コンテンツにスキップ

接合ボイドとは

接合ボイドとは、貼り合わせた面のうち2枚が離れている領域です。 そこにある結線はすべて開きます。ハイブリッド接合はウェーハ全面で数nmの平坦さを前提にし、貼り合わせる前の2枚の表面を極めて平らで清浄にしておく必要があります1。粒子が1個挟まるだけで粒子よりはるかに広い範囲が接合されないため、歩留まりは貼る前に面をどれだけ清浄にできるかで直接決まります。

粒子1個で、粒子より桁違いに広い範囲が浮く

Section titled “粒子1個で、粒子より桁違いに広い範囲が浮く”
粒子が浮かせる範囲
上のウェーハ粒子ボイド(未接合の範囲)下のウェーハ接合した結線開いた結線
粒子が1個挟まると、硬いウェーハが周りごと反って浮きます。浮いた範囲は粒子よりはるかに広く、その中の結線はすべて開きます。

接合面に粒子が挟まると、その点で2枚が押し離されます。ウェーハは硬い板なので粒子の周囲まで反り、離れる範囲は粒子の寸法より桁違いに広くなります。その範囲にある結線はすべて相手から離れるので、1個の粒子が何千もの結線を一度に落とします。

大気中で貼ると、空気と水分がボイドになる

Section titled “大気中で貼ると、空気と水分がボイドになる”
大気中の接合と真空中の接合
大気中で貼るセンタープッシュ接合が広がる向き大気中で貼りアニールした後外周のボイド水分の微小ボイド上のウェーハ下のウェーハ真空中で貼る
大気中では中央を押して接合を外周へ広げても外周などにボイドが残り、アニールでは水分が微小なボイドになります。真空中で貼れば空気を巻き込まず、水分も除けます。

ボンドテックは、大気中でウェーハを貼り合わせると空気を巻き込んでボイドになるとしています2。巻き込みを防ぐためにウェーハを撓ませ、中央を押して接合を外周へ押し広げる方法では、ウェーハの反りが生じます。接合はパーティクルや濡れの速さにも大きく左右され、外周部などにボイドが残るため、真空中での接合が求められるとしています。アニールの際には、余分な水分も微小なボイドに変わります2。

真空中で貼れば空気を巻き込まず、水分も除けるため、ボンドテックは微小なボイドの発生も抑えられるとしています。同社はさらに、MEMSの封止に使う陽極接合に表面活性化の前処理を組み合わせ、低温、ボイドレス、低アウトガスを達成するとしています。陽極接合は、アルカリガラスとSiを400℃程度に加熱しながら1000V程度の電圧をかけ、ガラス中のアルカリを酸素とナトリウムに分けて、界面で酸素とSiを結合させる技術です。

Cuパッドの数nmの凹みは加熱で閉じ、粒子の隙間は閉じない

Section titled “Cuパッドの数nmの凹みは加熱で閉じ、粒子の隙間は閉じない”
アニールで閉じる隙間と閉じない隙間
Cuパッドの凹み粒子が作る隙間接合直後アニール後数nmの凹みCuが膨張して接触粒子で浮いた隙間開いたまま絶縁膜Cuパッド隙間粒子
Cuパッドの数nmの凹みは、アニールでCuが膨張すれば相手と触れて閉じます。粒子が作る隙間は桁が違い、Cuが膨張しても開いたままです。

ハイブリッド接合では、接合前のCuパッドを絶縁膜の表面より数nm低く仕上げます。imecは、パッドの凹みをそろえてCuを絶縁膜の数nm下に置くことを、アニール後にボイドのない接合を得る条件としています1。凹みが数nmなら、接合後のアニールでCuが膨張して隙間が埋まります。粒子が作る隙間はこれと桁が違い、加熱した後も開いたままです。

個片化と研磨で、貼る前に粒子とうねりを断つ

Section titled “個片化と研磨で、貼る前に粒子とうねりを断つ”

ダイ単位で接合する場合は、その前にウェーハを個片に切るダイシングがあります。刃で切ると切りくずが出て、接合面に付着します。imecは2 µmピッチのダイ・ウェーハ接合でプラズマダイシングを使い、粒子の発生を抑えた高品質な個片化を実現しました3。この工程とCMPの最適化を組み合わせて、Cuパッドのディッシングを2.5 nm未満に抑えた平滑な面を得ています。

粒子を抑えても、表面そのものにうねりがあれば低い部分で2枚が離れたままになります。imecのウェーハ・ウェーハ接合では、ウェーハ表面のトポロジー制御の改善を含む複数の工程改善が1、400 nmピッチでの高い歩留まりにつながりました。小さいピッチでは、誘電体にSiCNが選ばれます。材料を替えると表面の仕上がりも変わるため、材料とCMP条件を合わせて設計します。

ボイドは透過して検査し、電気試験では開きとして数える

Section titled “ボイドは透過して検査し、電気試験では開きとして数える”

ボイドは接合面の内側にあるため、外から目で見つけるのは困難です。接合後は位置ずれ、ボイド、電気的なつながりを別々の方法で測り、ボイドは赤外線や超音波で検査します。結線への影響は、電気的な試験で開きとして現れます。

imecの2 µmピッチの結果では、Kelvin構造の電気的歩留まりが85%超、デイジーチェーンが70%超でした3。デイジーチェーンは多数の結線を直列につなぐため、1か所の開きが全体の不良になります。2つの値の差は、欠陥がどれだけまばらに散っているかを表します。

清浄度と、良品を選ぶ自由度は両立しにくい

Section titled “清浄度と、良品を選ぶ自由度は両立しにくい”

清浄度を上げればボイドは減りますが、工程と設備への投資が増え、処理できる枚数も減ります。ダイ単位で接合すれば良品だけを選べますが、個片化の工程が粒子の発生源になります。ウェーハ単位で接合すれば切る工程が接合の後に回るため粒子の機会は減りますが、片方のウェーハの不良が相手側の良品まで無駄にします。

接合ボイドとは何ですか?

貼り合わせた面のうち、2枚が離れている領域です。その範囲にある結線はすべて開きます。

なぜ生じますか?

面に粒子が挟まる、面にうねりが残る、空気や水分が閉じ込められる、のいずれかで2枚が触れる条件が崩れるためです。大気中で貼ると空気を巻き込み、アニールの際には余分な水分も微小なボイドに変わります。

粒子はどのくらい影響しますか?

粒子そのものより桁違いに広い範囲が浮きます。ウェーハは硬いため、1点で持ち上げられると周囲まで反るからです。

どう防ぎますか?

粒子の源を減らします。imecはプラズマダイシングで、粒子の発生を抑えた高品質な個片化を実現しました。ボンドテックは、真空中で貼れば空気の巻き込みと水分による微小ボイドを抑えられるとしています。

面の平らさも影響しますか?

影響します。imecでは、ウェーハ表面のトポロジー制御の改善が400 nmピッチでの高い歩留まりにつながりました。

どうやって見つけますか?

赤外線や超音波で接合面を検査し、電気的な試験では結線の開きとして見つかります。imecはKelvin構造とデイジーチェーンの歩留まりで結果を示しました。

加熱すれば埋まりますか?

数nmの凹みならCuの膨張で埋まります。粒子が作るボイドは桁が異なるため、加熱した後も開いたままです。

3件を表示
  1. 1
  2. 2
  3. 3