合は2 μmから250 nmへ進んだ”imecは、はんだを使うダイ接合は10〜5 μmのバンプピッチで限界に達するとみています1。マイクロバンプのはんだ球を配置する方式の、寸法の下限です。imecはそのうえで、CuとSiCNを直接接合するダイ接合でCuボンドパッドのピッチ2 μmを実証し1、ECTC 2024で発表しました。
2枚を丸ごと貼るウェーハどうしの接合は、さらに細かいピッチに届きます。imecの実証は、400 nmピッチで信頼性の高い結線を示したあと、300 nm、VLSI 2025では250 nmへ進みました2。imecは2026年5月にEVGと組んで200 nmピッチのウェーハ接合も示しています。はんだバンプとは桁の異なる水準です。
許される位置ずれはピッチの4分の1で、ピッチと同じ割合で縮む
Section titled “許される位置ずれはピッチの4分の1で、ピッチと同じ割合で縮む”接合工程に必要な位置合わせ精度はピッチの4分の1で、200 nmピッチなら50 nmです2。400 nmピッチなら100 nmになり、ピッチを半分にすると許される合わせの誤差も半分になります。密度を上げる工程は、接合装置の位置合わせと検査の精度を必ず同じ割合で要求します。
imecの300 nmピッチのウェーハ接合では、位置合わせ誤差が25 nm未満でした2。4分の1の目安である75 nmより小さい値です。2 μmピッチのダイ接合では、高速かつ高精度なピック&プレースが350 nm未満の位置合わせ精度を実現しました。同じ目安を2 μmに当てはめると500 nmで、その内側に入っています。装置の性能がそのまま歩留まりを左右します。
パッドが小さいほど、同じ凹みの影響が大きくなる
Section titled “パッドが小さいほど、同じ凹みの影響が大きくなる”CMPの最適化によって、imecはCuパッドの凹みを2.5 nm未満に抑えた平滑な面を得ました1。パッドが小さくなるほど、同じ凹みでも相対的な影響が大きくなり、2 μmのパッドと400 nmのパッドでは許される凹みが異なります。
imecはダイの個片化にプラズマダイシングを使い、粒子の発生を抑えました。ピッチを縮める開発は、表面を汚す要因を1つずつ減らす作業を伴います。
2 μmピッチの歩留まりは、Kelvin構造で85%超、デイジーチェーンで70%超
Section titled “2 μmピッチの歩留まりは、Kelvin構造で85%超、デイジーチェーンで70%超”imecの2 μmピッチのダイ接合で、Kelvin構造の電気的歩留まりは85%超、デイジーチェーンは70%超でした1。デイジーチェーンは多数の結線を直列に結んだ試験構造で、1か所でも開けば全体が落ちるため、単体の歩留まりより厳しい値になります。
ピッチが小さいほど、1か所の欠陥が奪う結線の割合も上がり、検査の負担が増えます。損失の出方は接合方式で違い、ダイ接合では位置ずれの合否がダイごとに決まり、ウェーハ接合では上下のウェーハの良品率が掛け算で効きます。合わせ精度、平坦さ、清浄さ、検査への投資が、密度の対価です。
よくある質問(FAQ)
Section titled “よくある質問(FAQ)”ハイブリッドボンドピッチとは何ですか?
ハイブリッド接合の結線を配置する間隔です。結線の数はピッチの2乗に反比例するので、この値が小さいほど同じ面積で多くの信号を層の間へ通せます。
はんだではどこまでですか?
imecは、はんだを使うダイ接合が10〜5 μmのバンプピッチで限界に達するとみています。はんだ球を配置する方式の寸法の下限です。
ダイ接合ではどこまでですか?
imecがCuとSiCNを直接接合するダイ接合でCuボンドパッドのピッチ2 μmを実証し、ECTC 2024で発表しました。このときの位置合わせ精度は350 nm未満でした。
ウェーハ接合ではどこまでですか?
imecの実証は400 nmピッチで信頼性の高い結線を示したあと、300 nm、VLSI 2025では250 nmへ進みました。
ピッチが小さいと何が要りますか?
接合工程に必要な位置合わせ精度はピッチの4分の1で、200 nmピッチなら50 nmです。ピッチを半分にすると、許される位置ずれも半分になります。
なぜ密度を上げたいのですか?
層の間でやり取りできるデータ量が増えるためです。距離が短いぶん、同じ帯域を低い電力で通せます。
面の仕上げはどのくらい要りますか?
imecはCMPの最適化で、Cuパッドの凹みを2.5 nm未満に抑えた平滑な面を得ています。パッドが小さいほど、同じ凹みの相対的な影響は大きくなります。
比較・違いを学ぶ
Section titled “比較・違いを学ぶ”- ウェーハ・ツー・ウェーハ接合とは── 最も細かいピッチを出せる方式
- 接合オーバーレイとは── ピッチの 4 分の 1 という要求
- Cuパッドディッシングとは── パッドが小さいほど厳しくなる高さ
- ダイ・ツー・ウェーハ接合とは── 2 μmピッチを実証した方式